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FASHION

2026.07.25

いつからか、キャミソールがインナーではなくなって【今日からは、自分のために服を着たいvol.128】

いつだって憧れる、ハイブランドのアイテム。でもときどき、その価値がわからなくなる瞬間があって……。

TEXT: editor_kao

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エディター

大人の実用ファッションを中心に、人物インタビューや日本の伝統文化など、ジャンルレスで雑誌やブランドサイト、ウエブマガジンで活動中。また、インスタグラム@editor_kaoでは、私服コーディネートを紹介するかたわら、さまざまなブランドや百貨店とのコラボレーションも手がけている。

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こんにちは、editor_kaoです。

キャミソールとカットソーのレイヤード、今ではかなり見慣れたスタイルですが、ふと目にすると、いつも思い出すことがあります。

え、キャミソールってインナーじゃなかった⁉︎

このトレンドって、最近生まれたものではなく、私が記憶する限りでは、もう10年くらい前には存在していたような。当時はキャミソールってインナーでしかなかったので、かなり衝撃を受けました。

そのときのことを、よく覚えています。当時、私はファッション誌のディレクターだったので、自分で誌面をつくるだけでなく、後輩のパートを監督する立場でもありました。あるとき、働く女性をターゲットにしたブランドのタイアップページで、スタイリストさんが、カットソーの上にレースキャミソールを重ねるスタイルを提案してきたのです。

トレンド最先端な、かわいい組み合わせ。でもあのときの私は、そのコーディネートを却下しました。なぜなら大人の女性の着こなしとして、ものすごく難しい印象だったのです。「レースキャミソールを取り入れるのはいい。でもそれならカーディガンのインナーにするとか、もっと大人っぽくまとめてほしい。カットソーの上からキャミソールを重ねるのは、あまりにトリッキー」という理由で。

編集長の判断に、目からウロコがボロボロと

今となっては「あのときの私の頑なさはなんだったんだろう?」という気持ちですが、ディレクターという立場が、雑誌のテイストや方向性を守ることを優先していたのだと思います。この雑誌では、こういう女性像を描きたいから、モード過ぎたり、いき過ぎたりした着こなしはNGだと。

ですが、それからさほど日が経っていない時期に、再び別のスタイリストさんから、同じスタイルを提案されました。もちろん私は不採用と思ったのですが、なんと同席していた編集長は、OKを出したのです。「え、本当ですか?」驚いて確認した私に、編集長からいわれた言葉が、今でも忘れられません。

「自分が好きな着こなしを提案するんじゃない。読者がしてみたい着こなしを提案して」

──私にとってこれは、衝撃のひと言で!目からウロコがボロボロ落ちたというか、ものすごく納得できたのです。確かに!ファッション誌は、私が正しいと思ったものを提案するメディアではない、読者の願望に応えるメディアなんだと。読者像という名目のもとに、自分のエゴを出していたつもりはなかったけれど、自分が好きかどうかで着こなしを判断するものではないと、遅ればせながら悟ったのです(ちなみに、今はキャミソールのレイヤードスタイルが気になって仕方なく、シーズンの初めに一枚購入したくらいですから、ときの流れは恐ろしい……)。

自分の好きと、読者の好きが重なるトコロ

とはいえ、自分が好きかどうかはどうでもいいとなると、仕事へのモチベーションは自然と下がります。せっかく楽しい仕事をさせてもらっているのですから、なるべく「自分も好き」「読者もきっと好き」が重なる着こなしを、提案することを目指しています。自分が納得できる着こなしだったら、かわいい写真でよさを伝えたいなと思いますし、文章にも熱がこもります。

個人でインスタを始めたのも、その理由が大きかったかもしれません。雑誌やウェブマガジンといったオフィシャルなメディアでは、どうしても編集部という立場からの提案になります。でもそれと並行して、私が、私の責任で素敵だと思ったものを発信することが、必要だったのだと思います。

今の時代は、個人が発信できるツールがたくさんあります。それは私にとってはラッキーでしたし、観る側も、より自分にフィットする情報が取捨選択できるようになりました。不確かなものも混ざっているところは注意が必要ですが、オフィシャルなメディアと個人のメディア、両方を上手に取り入れながら、みんなが自分らしいおしゃれを確立できたら、理想的なんじゃないかなぁって思います。

【今日のひと手間】

大人っぽいグラスコードがほしいと、ずっと探していたのですが、あるセレクトショップで素敵なものを発見!でもあまりに高かったので、通販で似たようなものを探しました。シンプルなチェーンで、首からかけたときに、ネックレスのように見えるのです。眼鏡のフレームに合わせて、ピンクゴールドをセレクト。今の時期なら、サングラスに合わせてもかわいいと思う!

イラスト/柿崎こうこ

editor_kao
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エディター

大人の実用ファッションを中心に、人物インタビューや日本の伝統文化など、ジャンルレスで雑誌やブランドサイト、ウエブマガジンで活動中。また、インスタグラム@editor_kaoでは、私服コーディネートを紹介するかたわら、さまざまなブランドや百貨店とのコラボレーションも手がけている。

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