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LIFESTYLE

2019.02.01

美容にお金をかけはじめたらキリがない…! どうすれば!?【中村うさぎのお悩み相談室vol.11】

今回の相談者は、アパレル会社勤務のNKさん(30)。舞台はアフター7、都内某所のバー…仕事・恋愛・将来に、悩みのつきないOggi世代とエッセイスト中村うさぎが1対1のがっつり本音トーク。悩める私たちの心にうさぎさんの格言が突き刺さる!【中村うさぎのお悩み相談室】ちょっと覗いていきませんか?

【中村うさぎのお悩み相談室】
「30歳を過ぎてから、どんどん進む見た目の変化にとまどっています…!」

NK 30歳を過ぎてから、体も見た目もなんとなく変化を感じていて、どう受け止めよう…みたいな悩みです。体のシルエットとか肌の変化が、見た目に顕著に現れてきたことにちょっとびっくりしていて。お金をかけるときりがないし、最近はだいぶ予算もかけてるんですが

中村 どういうものにかけてる? 化粧品に?

NK いつか買おうかなって思っていた美顔器を7万円はたいて買ってしまって。それまでは 元々美容好きだったので美容グッズをちょこちょこ買ってはいたんですけど、ちょっと5万を超えるものに手を出したの初めてで、けっこう投資したなというのが自分の中でもあるんですけど

中村 なるほど

NK とはいえ、色々メンテナンスもしたいなっていう気持ちもあるから、今後どんどんお金をかけたくなっていくだけだろうなって。
だから、思い切って突き進んで美容頑張るか、自分の年齢を受け止めてその変化も楽しんでいくのか、どっちが合ってるのかな、、とか思って

中村 それはねー、個人差なんで。どっちを重要視するかは自分で決めるしかないよね。

NK (笑)そうですよね

中村 うん。誰でもやっぱり崩れ始めてくるとなかなか悩むんだと思うのよ。そこで受け入れちゃおうと思う人と受け入れられない人の差がどこにあんのか分かんないけど、私はなんか45、6歳ぐらいでタカナシクリニックって美容整形クリニックの院長と知り合って、ノリで整形しちゃおう! みたいな感じで……。

NK ノリで(笑)

中村 私の人生、ほとんどノリだからさ(笑)。

で、それまでは、じゃあ私は全然気にしてなかったのかって言うと、それはもちろん気にしてたんですよ。やっぱり30歳過ぎたぐらいから目の下がたるんだりとか、全体的に肌質とか落ちてきちゃったりとか、そういうことが気になってはいたんだけど、30代の頃はものすごい忙しかったんで、なんかあんまりこう、ろくろく鏡もじっくり見ない、みたいな。

そんな鏡をろくに見ない日が何日も過ぎて、あるときハッと鏡の中の自分に驚く、みたいなさ。ろくろく見てなかったけどこんなことになってた! みたいな。あと、写真で驚いたりするよね。

NK あります、あります。

中村 鏡見てるときもろくに見てないからこのまま化粧して出かけてるけど、何かのときに友達と写真撮った時にさ、その写真見て、え! みたいなさ。こんなところに、ほうれい線が! みたいなね。

自分の顔って結構客観的に見てないから、化粧してる時も、一点しか見てないじゃん。アイライン引くときだって目の周りしか見てないし、全体的なものをちゃんと見てないから、木を見て森を見ずっていうか。細かいところしか見てなくて全体的に変わっていってるところに割と無頓着だったりして、それがやっぱり写真とかであらわになるからぎょっとするんですよね。

NK そうなんです…笑

中村 それで美顔器を買っちゃったのね(笑)。わかる。

私は美顔器みたいなのも一切使わなくて何も手をかけてなくて……でも、やっぱり気になってたけど、でもだからって言って何をしていいのか分からないから、とりあえず基礎化粧品とかをさ、化粧水とか美容液みたいなものを、ちょっと高いやつに変えてみたりとかしてたんだけど、そんな劇的な変化ないじゃないですか。ああいうもんって。

で、私やっぱり気が短いから効いてんのか効いてないのかわからないみたいなのってすごいイラっとくるんです。で、エステにも行ったことはあるんですよ。顔の右半分だけやってね、ウィンウィンされて「ほら、右半分がちょっと上がってるでしょう」とか言われても、わからないの。そう? みたいなさ(笑)

「整形しよう!」「おー!」

中村うさぎのお悩み相談室

NK (笑)わかります

中村 「騙されてない? 私」みたいになったりする。それで回数券みたいなの買わされて結局半分も行かなかったりしてさ。そういう無駄金を何度か使って。もうここのまま劣化するしかない、何か奇跡が起きて元に戻ることなんかは絶対ありえないから、こうじんわりじんわり劣化していって、例えば40くらいになった時に「40歳にしては、まあいいほうじゃない」とか、その辺で手を打つしかないのかなって。ある30代の頃は思ってたんですよね。

