気付かれました?
「11:10」を指し示す時計が舞台にあることを。
欧米では、「11:11」になると、「Make a Wish!」とお願いごとをする人が多いそうです。「1」が並ぶこの「11:11」という時間は偶然が重なり合うような幸運な時間だと言われているのですが、【キュリオス】の物語は、まさに時計が「11:11」を刻むところからスタートしています。
そしてその1分後の「11:12」には現実の世界に戻ってしまうという設定。このたった1分間に現実世界では想像もつかないような異世界へあなたは誘われます。
1984年に大道芸人たちがはじめたシルク・ドゥ・ソレイユ。創設30周年を記念して演出家のミシェル・ラプリーズによって制作された今回の作品は、数あるシルク作品の中でも特別なもの。
30年の年月をかけてサーカスを独自に進化させた究極の技が今回【キュリオス】で披露されます。
驚きと感動を与えてくれる【キュリオス】の内容とは…
シルクの集大成というだけあり、すべて見ごたえのある最初から最後まで驚きが詰まった素晴らしいショーとして完成しています。
本当は全演目ここで内容や見どころを紹介してしまいたいのですが、みなさんが実際に鑑賞しに行った時のお楽しみも残しておかなければ。。。と言うことで、わたしのお気に入りを5演目ご紹介します!
■ロシアン・クレードル/RUSSIAN CRADLE
漏電によって目覚めた力持ちの男と磁器の顔を持つ人形がオルゴールから飛び出し、動き出すというもの。地上4mもある装置の上で繰り広げられる技はハラハラドキドキ! 2人の呼吸の合ったパフォーマンスは見ものです!
■バランシング・オン・チェア/UPSIDE DOWN WORLD -BALANCING ON CHAIRS-
夕食に招かれたゲストたちはシャンデリアを念力で動かすことができる男に驚きます。別のゲストは椅子を積み上げてそのシャンデリアに触れようと挑戦を開始。すると頭上に全く同じ光景が逆さまに存在することに気付きます。
■アクロネット/ACRO NET
突如現れたステージ全体を覆うほどの大きなネット。この上を生き物たちが飛び跳ねトランポリンの技を見せる。どのくらい弾むかを調節できるようになっていて、時には天井に届くほど飛び跳ねることも! あっちに跳んだり、こっちに跳んだり、大きな動きで観客を盛り上げます。
■シアター・オブ・ハンズ/THEATER OF HANDS
アーティストが指だけを使いストーリーを伝えるというシンプルで詩的な演目。リアルタイムの映像がスクリーンとなる熱気球に投影されます。そのなめらかさはいつの間にか動いているのが指だと言うことを忘れるほど。
■バンキン/BANQUINE
体の機敏さを表現した完璧に息の合ったアクロバット&人間ピラミッド。次々に互いの肩に乗っていくだけではなく、飛び降りたり宙返りしたり、ステージや観客席など会場の様々な場所で動き回るアーティストに注目です。
※都合により公演の内容を一部変更する場合がございます。
【キュリオス】のメインキャラクターは日本人女性!
今回、日本での【キュリオス】に注目すべきポイントがもう1つあるんです。
創設30周年を記念して制作されたシルクの中でも特別なこの作品、メインキャラクターの1人が日本人女性なんです! 世界の大舞台で活躍する彼女を同じ日本人女性として、ものすごく誇らしく思います!
彼女のお名前は池田一葉(カズハ)さん。クララと言うキャラクターを演じられています。
クララは、靴のヒールをスイッチにして、輪っか状のスカートの向きを変えると、アルファー波を受信。独自の言語を話す彼女は、電報や蓄音機が開発された鉄道最盛期に、人々が電気通信へ抱いていた強い憧れを象徴している、という役柄です。
■カズハさんってどんな人?
2003年、ダンサーとしてロサンゼルスに移住。最初は舞台ではなくTVに出ることが夢だったそう。
2005年にラスベガスでシルク・ドゥ・ソレイユの【O】を観て感動、シルクがダンサーも募集していることを知り早速オーディションにトライ。今回キュリオスへの出演が決まるまで、8回もオーディションを受けたんですって!
今回カズハさん演じるクララの出番はキャラクター中でも特に多く、ショーの最初から最後までほぼ舞台上。アクロバティックな役ではないけれど、ストーリーを繋いでいくキーパーソン。
クララはストーリーの展開と共に、そして観客の皆さんとの間に交わされる静かなインタラクションを通じて、段階的に進化していて「人間の気持ちを理解したい」と思うようになっていくそうです。彼女の「進化」にもぜひ注目してみてください。
■ カズハさんから日本のファンの皆さんに一言!
「日本で公演が行われるショーで自分の夢が叶うと思ってなかったからとても嬉しいです。シルクに入りたいと思ってる人がもしいたら、今回のわたしの出演は、ずば抜けていなくても入れるんだよというようなポジティブな目標になれると思います。家族や友人、そして日本の皆さんにお会いできるのを心から楽しみにしています。」
日本公演は2018年2月7日にお台場ビッグトップで開幕する東京公演を皮切りに、大阪、名古屋、福岡、そして仙台と続きます。
詳しくは下記のキュリオスの公式サイトをご覧くださいね。
文/有田千幸
Photos: Martin Girard, Pierre Manning / shootstudio.ca © 2014 Cirque du Soleil
初出:しごとなでしこ
有田千幸 なでしこリポーターズ
ニュージーランド オークランド大学 経済学部卒。その後、台湾の航空会社でCAとして9年間乗務。現在は建築設計事務所の秘書兼海外広報担当。1983年生まれ。MISS WORLD JAPAN 2005 ファイナリスト。ワインエキスパート。
Instagram:@chiyuki_arita