みなさん、こんにちは。
東京はここのところ雨や台風が続いていましたが、最近は秋らしい好天の日も多く、気持ちのいい季節になりました。
この時季になると、いつも決まってトラッドなアイテムが恋しくなります。からりとドライな秋の空気と、折り目正しく端正なおしゃれって、とっても相性がいいと思うのです。このあと駆け足で冬がやってきて、年末に向けて大忙しになるまでのつかの間、気持ちもおしゃれも一回リセット。ベーシックで落ち着きのあるものに浸りたいなぁ、という感じです。
大人の女性のトラッドは、「小物」で取り入れるのがおすすめです。
最近、毎日のようにセットで使っているのがこれ。かっちりとした長方形フォルムのバッグは生真面目な印象なので、バレエシューズで愛嬌をプラスするといいあんばいに。シンプルなデニムスタイルのときも、このセットで仕上げると、なんとなく「きちんと」&「ちゃんと」して見えるから重宝です。
こちらは黒セット。バッグと靴、それぞれ別のブランドですが、フリンジが共通項です。バッグはふつうの表革、靴は光沢のあるエナメルと、同じ黒でも素材感が違うので着こなしに奥行きが出ます。このセットはトレンチコートに合わせるのが好き。
なぜ「服より小物」かと言うと、トラッド小物は時代に関係なく、長く使えるから。上の写真の黒シューズなんて、もう5年くらい履いてます。ほかのアイテムも、これからもまだまだ、毎年長く使うつもり。そういえば、10年くらい履いているローファーもあります! そう、トラッド小物は、なぜか飽きがこないんですよね。
服の場合も、トラッドテイストのものは長く使えそうですが、5年間同じものを飽きずに着ることって、まずないかも…。そしてこれは最近気がついたのですが、大人の女性がトラッド服をおしゃれに着こなすのって、実は難しい。ともするとほっこり見えてしまうから。あ、この場合の「ほっこり」って、ちょっと野暮ったいというか、子供っぽいというか、そんな方向を意味します。最近ファッション誌でも「ほっこり見せないために××××」といったフレーズ、よく見かけますよね。
その点、小物だとさりげなくトラッドを楽しめるんですよね。大人があえて、取り入れている…という雰囲気が好き。で、上の写真のように、靴&バッグのテイストと色をそろえるのが私のこだわりです。どっちか1点だと、「なんとなく」つけているようで、心もとなくて。セット使いのほうが着こなしがまとまるし、トラッド効果の効きがいい気がします。
さて、全20回お付き合いいただいたこの「みひログ」、実は今回が最終回となります。とりとめのない話題ばかり一方的に語ってしまい、すみません…! ご愛読いただき、ありがとうございました。また別の機会に、お会いできますように…。
初出:しごとなでしこ
三尋木奈保 Naho Mihirogi
上品でベーシックなスタイルで30歳前後の働く女性に支持されているファッション誌『Oggi』でファッションエディターとして活躍する三尋木さんは、Oggi誌面にもたびたび登場。ベーシックで誰もが持っているであろうプレーンなアイテムをファッションエディターとしてのセンスと経験で「好感度の高い」おしゃれな着こなしに見せる三尋木の私服のおしゃれセンスは読者から厚い信頼を寄せられています。著書『My Basic Note「ふつうの服でおしゃれな感じ」のつくり方』(小学館)は、10万部を超える人