そしたらさ、40半ばぐらいでタカナシクリニックの院長に出会ってさ、「整形しよう」「おー!」みたいな、その場のノリでやるやるー! ってなっちゃった。何の心構えもないままに(笑)。

で、実際にやってみて思ったのはさ。エステ行ってもどんなに高い美容液をつけても劇的な変化なんて望めないと思ってたのに、整形ってやっぱり高いだけあって劇的に変わるんですよ。

NK なるほど。

中村 ほうれい線とかの場合は「スレッドリフト」って施術で、顔のたるみを糸で引っ張り上げるんだけど、ほうれい線が本当になくなるんですよ。そのかわり術後一週間ぐらいは腫れちゃって。なんか「こんなブスになっちゃってどうすんだ、私の人生を返して」みたいな気分に1週間ぐらいなるんだけど(笑)

NK 笑

「どこで諦めるかって線引きの問題」

中村 でもね、その腫れが引いた頃には本当にほうれい線もなくなっててすっきりきれいになってて顔も小さくなってるわけ。すごいと思ってさ。

薬もそうだけどさ、劇的に効く薬って大きな副作用があるじゃないですか。整形も同じで、劇的な変化を求める施術になればなるほどやっぱり術後の腫れは酷くて、1週間ぐらい人前に出られないとか。普通の人はさ、そんな顔で会社行ったら会社の人たちが「なんかあったんじゃない?」とかヒソヒソされちゃうから、やっぱり。

だからみんな年末とかに手術受けて、そのまま海外行っちゃったりするよね。年末年始やお盆休みを利用して、休み明けに出勤する時には腫れは引いてます、みたいな。

NK 狙い目な時期なんですね、混みそう(笑)

中村 うん、めっちゃ混むよ(笑)

ただ、それだけのお金や労力をかける意味があるかどうかっていうのは、個人の価値観だから、誰にでもお勧めするわけじゃないよ。

綺麗になったことに満足したとしても、その後また色々と他の不満が出てきて、さらにお金がかかるみたいなことも起きるからね。

最初はアンチエイジングだけだったんだけど、それが解消されたら前々からここが気になってたんだよね、みたいなことを先生にご相談したくなって、じゃあちょっとやってみたら? で、また何十万とかさ。

それは本当に、どこで自分でセーブして、どこで諦めるかって線引きの問題。美容整形だって限界はあって60歳の人を20歳に見せることは不可能だし、お金もかかるから無限にできるわけじゃないわけじゃん。それを考えると、美容整形しようがしまいが、どっかで諦めなきゃいけないっていう選択には直面するわけですよ

中村うさぎのお悩み相談室

NK そっかあー

中村 結局、総合的なプラスマイナスがどれだけあるかっていう判断も、個人差だと思うんですよ。

たとえば整形したことを隠し続けなきゃいけないのかどうかっていう問題も発生するじゃん。開き直ってカミングアウトできる人は楽だけど、会社やら家庭やら住んでる地域やら、社会的な環境ゆえに、それをひた隠しにする人はいる。で、ひた隠しにしてる場合は、誰かに突っ込まれたときにどういう言い訳をするか、とかさ。

NK 笑

中村 結局さ、整形って人生が変わっちゃうほどの影響力があるのよ。

さっき言ったみたいに一生秘密を抱える人生になるかもしれないマイナス面もある。でも、その一方では、やっぱり自分に自信が持てたりとかいうメリットも大きい。「私なんかどうせこの人にアタックしても無理だわ」と思ってたのが、ちょっと整形したことで気持ちが大きくなってさ、「思いきってアタックしてみるか」みたいな気持ちになる女の子もいるわけ。

ブスコンプレックス持ってた女の子がさ、整形である程度可愛くなっちゃって、そしたらなんか急に男に対して積極的になったみたいな事例も実際にあるしさ。それは彼女にとって良かったのか悪かったのか知らないよ。自信満々でアタックしたものの、、別の意味で玉砕するかもしれないし。モテは顔ばっかりじゃないからね。

NK うんうん笑

「プラス面は問題じゃない。マイナス面に目を向けるの」

中村 でも私はね、とりあえず良かったじゃんって思うわけ。なんか「私なんか……」ってうじうじ考えてるよりは、ちょっと可愛くなっちゃったから食事にでも誘っちゃおう♪ 勇気を出して! みたいなことも悪くないことだと思うし、その子がその後積極的に生きられるんだったら、そりゃそれで良かったと思うのね。

そういうわけで、マイナス面とプラス面をいろいろ言ったんだけど、その中から、自分はどっちのマイナス面が耐えられないかなっていう考え方をしたらいいと思うの。プラス面を見たら、いくらでもよく思えちゃうからさ。プラス面が問題なんじゃなくって、マイナス面が自分にとってどれだけマイナスかっていうのを、各自が考えて決めなきゃいけない。

NK 確かに

中村 私は、ほらこういう性格だから「整形します」ってみんなに言っちゃって、みんなに2chで整形ババアとかさ叩かれても「ええ、そうですよ何か」みたいに開き直っちゃってるから全然楽だけど、開き直れない人にとってはすごくさ、陰で整形って言われてるんじゃないかとか気になるわけよ。言われてなくても、本人がビクビクしちゃう。そうなると、せっかく綺麗になっても人生楽しめないでしょ?

