たとえばトレンドをこれみよがしに着ている人。ベーシックが無難にまとまりすぎている人…どっちも素敵じゃありません。今どきのシンプル美人は、流行をさりげなく見せるための絶妙な「足し引きバランス」を心得なくては! その極意をエディター三尋木奈保が探ります。
「01:堅すぎない」
テーラード×タイトのきちんとスタイルなのに女っぽさも漂うのはなぜ?
シンプルなジャケットに黒のひざ下タイトという知的通勤の王道スタイル。きちんと感はキープしながら今どきの洒落感もある…そのテクニックを知りたい! ジャケット¥43,000(オンワード樫山〈BEIGE,〉) ノースリーブニット¥14,000(エム・アイ・ディー〈M-プルミエ〉) スカート¥5,000(アダストリア〈レプシィム〉) バッグ¥51,000(CPR TOKYO〈フリン〉) 靴¥21,000(モード・エ・ジャコモ〈メダ〉) 時計¥460,000(DKSHジャパン〈ベダ&カンパニー〉) ピアス¥38,000(アガット)
従来の「きちんとアイテム」をベースにしつつ、随所に〝とろみ〟と〝エッジ〟をちりばめて
「堅すぎない」ってこういうこと!
仕事でジャケットマストの日は、きちんと感を意識すると地味で堅く見えちゃうのが悩みですよね。「堅い」って単純に素材の印象が大きいので、とろみアイテムを上手に取り入れて洗練された女っぽさをプラスして。これだけでかなりおしゃれ度がアップします。辛口でエッジの効いた小物選びも大事。
Check1
テーラードはとろみ素材の長め丈で、「きちんと」と「あか抜け」を両立!
今までと同じ定番のテーラード型&会社で浮かない地味色でも、とろみ素材で着丈長めに更新すれば、ジャケットの堅さはぐっと和らぎます。男性と同じかっちりウールでなければ…という思い込みは一度捨ててみて。手首の細さを強調する折り返しのそでも女性らしい。
Check2
インは黒でシックにまとめつつ、素材でほんのり抜け感を
ジャケットのインはデザイン性のない丸首ニットとタイトスカート。無難にも思える着こなしなのにどこかあか抜けた印象なのは、スカートがウールじゃなくて地厚ジャージーだから。シンプルな黒だけど、素材選びがさりげなく今っぽい…ジャケットスタイルではこういう微差が全体の印象操作に効く!
Check3
時計は知的なステンレスを。定番の一歩先をいくデザインでひねりを入れて
入社5年を過ぎたらいい時計を。仕事向きのステンレスのブレスレットタイプも、フェースのデザインにほんのり個性があると大人のセンスを感じさせます。バングルなどは重ねずに手元はこれ1本でいくのが、ジャケットの知的さを損なわない適正バランス。
Check4
極細チェーンのピアス は、決して華美じゃないのに「感度のよさ」を語る神アイテム
仕事でジャケットを着る日、派手なジュエリーはNGだけど顔周りに何もないのも女性としては味気ないもの。こんなときのおすすめは、極細チェーンのロングピアス。繊細ゆえにオフィスで悪目立ちせず、また今どきのミニマムモード感も放つという稀有な一挙両得ぶり。
▲髪になじんで見え隠れする極細感がおしゃれ
Check5
かっちりフォルムに、ひとさじの辛口ディテール。靴&バッグでエッジを仕込む!
きちんと見えつつディテールに凝った小物が、「堅すぎない」に貢献。かっちりフォルムのバッグはゴールドリングのハンドルで華やぎを。パンプスはパイソン柄でシックに。いきなりインパクト大のものをぶつけるのではなく、「シンプル+ひとくせ」のあんばいが大事。
解説:エディター/三尋木奈保
シンプルベーシックを得意とする人気エディター。奇をてらわない、それでいて細部までこだわりのある着こなし提案に多くのファンが。コラボアイテムも発売するたび大好評。
●この特集で使用した商品の価格はすべて、本体(税抜)価格です。
2017年Oggi10月号「思わず二度見! 素敵なシンプルって“◯◯すぎない”ことなんです」より。
撮影/倉本ゴリ(Pygmy Company/人物)、坂根綾子(静物) スタイリスト/渡辺智佳 ヘア&メーク/笹本恭平(ilumini.) モデル/小林サラ 構成/三尋木奈保
再構成/Oggi.jp編集部