仕事効率化のために、CAが愛用している100均グッズとは?
先日編集部を歩いていると、履いていたパンツのメインボタンがポンっ…。ひゃっ! 今から打ち合わせなのに! と思いながらおもむろにポーチの中から裁縫道具を取り出し、せっせとボタンを縫いつけていると、近くにいた方からひと言。
「本当に裁縫道具持ち歩いているんですね」
ええ、本当に持ち歩いています。1年に何度かあるこのようなオケージョンのために(笑)。
この裁縫道具のネタも含め、以前ポーチの記事でCA(キャビンアテンダント)のモットーをご紹介しました。それは、限られた時間、空間、人員で、いかに効率よく動くかということ。そのために、日々役立つアイテムはないものかと目を光らせています。良いものを見つけては、クルー間で「これが良い、あれが良い」などと情報をシェアしています。今回は、そんなCAのみんなが愛用している優秀100均グッズをご紹介します。
【CAの愛用100均グッズ_1】
細かいものを便利に収納できる「キャラクター袋」
くまのプーさん、ハローキティやキキララのキャラクタープチ袋は万国共通超大人気。この可愛い袋に何を入れるかというと…
お金です!
常に国から国を渡り歩いているので、いつのまにか色々な外貨が手元に残ってしまい、ちょっとした銀行員のようになってしまいます(笑)。そしてどこかのフライトでクルーの欠員が出た時に「はい、今からこの国へ3日間行ってください」なんて急な事態もよくあるので、そんな時いかに手際よく出発の準備ができるかが勝負になってきます。そのために大切なお金もこのように小分け袋にまとめておくと便利なのです。お金の他に、その国のオススメレストランの名刺や、スーパーのポイントカード、メトロの回数券、国によっては携帯電話のSIMカードなど、お金よりも小さいものも国ごとに分けまとめておきます。
そして、他によく入れるのが、口紅、マスカラ、目薬などの機内持ち込み制限アイテム。100ml(g)※以下の個々の容器に入った液体物は機内に持ち込めますが、空港のX線検査で再封可能な透明プラスチック製袋(容量1リットル未満)にまとめて提出する必要があります。ほぼ毎日飛行機に乗ってるので、使用度が高いメイク道具は一式全部このミニ袋に入っていたりする方が便利なんですよね。あ、もちろん可愛いポーチも持っていますよ(笑)。
【CAの愛用100均グッズ_2】
仕事の効率化は「カラーペン」でばっちり
機内でカラーペンを使うのと使わないのでは、仕事の速さと確実性にかなりの差が出ます。特にビジネスクラスのお話になりますが、お食事やドリンクの選択肢が増えるビジネスクラスではお客様からのご要望も多種多様。
例えば…
「お食事の前のミックスナッツとシャンパンを1杯。そしてお食事は中華料理、それと一緒にフランスのシャブリを。あ、でもドイツのリースリングもグラスに半分試してみたいかも。デザートにはポートワインとドライフルーツ。食後にはコーヒーをブラックでちょうだい。ミルクはサイドに付けてね」
なーんて言われます。何十人ものオーダーを取り終えるとすごい達成感(笑)。でもここからが大切なんです。カラーペンを使い、シートチャートという予め準備した空欄の座席表に「誰が何をいつ飲み、何をいつ食べる」という情報を分かり易く色分けをするのです。日本食は「日」(赤字)とか、洋食(Western)は「W」(青字)、中華は「中」(緑字)なんて略語で大きく書くと誰が何を食べるか一目瞭然。食前酒(オレンジ字)や食後のコーヒーやお茶(茶色字)なども色分けします。本当にカラーペン様様なのです。100均のカラーペンはケースに入っていて、持ち運びにも便利。本当に優秀な逸品です。
【CAの愛用100均グッズ_3】
アイメイクがくずれない「立体アイマスク」
よく聞かれる質問があります。
「長距離フライトのとき、CAさんって寝ないの?」
もちろん休憩時間を頂いております! 機体にもよりますが、長距離を飛ぶ飛行機には大抵クルーバンクというCAが休憩する小部屋があり、その小部屋の中はさらにベッドで分けられています。カプセルホテルをイメージしていただくと近いかもしれません。この小部屋の中、比較的暗いのですが、緊急ライトやその他小さなライトがついているため、真っ暗にはなりません。そこでアイメイクをくずさず、目を覆い真っ暗な状態で寝るにはこの立体クッションアイマスクが活躍します。数時間の休憩が終わると、すぐ客室に戻るため、メイクをしっかりなおす時間はありません。特に機内は超乾燥した環境。マスカラは限りなくカピカピで一度、形がくずれてしまうとなおすことはほぼ不可能。お客様に「寝起きだ、このCA!」とバレないためにも、アイメイクを守ることはとっても大切なのです。
その他にも100均グッズは機内のあらゆるシーンで大活躍。例えばガーデニングなどで使う薄手の布の手袋は機内で備品を運ぶ時に役立ちます。新聞を並べたり、色んな備品を移動したりするときに、指先を守ってくれます。
あと、靴の持ち運びにはビニールのシャンプーキャップが役立ちます。靴の底を覆うようにかぶせるとすっぽりきれいに収まり、これで布の靴袋に入れるのも抵抗ないですね。旅行の際に是非試してみてください。
※機内に持ち込める液体物の容量を200mlと一度記載してしまいましたが、100mlの誤りでした。訂正してお詫び申し上げます。
初出:しごとなでしこ
なでしこリポーターズ 有田千幸
ニュージーランド出身。オークランド大学卒業後、台湾の航空会社でCAとして9年間乗務。現在は建築設計事務所のプレス。1983年生まれ。MISS WORLD JAPAN 2005 ファイナリスト。インスタグラム @chiyuki_arita