「相席スタート」というコンビで芸人をやっています山﨑ケイです。
このたびドラマ化(『人生が楽しくなる幸せの法則』)もされた書籍『ちょうどいいブスのススメ』の続編『やっぱり、ちょうどいいブスのススメ』が3月14日に発売されたのを記念し、Oggi.jpにこうして登場させていただくことになりました。
なぜ私が「ちょうどいいブスをススメ」るのか、今回はそのベースとなる考え方「仮定ブス幸福論」についてお話ししたいと思います。
もしも自分が「ブス」だったらどうすべきか、を考えてみよう
みなさんは自分のことを「美人」だと思っていますか?
ちなみに私は、芸人になる前までは自分のことを「美人ではないけどブスでもない」と思って生きてきました。(卒アルの写真なんかを見るとどう考えてもブスなのに、自己認識ではその程度なのですよね)
でも今回のお話をする上で、みなさんが実際に美人だろうがブスだろうがどうでもいいんです。
はい、ここであるひとつの提案をさせてください。
それは「自分をブスだと仮定すること」!
たとえ美人であってもブス、普通だなって人もブス、もともとブスだと思っている人はもっともっとブス、そんな風に自分を仮定してみてください。
そしてこんな願望があったとします。
人から愛されたい、モテたい、人気者になりたい、魅力的な人でありたい、と。
まぁ多かれ少なかれ誰しもが持っている願望ですよね。
そんな時、ブスだとしたら美人よりもこの願望を叶えるのが不利になります。美人だとしたら本人の努力がなかったとしても手に入ってしまうことが多いですから。
そこで考えるわけです。ブスと仮定したらこう思いませんか?
「ブスなんだとしたらせめて◯◯ぐらいできるようになろう」と。
頭の悪い美人は天然、では頭の悪いブスは!?
たとえば「ブスなんだとしたらせめて頭ぐらいは良くなっておこう」と私なら考えます。
頭がいいといっても、偏差値がどうこうとか学歴がどうこう、そういうことじゃありません。「物事を知っている」とか「常識を知っている」とかそういう意味での頭の良さです。
なぜそう思うのか。
それは美人であれば頭が悪かったとしても、「天然」キャラで愛される可能性があります。
ほら、よく見ませんか?
美しいテレビタレントさんがクイズ番組でボケ回答を連発し、「天然だなあ」なんて周囲を朗らかに笑わせている図を。そう、美人がバカだとしても、それは「天然」として愛されるのです。
ではブスがバカだとしたらどうでしょう。
はい、ただの「頭の悪いブス」のできあがりです。
性格の悪い美人は小悪魔、では性格の悪いブスは!?
これは頭の良さだけではありません。性格についても同じことがいえます。
たとえば美人が男性から食事に誘われて「どうしようかなー、何を食べさせてくれるか次第かなー」なんて答えたとします。はっきり言って性格悪い受け答えですよね。
しかし男性の目から見るとどうでしょう。
「なんだこいつ」と思いつつも、なんとか美人を振り向かせようと「ちょっと奮発してみるか」となるわけです。
そう、美人は性格が悪くても、「小悪魔」に映るんです。
これが一方、ブスが同じことをしたらどうでしょう。
はい、これまた「ただの性格の悪いブス」としか映りません。
そう、美人は欠点や短所すらプラスに転じることができますが、ブスにはそんなことはほぼありません。事実が事実として映るだけです。
だからこそ内面を磨こうと努力できる!
そう、事実を事実として受け入れるしかないのであれば、努力したほうがいいに決まっています。
賢くなり、人には優しくし、「頭のいいブス」「性格のいい」ブスになればいいのです。
それだけじゃありません。
ブスだとしたら性格も根暗よりは明るいほうがいいし、気が利かないよりは気が利く方がいい、人が嫌がることを率先してやる人の方がに決まっています。
美人が欠点や短所さえも許されあぐらをかいている隙に、密かに内面磨きをどんどんしていきましょう。
そうして努力するうちに、どうなっていくでしょうか。
ブスではあるけれど、頭が良く、性格も良く、明るく社交的で気が利く、人が嫌がることを率先してやる、そんな女性になっているはずです。
はい、ここで再度思い出してください。
あなたはブスではないのです。
「ブスだと仮定」しているだけなんです。
ブスであるという仮定を取ってみると!?
そこでこの「ブス」だという仮定を取ってしまいましょう。
すると何が残るでしょうか。
常識があり、当たり前のことができる素敵な女性がそこには残ります。
そうなんです、ブスだとか美人だとかそういったものに左右されない「素敵な女性」になることができるんです。
そのために一度「ブスだと仮定する」、これこそ「仮定ブス幸福論」の構造であり、「ちょうどいいブスのススメ」につながる考え方なんです。
昨今、この「ちょうどいいブス」という言葉に対し、さまざまな意見が寄せられてきました。ちょっと言いたいことと違うのになあと反発を覚えることもあれば、それはもっともなことだと反省することもたくさんありました。
自分なりに「ちょうどいいブス」と今一度向き合った結果、それでも「やっぱり」と思うのが、今回ご紹介した「仮定ブス幸福論」にほかなりません。
もちろん今の自分が大好き、生き方を変えるつもりはない、たとえ仮定だとしても卑下や自虐するようなことは絶対にしたくない、そういう人がいることも理解できますし、羨ましくもあります。私にはできないことだったので。
しかし「仮定ブス幸福論」はかつての私のように、「自分はブスかもしれない」とうじうじ悩んで世の中を憂いたり(笑) 一歩を踏み出せないという女性に特にオススメの考え方です。
「ブス」という言葉のインパクトは強いですが、中身はいたって普遍的な当たり前のことを言っていると思います。
少しでも響けばいいなあと、そんな気持ちで書かせていただきました。
またOggi.jpのみなさんにお会いできることを楽しみにしています。
山﨑ケイでした。
撮影/永谷友也(will creative) イラスト/つぼゆり 取材/吉田奈美
山﨑ケイ
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ドラマ化もし、話題となった大人気エッセイ『ちょうどいいブスのススメ』の第二弾が早くも登場! 今作では、自分を肯定する生き方や男女の恋愛観の違い、美人とかわいいとブスの違いなど、あらゆる「ちょうどいいブス」にまつわることを真剣に考えてみました。
またメイプル超合金・カズレーザーさんやドラマ『人生が楽しくなる幸せの法則』で主演をつとめた夏菜さんなど、豪華ゲストも。世間をお騒がせしてしまった「ちょうどいいブス」炎上についても、真正面から語っています。
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