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FASHION

2019.10.12

藤原ヒロシが語る「BVLGARI X FRGMT」コラボ第2弾。話題のプロダクトができるまで

老舗ハイジュエラー・ブルガリと、クリエイティブディレクター・藤原ヒロシのコラボレーションコレクション第2弾が2019年10月4日(金)発表に。藤原ヒロシさんがその魅力と、これからのメディアについて語ります。

村上花名

コラボコレクション第2弾が発売に

老舗ハイジュエラー・ブルガリのアクセサリーを、藤原ヒロシさんがデザインしたことで大きな話題となった今年第1弾のカプセルコレクション。早くも第2弾が10月4日に発表されました。ブルガリ普及のアイコン「セルペンティ」や「ブルガリ・ブルガリ」ロゴに藤原さんの手がける会社のロゴ「FRGMT<読み:フラグメント>」がコラボレートしたり、ブランド初のデニム素材が採用されたり、ユニセックスなラインが誕生したりetc…。老舗のクラフツマンシップとデザインが藤原さんの視点から再構築された革新的なコレクション。コラボの裏側を語ってもらいました。

本国チームの遊び心を引き出したコレクション

―ファーストコレクションはニュースが盛りだくさんでした。今回注目すべきところはどこでしょう。

美しい革の質感が際立つふたつのカラー「ホワイトアゲート」、「ホーク・アイ」でしょうか。今回のセカンドコレクションは、僕がやりたいことを先行するというよりは、本国のチーム主導。ファーストコレクションの際に何度か本国の工房を訪れて、クリエイティブチームとたくさん話をして。その後も、彼らとコミュニケーションを取っていた中で、カラーなどいろいろなリクエストをもらいました。他にもカラーはあったのですが、あまりごちゃごちゃしない方がいいんじゃないか、と、最終的にはこの2色に。蛍光色は当初オレンジもあったのですが、黄色にまとめてもらいました。ホワイトアゲートのホワイトは。真っ白よりも蛍光イエローがより映える少しくすんだ白をチームが選んでくれたみたいですね。やりとりを重ねて完成したコレクションです。

―差し色のネオンイエローは新鮮で藤原さんらしいな、と思いました。

蛍光色を使うというのは、僕からではなくクリエイティブチームからのアイデアなんです。ファーストコレクションがかっちりしたデザインになったので、僕も「いいんじゃないですか」って。蛍光色でやるなら、ということでイエローは確か僕が選んだんだけれど。多分、向こうのチームも「藤原ヒロシ」という免罪符の下、僕に罪をかぶせて遊んでいるんだろうなって思います(笑)。チームは30代~40代前半と年齢層は幅広く、新しく加わった人も多かったようなので、今までのブルガリではなかったカジュアルなデザインに挑戦してみたいという子たちもいましたから。ふだんのラインではできないことをリクエストしてくれたのでしょう。

―まさに、藤原さんとのコラボだからこそ実現したコレクションですね。

もっと踏み込みたいくらいなんですけどね。ただ、本国を訪れた際に見学した工房で、革の加工される工程に感銘を受けて。そういうものを初めて見たからというのもあるかもしれないけれど、レザーの質が素晴らしかったことはもちろん、すべてキレイな手作りだったので、そこを崩すのは難しいな、と感じました。だから、ファーストもセカンドも素材の美しさが活きるデザインに落とし込みました。

…もし次があるならもっと踏み込んで、たとえば日本独特のカジュアルなバッグの造型やアイデア、そういうエレメントが入ると、さらにデイリーに持ちやすいものができるのかな、なんて考えています。

―2シーズンを経て、ブルガリというブランドへの印象は変わりましたか。

こういう取り組みをしないブランドだと思っていたので、少しずつ考え方が変わってきているのかな、と思いました。それでいて、着地点がはっきり見えているところがさすが。僕のわがままですべて進めていたらもっと違うものができあがっていただろうけれど、ある程度「こうしたい」というリクエストがはっきりしていました。僕も自分自身が「これじゃないとやらない」というタイプではなくて、チームができたらそのみんなの意見を取り入れながら、会社の意見も聞きながら進めていくタイプ。ブルガリの今までのお客さんにも響くようにとか、そういった判断がしっかりしているからこそ、わかりやすくてやりやすかったです。

型破りな「サコッシュ」が完成!

