丸山隆平「“好きなものは好き”と言えるようになった」
――30歳を超えて、お仕事への考え方も変化したと思うのですが、いかがでしょうか。
丸山:これまで様々なことがありましたが、「唯一、裏切らなかったのはファンだけやな」と感じることがあるんです。だからこそ、アイドルというお仕事を愛しているし、今改めて、「この仕事に骨を埋めるんだろうな」と思っているんです。俳優としては、30代にしかできないような役柄を頂けているんです。それと同時に、20代で学んできたものを解放できるのが30代だとも思うんですよね。
――お仕事に対しても、いい意味での余裕が出てきたように感じます。
丸山:そうですね。とくに、『関ジャム』での演奏シーンは、ほぼ一発撮りなんです。ゲストによってリテイクはあれど、自分達からはしないという空気があるので、1回に込める熱量がすごく高いんです。主役はゲストのアーティストさんだからこそ、その人のフィーリングに合わせて演奏するのですが、ほとんどのアーティストさんがCDとは違う、その時の気持ちで歌われるんですよね。
なので、その方たちの気持ちに寄り添って、ドラムの大倉(忠義)と目を合わせながら、探って演奏できるようになりました。僕らはホスト役なので、ゲストに気持ちよくなってもらわなくては意味がないんですよ。そう考えられるようになったと思うと、我ながら大人になったと思います(笑)。
――プライベートでの変化はありましたか?
丸山:会いたい人には自分から声をかけるようになりました。先日、ずっとお話をしたかった音楽プロデューサーであり、ベーシストである亀田誠二さんにご飯に連れて行ってもらったんです。以前なら偉大過ぎて声すらかけられなかったんですが、いまは肩の力が抜けて、「好きなものは好き」と言えるようになったんです。
そのほかにも、桂ざこば師匠にゲイバーに連れてってもらったり(笑)、岡崎体育くんと女王蜂のアヴちゃんとカラオケにいったりと、刺激に満ちた日々を送っています。今、僕が大事にしているのが、“社交辞令で終わらせない”ということ。いろんな人と会話をするのがすごく楽しいんです。
5万5千人の前でスベってもヘコむどころか喜んでいる!?
――その心がけは、どんなお仕事にも通じますよね。
丸山:そう思います。あとは最近、肝も据わって来たんですよ。その証拠に、東京ドームでコンサートをやっている時に、5万5千人の前でスベっても平然としていられるようになったんです。
――それはまたすごいですね(笑)
丸山:そこに来ている人達は、全員が味方の“エイター”なはずなのに、僕の一言でものすごく静けさが訪れるんですよ!? そうさせてしまう自分が怖い反面、喜びを覚えているとこともあるんです。それが、今の僕の強みです(笑)。この強みを生かして、お芝居、音楽、アイドルすべてに全力で取り組んでいきたいですね。
丸山隆平
1983年生まれ、京都府出身。2011年に『ワイルド7』で映画初出演。主な出演作にドラマ「ボーイズ・オン・ザ・ラン」(12年)、「O-PARTS~オーパーツ~」(12年)、「地獄先生ぬ~べ~」(14年)、舞台「BOB(ボブ)」(12年)、主演舞台「マクベス」(16年)など。関ジャニ∞ オフィシャルサイト
映画『泥棒役者』(公開中)
【STORY】
元・泥棒の大貫はじめは今では改心して町工場で真面目に働いている。ところが、かつて一緒に盗みをはたらいた先輩の畠山に脅され、仕方なく一軒の豪邸に泥棒に入ることに。そこで大貫は訪問者たちに次々と“別人”に間違えられる。自分の正体を隠すため、何役もを必死に演じるハメになった大貫は、はたして無事に屋敷を抜け出し、愛する恋人の元に帰れるのか……!?
【監督・脚本】西田征史
【出演】丸山隆平 市村正親 石橋杏奈 宮川大輔 片桐仁/高畑充希/峯村リエ ユースケ・サンタマリア
【音楽】遠藤浩二
【主題歌】関ジャニ∞「応答セヨ」(インフィニティ・レコーズ)
【配給】ショウゲート
オフィシャルサイト
(C)2017「泥棒役者」製作委員会
初出:しごとなでしこ