【中村うさぎのお悩み相談室】
「妹にどう言ってあげたらいいか、わからなくて…」
RA 今、妹の問題に家族中が振り回されているというか、私の方が歳が近いというのもあって、妹へのアドバイスを親から託されてるんです。
妹が今年29になるんですけど、どっちの人生歩むか2つで迷っていて。結婚の話なんですけど、ひとつは、自分が本当に好きなひとがいるみたいなんですが、世間的にいう条件が良くない男性と、スペックの高い男性とどちらを選べばいいのか。
そんな妹を、姉としてどうにかしろって親が私に言ってくるんですけけど、なんてアドバイスしたらいいかわからず。
中村 条件がよくないって、どういう条件?
RA 妹の好きな男性は今、配管のメンテナンスみたいな仕事をして一応今は社会的には働いてる。なんですが、中学卒業してから10年くらいぶらぶらしてた期間があったりして、最近ぽっと就職したらしいんです。そういう不安定気味な男性の方がすごく好きみたいで、心から。
でも一方で、現実的なことを考えると、スペックの高い男性の方がいいのかな、と。SNSとかで同世代の子が結婚しました~高い結婚式場でスペック高い男性と結婚しました~みたいな。競争みたいにアップしてるのを見てると…
中村 まぁ、そんなのは対外的なアピールに過ぎないけどね。
RA 実態は確かにわからないんですけど、表面上はキラキラなことをしてる友達を見ると「私もやっぱり本当はこっちにいきたいな」という気持ちもあるみたいで。
今付き合ってる彼はスペック低い、でも本当に好きなのはその彼。みたいな感じで、グラグラしてるみたいでして。親は手に負えないのでお前なんとかしろって言われるんですけど。なんとかしろって言われても私にはなんと言ってあげたらいのかわからなくてですね。。
中村 いや、そもそも親や姉がなんとかするもんじゃないと思うんですけど。だって妹さんの人生じゃないですか。もし高スペックの人をすすめて失敗した場合、お姉さんや親御さんは責任とれるんですか。ものすごいDVだったり本当に酷い男だったりしてさ。スペックは超高くて国家公務員だったり官僚だったり一流商社勤めとか。でも、人間としては最低みたいな人いっぱいいるじゃないですか。
RA そっか(笑)
中村 まぁ見た目もいいし、お金も持ってて、結婚式も煌びやかで、素敵なマイホームで絵に描いたようなインテリアで暮らしてても幸せとは限らないじゃない。
妹さんが何を幸せと思うかは、ご本人が決める事だと思うんですよ。周囲が決める事じゃないので。
妹さんがどっちに決めていいか分かんなくてお姉ちゃんどうしようって言っているならともかく、親から「お前がなんとかしろ」というのは、、なんかすごい親だなと思うんですけど。お母さんお父さんなんですか? そのプレッシャーは。
RA 母親です。
中村 お母さんは娘にこうしてほしいみたいなのを割と押し付ける系??
RA どうなんでしょう……面倒なのは、表面上ではわかってる風の母親を演じるんですけど、たぶん暗に押し付けてるところがある気はする。
中村 29歳で結婚が決まらなくたって全然いいと思うし、年齢的なものを気にしたりスペック気にしたりするのって、はっきり言ってお母さんの見栄じゃないですか?
お母さんが「あそこのお嬢さん、あんな29にもなって結婚しないで、しかもようやく結婚したと思ったら旦那さん、低スペックなんだって、ぷっ!」みたいなことを言われたくないだけでしょ?
