住んでいるからこそわかる、浅草や浅草周辺のことをおすそわけ!
はじめまして。浅草に住んで9年目、日頃は編集業やライターのニイミユカです。
私は兵庫県の山奥で18才まで育ち、大学で大阪へ。卒業と同時に上京し、三軒茶屋のアパートで暮らしはじめました。
浅草に引っ越したきっかけは結婚です。
夫は生まれも育ちも浅草。たいそう優しく、大抵のことは私の意見を通す彼ですが、住む場所だけは「絶対に浅草」と亭主関白を発揮。最初は「観光地に住むなんて」「友達が近くにいない」と嘆きましたが、いまでは浅草駅から半径5km以内で衣食住&遊のほとんどが事足りるように。
住んだことで、いいな、知ってほしいなと思う物事もできました。だからここでは、観光ガイドとはちょっと違う目線で、浅草や浅草周辺のことをおすそわけできたらと思っています。
浅草でスナップ写真を撮るならココ!
私がはじめて浅草に来たのは、中学校の修学旅行。水上バスに乗り、仲見世通りを歩いたように記憶しています。しかし、撮ったはずの写真が1枚も残っていない。証拠がないから浅草へ来たのは夢なのかもと思うけれど、あの日かいだ隅田川のにおいは今も変わらず。大きな川へ太陽がきらきら反射する様子に、「都会へ来た!」とドキドキしたのを覚えています。
次は大学生のとき。仲見世通りのすぐ横を走る路地で、一枚だけ友人の写真を撮りました。なぜそこだったのか。なぜ一度しかシャッターを切らなかったのか。うまく思い出せないけれど、曖昧に笑う友人の表情に、あまり楽しくなかったのかもしれません。
写真って、誰とどこで何をしたのかという記憶だけじゃなく、背景に写るもので町の様子や季節、天気など、いろんなことを残せるツールだと思います。家族や友人とのスナップも、見直すたび当時を思い出して、あったかい気持ちになれる。気軽に残せる宝物です。
だからこそ、浅草へ来る人たちにはじゃんじゃん撮ってほしい。自撮り棒やスマホもいいけれど、できれば誰かにカメラを渡して「はい、撮りまーす」ってやつで! SNS映えする食べものとか顔がアップの写真じゃなくて、雷門前ならじぶんの足先から提灯のてっぺんまでしっかり入れて!!
今回は、浅草でスナップに向いているスポットをご紹介したいと思います。
浅草スナップスポット_1
雷門前 歩道の手すり
まずは、浅草といえば雷門。提灯の手前に立って撮影するのは定番です。
でも、あれなかなか大変。記念撮影したい人や提灯の下をくぐりたい人で混み合うし、シャッターを切る直線に前を横切られたり、人力車の兄ちゃんは声かけてきたりするしで……ぐちゃぐちゃ!
そこで、歩道の手すりをいかしたスナップはいかがでしょう。
(MAP-①記事の最後にマップがあります)
これは先日、ランニング仲間と記念撮影したもの。17時くらいに撮ったのですが、ちょうどライトアップがはじまったところ。
雷門前は、スクランブル交差点になっています。歩行者用信号が青になった瞬間、カメラを持った人が横断歩道へ。シャッターチャンスは十数秒。そこそこ交通量がある通りなので、安全第一でお願いします!
浅草スナップスポット_2
東参道と隅田公園がぶつかった場所
雷門の次に定番なのが、東京スカイツリー。2kmぐらい離れているので、場所によってドーンと抜けた姿と一緒に撮影できます。
おすすめは2か所。ひとつめが、東参道と隅田公園がぶつかったところ。(MAP-②) タリーズコーヒーが目印です。
タリーズコーヒー前にある階段を利用すると、こんな感じで東京スカイツリーと抜ける空が気持ちいい1枚が撮れます。
ちなみに、タリーズコーヒーの真横で撮る姿をよく見かけますが(上の写真奥に人が写っているあたり)、ここだと手すりがあるので引きづらく、どうしても上半身だけの写真に。スマホでの自撮りには向いているかもしれません。
浅草スナップスポット_3
江戸通りと言問通りがクロスする場所
個人的にいちばんおすすめしたいのは、江戸通りと言問通りがクロスする場所。(MAP-③)
そこそこ交通量のある通りに面していますが、歩道が広く、抜けもいい。東京スカイツリーと新月の写真を狙うカメラマンが集まっていた姿を見て、記念撮影にも向いているんじゃないかなあと、以前から思っていました。「言問橋西」の信号が赤の瞬間を狙うと、車の光にもっと邪魔されずに撮れるはず。
今回ご紹介した3か所は、いずれも銀座線・都営浅草線の浅草駅から徒歩5分以内。浅草寺や浅草神社からもすぐなので、お参りついでに1枚スナップしてみてください。
【浅草MAP】
初出:しごとなでしこ
ニイミユカ
兵庫県出身、浅草在住。編集者・ライター。アウトドアやスポーツなど、アクティブなジャンルをメインに活動中。この連載コラムではイラストも手掛ける。instagram:yuka_nim