―レディスのアイテムをプロデュースするにあたって意識したことはありますか。

なんとなく友人が持ってくれそうなものを聞いたりしたくらいかな。あとは、やっぱりブルガリからのリクエストの範囲内だったので、それでもう完成していた部分はありました。

そんな中でも、いちから作ったのが「サコッシュ」。僕がいつも使っているものを参考にアレンジして、使いやすいものができたと思います。ナイロン生地を使ったりもっといろいろやってみたりしたかったのですが、それはハードルが高かったみたいで(笑)。今までのブルガリでナイロンのバッグはなかったから。もっとカジュアルでいいと個人的には思っているけれど、ブルガリというブランドの中でいちばんカジュアルなものはこうなった。

▲軽くて柔らかいボディフレンドリーなカーフレザーと、しなやかなチェーンが女性らしい印象。バッグ「サコッシュ」[W24×H19.5×D3]¥215,000

―Oggiの読者、働く30代の女性が「サコッシュ」を持つなら、どんなシーンがオススメですか? デイリーなのかドレスアップのときなのか…

自転車に乗るとき(笑)。デイリーに持ってください。

今のメディアに必要なのは“フィルター”

―「ヒットメーカー」といえば、藤原さんです。近年はひとつのアイテムをヒットさせるには「コラボ」や「インスタ」のような仕掛けが必要な時代になりました。今後、気になっているキーワードがあれば教えて下さい。

メディアは今、過渡期だと思うんです。いわゆるウェブメディアも少しスローダウンしていて、広告もあまり入らなくなっている。そうなると衰退していく。とはいえ、インスタグラムのような、個人が無造作にあげていくものを精査していくのは大変だし。だから、「フィルターになるような人」がもっと必要なんじゃないかと思っていて。「インフルエンサー」って、職業になってしまった時点でお金をもらうから、独自の選別機能が薄れていきますよね。そうなっていないうえで、モノを選べる人、もしくは自身に合ったフィルターでモノを選んでくれる人、知り合いでもいんですが、そういう人を見つけることがこれから重要になってくるんじゃないかな、と。…スタイリストとか評論家がそれになるのかな。雑誌の編集長が“ノンタイアップインスタ”とかやっちゃってもいいかもしれないですよね。ファッション以外の分野だったら、ジャーナリストとかもアンチ体制みたいなところもあって面白いかな、と思います。

―藤原さんのインスタアカウントは、無作為に思えるほどいろいろなジャンルのものが上がっていますよね。

僕は、あるときから発信の方法を昔っぽくしようと思って、一方通行であまり情報を出さないようにしているんです。雑誌も昔は一方通行だったじゃないですか。比べてSNSは、想像もしないコメントがついたり、それによって情報の趣旨がずれていったりもする。だから、コメントも、アップした以上のことを聞かれないように全部オフにしているし、フォローすることもやめて。「見るだけ」の情報になるように心がけています。

【ブルガリ×フラグメント「BVLGARI X FRGMT」第2弾】
予約受付開始:2019年10月4日(金)
発売予定日:2019年11月15日(金)
問い合わせ先:ブルガリジャパン 03・6362・0100
ブルガリオンラインストア

※記載した価格はすべて本体(税抜)価格。
※[ ]内の数字はW=横幅、H=高さ、D=マチを表し、単位はcmです。

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Oggi12月号で商品のブランド名に間違いがありました。114ページに掲載している赤のタートルニットのブランド名は、正しくは、エンリカになります。お詫びして訂正致します。
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