RA 確かにおっしゃるとおりで。
あと、ひとつお伝えし忘れていたのが、妹も割と最近焦っているようで、直接相談を受けるようになったんです。どうしたらいいかな…みたいなことを言われるんですけれど、結局妹の中での折り合いのつけ方に悩んでるみたいで。妹自身がどう折り合いをつけてこの先を生きていったらいいの? どっちを選択したらいいの? っていう折り合いのつけ方がわかってないみたいで。そこに対して具体的なアドバイスを求められるんですけど、一体全体何を言ってあげたらいいのか。
「どっちが正解・不正解なんてない。どちらでも失敗はすると仮定してみて」
中村 つまり、AコースとBコースがあるわけよね。今の彼と結婚するコースをAだとして、高スペックとの結婚をBだとして。でもね、AかBかどっちかが正解なんていうことは、誰にもわからないんですよ。何が起きるかわからないんだからさ。だからね、もし選び方に関してアドバイスをするのであれば、どっちを選んでも失敗するって仮定するといいと思うの。
まず、今の彼と結婚しても幸せになれないケース。好きな人と結婚したけどやっぱりその生活に不満があったりとか、そういうことでなんだかんだ言って離婚しちゃうかもしれない可能性はあるわけじゃないですか、いくら好きでも。
一方、もう一人の高スペックの人と結婚しても、やっぱりうまく行かない可能性もあるわけよね。
で、どっちも失敗すると考えてね、どっちの失敗がまだ納得できるかっていうことを考えてみる。好きな人と結婚して失敗するんだったらしょうがないやって思えるのか、やっぱりスペックで選んだんだから、スペックで選んだ以上は結果的には失敗してもスペックで選んだ私が自分で責任とろうって思えるのか。
要するにね、妹さんの覚悟が決まらないっていうことは、本人に責任取る気がないってことだと思うの。
RA 責任をとる?
中村 うん、自分の選択に自分で責任を取る覚悟ね。
結局、何をしたって失敗するときは失敗するんですよね。結婚も仕事もそうだけど、何か二択で迷った場合に、どっち取ったって「絶対うまくいく道」なんて存在しないわけですよ。
で、選択した以上は自分がそれを正解にしようと思って努力するしかないんだけど、特に結婚なんか相手のいることだから、自分がいくら努力してもうまくいくとは限らないじゃないですか。相手次第みたいなところもあるから。そうした場合、もしその結婚が破綻したとして、あなたがどっちの後悔だったら自分の中で腑に落ちるっていうのかな。しょうがないやって思えるのか。ていうのを、妹さんが自分で決めなきゃいけない。
道が見つからなくてどっち選んでいいのか分かんなくて迷ってる人って、大抵どっちかが正解でどっちかが不正解だと思ってるんですよ。
RA 本当にそう
「選んだ道が正解するように努力した結果なの」
中村 でも正解と不正解なんて人生にほぼないんですよ。なんか成功してるように見える人でも、最初から選んだ道が正解だったんじゃなくて、正解するように本人が努力した結果なのよ。
途中で「これ失敗だったかもしれない」って何度思っても、そこで粘り強く頑張ったのか、それとも、そこはきっぱり諦めて違う道に軌道修正して成功する場合もある。選択肢は豊富にあっても、どれが正解なんて本当になくって。神様が決めた道みたいなのは、ないから。先は見えないっていうのはみんな同じ条件なのよ。
で、自分が選んだことを正解にする努力をするにあたって、どっちの道だったら自分は努力できるって思えるか、というところで判断するしかなの。大好きだけど出世は望めない人と結婚生活を続けていく努力か、高スペックだけどもしかしたらムカつくかもしれない男との結婚を続ける努力か、どっちが自分にとって努力しやすいかは本人しかわかんないじゃん。
恋愛至上主義な人生観の人は、「スペックは低くても好きな人と一緒にいたらなんでも耐えられるよ」って言うかもしれないけど、そりゃその人の価値観の問題であってさ、そうじゃない人がいても全然いい。どっちかが正解とかじゃないんだよ、どっちを選んでも必ず努力とか犠牲が伴うんだよ。