それ考えると、たいして効果ないけど他人からあれこれ言われなくて済むエステや美顔器あたりにしといた方がいかもって答えもありだと思うの。

要は、自分にとって何が大切なのかを見極めることが必要になるのよね。

NK はぁー。なるほど。今、どっちって決められない。あと5年貯金をしながら考えたいな、

中村 そうそう。整形貯金みたいなのをしてもいいし、あと、その5年の間にあなたの中で画期的な変化があるかもしれないじゃん? もうほうれい線とか気にならんわって思えるような何かが起きるかもしんないじゃない? たとえば結婚して子供産んで、自分の容姿より子育てが第一になることだって十分にあるわけだし。

NK そうですね。今、元々自分に自信がなかったのに、更に自分に変化が出てきちゃったので、よりメンタル的に辛いなって思っちゃうところがあって。

2つ上の姉がいるんですけど、一緒にいても姉の方が若く見られるんですよ。それは昔からで、顔が老け顔というか大人っぽく見られてきていて、30を迎えた今、いくつに見えてるんだろうとかが、すごく気になっちゃったりとか。

中村うさぎのお悩み相談室

中村 ああー、でもね、老け顔の人の方が老けないんだよ

NK ほんとですか

中村 ほんとほんと。若い頃から自分の実年齢よりちょっと上に言われがちな人ってさ、「私、老け顔だから、このまま40歳とかになったら50歳に見えちゃうんじゃないかしら」とか心配するんだけど、意外とそういう大人の顔立ちの人の方が崩れにくくて、可愛い系の顔とか童顔系の人は一気に崩れるの。

NK 友達とかと半年ぶりくらいに会った時に、結構変化を感じちゃったりとかして、あって思っちゃうんですけど、じゃあ自分はどう見えてるんだろう、みたいに気になってきて(笑)

「人生のプライオリティが変わっても…」

中村 うんうん、心配だよね。それはね、わりと老け顔の人の方が老けても目立たないの。あんまり顔に変化がないないように思われる。本当はみんな変化してるんだけど、童顔が崩れた方が老けたという印象が大きいのね、他人の目には。

ただ、誰でもいつかはおばさんになるから、いつかは諦めなきゃいけない時が来る。で、女の人が美容の市場から降りるっていうことは、恋愛市場から降りるって事と等しい場合が多いわけ。

NK なるほど

中村 うん、だからたとえばさ、35歳ぐらいで結婚して子供を産んじゃってさ、子供なんか産んだらさあ、もう子育てでなりふり構わなくなる時期が必ずあるじゃん。出産で太っちゃったりとか髪の毛もパサパサでさ、以前は絶対着なかったような服着てすっぴんでさ、幼稚園にお迎えに行くみたいな生活を何年かしてたら、そのうちに「別にいつも髪の毛きれいにしてなきゃいけないわけじゃなくない?」みたいな気分になってくる可能性もあるわけよ。

同年代で美容にガンガン頑張ってる友達見たらまだ綺麗かもしんないけど、ちっちゃい子抱えて苦労してる自分と同じジャンルのママ友達見たら、いつまでもそんなに若い人もいなかったりして、自分と同じように老けてたり疲れてたりやつれてたりするからさ。「まぁ、これでいいかな別に」みたに思ってるかもしんないね、5年後とか

NK 確かにそうですね。

中村 だから「美容貯金」とか言いながら貯金してたら、その間にまたこれから何が起こるかわかんないから、結婚して子供産んだらそれは子供用に使えばいいって(笑)
。人生のプライオリティが変わっても、貯金はあるに越したことないしさ。

NK 確かにそうですね。

中村 そうですよ。30歳なんてまだまだこれからですよ、人生は。

NK はい、そうします! ありがとうございます!!

撮影/深山徳幸 撮影協力/シューパレード

中村うさぎ

小説家・エッセイスト。OL、コピーライターを経て作家へと転身。ベストセラーとなったデビュー作『ゴクドーくん漫遊記』を皮切りに活躍を続ける。その後、自身の実体験を赤裸々に綴ったエッセイがヒット。『女という病』『私という病』『狂人失格』『セックス放浪記』『プロポーズはいらない』など多数の人気著書を手がける。

中村うさぎオフィシャルサイト
https://nakamurausagi.com

中村うさぎオフィシャルメールマガジン
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https://nakamurausagi.com/mag

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