で、努力や犠牲を払っても、失敗するときは失敗するっていうふうに、悲観的に仮定して。最終的になんだかんだ言って離婚とかなって傷ついたときに、どっちの後悔が自分にとってはまだ受け入れやすいかっていう、そこだと思うんですよ。
RA なるほど。その視点は全くなくて、結構「どっちが正解だと思う?」みたいな問われ方をしていたので。それに対しては答えようがないなって。
中村 答えられないよね。しかも高スペックの方は具体的に候補がいるわけじゃないんでしょ? これから探すわけでしょ?どんな人がでてくるかも予想できないじゃん。
RA そうですね。高スペックの男性は、たぶんこれから出会おうとしているみたいなんで。
中村 掘り当ててもいない宝のことを考えてるようなもんじゃないですか。
RA おっしゃる通りですね。まさにそんな状況
中村 自分の手の中に大事なものはとりあえずあると。でも、もっといい宝があるはずだと思ってて、その宝がもう既にどっかからちょっと一部でも見えててね、「あれだ!」とか思ってるならともかく、どこにあるかわからない宝と比べてもさ、掘ってみたらとんでもないウ●コが出てくるかもしれないよ(笑)。「あ、宝じゃなかった! だったら今の彼の方が全然宝だったよ!」みたいな(笑)
RA なるほど。そうですね。
どうせ失敗する……確かにそれはひとつ言ってあげたいなと今思いました。「どっちかを自分が選択したら、選択した以上その先には正解しかないはずであって、だから今すごく大事なんだこの分かれ目が!」みたいなことを思ってるみたいなんで。
「人生が崩壊するほどの失敗なんてないと思う」
中村 そうなんですよね。あと、やっぱりやり直しのきかない失敗って人生にそうそうないんですよ。人殺しちゃったりとかしたら別だけど。そうじゃなければ、結婚でも仕事でもそうだけどさ、必ず人は失敗するじゃないですか。でも、失敗したって思っても、取り返しはだいたいつくんですよね。
結婚だってやり直すことはできるし、結婚という選択肢を捨てるっていう道もある。結婚ってこんなもんなんだって思って離婚して、で、もう次は結婚じゃなくて、もっと違う形でパートナーみたいなのがいればいいかなみたいに思う、とかさ。そういうふうに、失敗してもその次が暗闇みたいな失敗っていうのは世の中にそうそうないから。たとえ全財産を詐欺師に持っていかれたって、また稼げばいいわけですよ。
私なんか全財産をホストに持って行かれたときもあったけど、金なんて、そのあと稼げばいいじゃないですか。人間関係だって、この人とうまくいかなかったからって、その人しか世の中にいないわけじゃないし、他にも人がいっぱいいるし。結婚ばかりが人生最大の幸福への道とも限らないし。他の形も色々あるんだから、とりあえず、取り返しのつかない失敗はないことは、覚えておいて欲しいなと思うんですよね。だから取り返しがつくと思えば、もう一つや二つの失敗って、そんなに人生が崩壊するほどの失敗ってないと思うんですね。そう思えば少し選択も楽になるじゃないですか。
RA そうですよね。考え方なんですよね。
中村 ここで今の彼と結婚したら、もう転落の人生……なんて思う必要ない。離婚して、次は違うタイプの人とやり直せばいいだけじゃん。
高スペックと結婚したって同じように「失敗した!」って思う可能性はあるよ。そいつがクビになったらどうすんの? 痴漢なんかで捕まってさ。よくあるじゃん、高級官僚なのに、ついつい女子高生のパンツの中に手入れちゃって捕まってさ。高学歴でもそういうバカは必ずいるのよ。
RA あははは(笑)
中村 高スペックっていうのが高学歴高収入な職業だとしたら、それって本当に安心材料ではない。さっきも言ったように人間的にどうかっていうのとは全然別問題だからね。
DVなんてさ、飲んだくれオヤジが女房子供殴ってるんだろうって思ってる人が多いみたいだけど、すごい高スペックな人がストレスで奥さん殴ったりとかって事例はあるから。
RA えー
高スペック=安心材料じゃない!
中村 いくら高スペックでもDVとか痴漢で捕まるような夫だったら、本当に今の彼と結婚したらよかったとお母さんも思うと思うよ。でも、結婚するまでわかんないじゃん。結婚するときに痴漢歴ありますかとか聞くわけないし、聞いたってさ「実はあるんですよ」なんて言わないじゃない。だからみんな知らずに結婚して、結婚した後にそれが公になって、みたいなこともあり得るわけだから。
人間なんか、スペックなんかでわかるわけない。その人間性とか陰で何をやってるかなんてことは、全くスペックでは読み取れないんですよ。キラキラしたガーデニングとかしててもさ、家の中では殴られてるかもしれない。インスタでは殴られてる写真とかアップしないからさ、みんなは幸せそうだねとか、こんなお花いっぱいのお庭で素敵とか言ってるけど、服脱いだらアザだらけかもしれないじゃん。そんなの幸せ?
RA そうですね、確かに
「人生のほとんどのことは、ギャンブル」
中村 そりゃ本当に絵に描いたような幸せな家も、もちろんあると思うんですよ。でもそれ、たまたまラッキーくじを引き当てただけで、その人の手柄でもなんでもないよ。
もし結婚した相手が人に言えない性癖を持ってたりとかDV癖を持ってたとしても、自分が悪いわけじゃないから。選んだ相手がそうだったからといって自分を責めることもないわけだし。見る目がないとか人は言うかもしれないけど、そんなのわからないから。
だから結婚とかするのってみんな賭けなんですよ。ギャンブル。で、ギャンブルはやっぱり、負ける時には負けるんですよ。ボロ負けすることもあるわけですよ。でもギャンブルに負けたって、その人が悪いわけじゃないでしょ。単なる運の悪さだよ。
人生はほとんどのことがギャンブルだと思っていいと思うんです。というのも、人生ってものすごく熟考して、計画を立ててもたいがい計画通りにいかないので。何歳で結婚して、何歳で家立てて、子供は何人で、とかみんな未来予想図みたいなこと言うけどさ、描いた未来予想図どおりに生きてる人、見たことないから。大概さ、「え、こんなことでこんなことになっちゃった!」みたいなもんだよ、人生は。
RA そうですよね。
中村 ま、目標は必要だからね。未来予想図を描いて、それを目標にするのは自分のモチベーション上げるためは役立つと思うの。でもその目標が必ず達成されるなんて誰も保証できないから。
で、仕事でも結婚でも何でもそうなんだけど、成功した人のやり方がうまかったのか、自分も真似すれば同じように成功するのかというと、そうはいかない。大概が運なんですよ。たまたまその人がやったことが認められたっていう。同じことやっても認められないときは認められないし。周囲にいる人にもよるし、その時代にもよる。
その時代には早すぎちゃったらさ、どんなに斬新なすごくいいこと言っても世の中が付いてこなかったら、変人だと思われて終わる。だけど後世になって「あの人があの時に言ってたこと、すごいことだったんじゃない」とか言われて、天才とか言われてもとっくにもう本人は死んでるみたいなさ。意味ねえじゃん、みたいなさ。
RA (笑)
中村 しかも妹さんの場合、いくら未来予想図を描いても、肝心の高スペックの相手がまだ現れてないっていうね。具体的にいるわけじゃないから、今の彼とも比較のしようがないじゃんって思うんだけど。
どこで見つけるつもりなんですかね、その高スペック男。
高スペック男とは、どうやって出会うの?
RA 彼女今、お見合いマッチングアプリ…世を席巻している、東京カレンダーアプリとか、そういうのに目下登録して、お見合いサイト4、5社駆使して、年収一千万で切って、そこ以下は見ない、みたいなことを今、死に物狂いでやってますね
中村 私はそれについてちょっと言わせていただきたいんですけど。
RA ぜひ(笑)
中村 お見合いアプリとかまだない頃だったけど、私の知り合いでお見合いサイトみたいなのやってた人がいてね。やっぱり男の人はみんな高スペックを揃えるわけですよ。年収二千万以上だったかな。まあ、医者とか弁護士とかもいるわけよ。
で、その会員のお見合いパーティってのがあって、私、行ってみたんだよね、既婚のくせに(笑)。どんな人が来るんだろうと思ってさ。
で、思ったのは、やっぱそういうところには、ワケあり物件も多いってこと(笑)。
RA やっぱりそうなんですね。
中村 まず容姿も、いくら年収二千万以上でも、これは守備範囲外…みたいな人もいるし。
ビジュアルは普通じゃんみたいな人でも、ちょっと喋ったりすると「母親に無理矢理、結婚相手見つけろって言われて登録させられたんだけど、僕が妻に求めるものはこういう条件なんですよ、ペラペラペラ」みたいにめっちゃ上から目線で喋る男とか。あとは、まともにコミュニケーションが取れなかったりしてね。話してる時に一度も目を合わせないとか…。この人と結婚して、毎日一緒に晩御飯食べてても、一生目を見てくれないんだろうな、みたいな。
RA さみしい(笑)
中村 あと、すごいマザコンだったりとか。なんかね、お母さんがうるさそうなのね、そんなお姑さん嫌じゃん。お見合いパーティのときからお母さんの話しかしない男とかさ。お母さんに疎まれでもしたら、どんな目に合うかわかんないじゃない。
RA あんまり期待しすぎないほうがいいんですね?
出会い系で会ったのは、王子様じゃなく詐欺師…!?
中村 そう。王子様みたいな人がそこにいるわけないと思う。
RA なるほど、確かに。
中村 ちゃんとしたお見合いサイトですらこれなんだから、自由に登録できる出会い系みたいなので課金制だったりすると、詐欺の可能性もあるわけよ。
私の知人がそれにひっかかったんだけどさ。数年前に自殺しちゃった従兄弟なんだけどさ。出会い系アプリに登録して、川崎麻世にそっくりなイケメンの医者と知り合って、何度か会う約束をするんだけど、直前になって大抵、医者に緊急の患者が入ったりとかさ。で、次の約束をするには課金でチケット買わなきゃいけないわけ。
RA えー!! 恐ろしい!!!!
中村 絶対サクラじゃん、それ、みたいな。でも本人は信じてて、その医者に会いたくて百万だか二百万だか使っちゃったらしい。
そんなとこに川崎麻世みたいな医者がいるわけないじゃん。あり得ないでしょって思うんだけど、やっぱり心が弱ってたりさ、藁にもすがるような気持ちだったりすると、信じたいものを信じちゃうんだよね、人間は。
決してバカな人じゃないんだよ、その人。彼女がもっと若くて美人だった頃だったら、こんなのインチキねって気づいたと思うんだけど、もう若くはなかったから焦ってたのね。切羽詰まっちゃうと、理性も働かなくなる。人間、焦って切羽詰まったらおしまいですよ。
「もっと余裕をもって。追い込まないで」
RA そうですね。確かに。大前提として、そうですよね。
中村 妹さんもね、今まだ29歳だし、切羽詰まる必要なんてひとつもないと思うの。そこで妙に自分を追い込んじゃって、「高スペックの男と30歳までに結婚しないと、私の人生は終わりだ!」みたいに思い込んじゃったら、勝手に自分を追い込んで切羽詰っちゃって、そうするとろくなものを引き当てないと思うんですよ。
結婚なんてしなくてもいいじゃないぐらいの余裕をもって男を選んだ方が、絶対いい。スペックが大事なのか、それとも愛が大事なのか、人柄が大事なのか、そういうことをじっくり考えられるだけの余裕は持って欲しいな。余裕をもたないと人は愚かな選択をしちゃうから、まず自分を追い込まないでほしい。29歳で独身なんて、山ほどいるじゃないですか、この世に。
RA そうですね。いやあ、本当にありがとうございました。妹に伝えます。
中村 あと、お母さんには、あんまり娘の人生に口を出さないようにって言っといて。
RA なるほど。もう大元の原因はそこなんで。本当にありがとうございます。
撮影/深山徳幸 撮影協力/シューパレード
中村うさぎ
小説家・エッセイスト。OL、コピーライターを経て作家へと転身。ベストセラーとなったデビュー作『ゴクドーくん漫遊記』を皮切りに活躍を続ける。その後、自身の実体験を赤裸々に綴ったエッセイがヒット。『女という病』『私という病』『狂人失格』『セックス放浪記』『プロポーズはいらない』など多数の人気著書を手がける。
中村うさぎオフィシャルサイト
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