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モノトーンとは?
コーディネートの基本とも言えるモノトーンスタイル。この、年代を超えて愛され続ける王道配色について、スタイリスト・城長さくらさんに定義や歴史、着こなしポイントなどをうかがいました。
言葉の定義について
「モノトーンには、『単調』『単色』という意味があり、白や黒、グレーなどの無彩色を使った色構成のことを指します」(スタイリスト 城長さくらさん 以下「」同)。
モノトーンというと、白×黒のイメージが強いと思いますが、グレーなどの無彩色も含まれるんですね。「白黒の単色」を意味する言葉は、本来「モノクローム」(monochrome)と呼ばれるそうです。
モノトーンコーデの歴史について
「今ではモノトーンコーデやモードスタイルなど、黒を前面に押し出したコーディネートは一般的で、オシャレなイメージがありますが、発祥は’80年代前半に流行した“カラス族”と言われています」
カラス族とは、全身黒で統一したファッションを楽しむ人たちのことで、1980代に大流行したスタイル。そのころ、欧米では黒の衣装はタブーとされており、全身黒というコーディネートはあり得ませんでした。そこへ、日本を代表するファッションブランド「ヨウジヤマモト」と「コムデギャルソン」が、パリコレで黒を全面に打ち出すファッションを提案。
これが世界的に流行することになったんです。もちろん日本でも黒ずくめのファッションが最先端とされ、大ブームを引き起こしました。今でもモノトーンやALLブラックコーデをモード系と呼ぶのには、このような歴史的背景があるからなんですね。
【2023年最新】モノトーンを中心に着こなすコーデのポイント
POINT1|黒ジャケットには女らしさをプラス
「シックでハンサムな印象の黒のジャケット。それだけでハンサムでシックな印象になるアイテムにはどこか女らしさを感じるアイテムをプラスするのがポイントです。ポインテッドトウのパンプスだったり、シアートップス、サテンスカートなど、ツヤのあるアイテムを加えてみてください」
POINT2|カジュアルアイテムこそモノトーンに頼る
「たとえばGジャン×スウェット、ロゴT×スニーカーといったカジュアルスタイルも、モノトーンでまとめるとなんだか大人っぽい! カジュアルなアイテムも、色の印象がモードなのでラフになりすぎず、辛口に着こなせます」
POINT3|甘めアイテムもモノトーンなら取り入れやすい
「レースブラウス、コットンフレアスカート、ビッグカラーブラウスといった、大人には難易度高めな甘めアイテムも、モノトーンでそろえればシックな装いに!
【モノトーン】でつくる、夏のきれいめコーデ4選。重く見せないコツは、足元の「抜け感」!
黒をメインにしたモノトーンコーデを厳選
スタイリッシュな着こなしを目ざすなら黒の分量を多めに設定。甘さを抑えたキレの良い着こなしが完成します。
Style1:ジレ×パンツに白ブラウスを1点投入
ボリュームスリーブの甘さをジレでピリッと引き締めた、黒メインの通勤スタイル。きちんと感と洒落感を同時に高められるのが、モノトーンの大きな魅力。
Style2:黒のセットアップにツイードジャケットをサラリとはおって
ブラウス×パンツのモードなセットアップに、オーバーサイズのツイードジャケットを着流して。気張らずシンプルなのにクラス感がある、そんな大人の余裕を漂わせたい。
こなれ感抜群のサマーツイードジャケットで余裕を漂わせて
Style3:定番モノトーンを黒キャミレイヤードで鮮度高く!
白Tと黒パンツのベーシックな組み合わせも、フェミニンな黒キャミソールを重ねるだけで最旬に。甘すぎず、カジュアルすぎない絶妙なバランスが、大人女子にちょうどいい!
白をメインにしたモノトーンコーデを厳選
モノトーンを女らしく着こなすなら、白をメインにするのも手。色の配分次第で、優しくやわらかい印象が生まれます。
Style1:ロングジレでつくる優しげモノトーン
辛めに着ることが多いモノトーンも、まろやかなアイボリーのロングジレをはおれば柔和な表情を楽しめる。白の分量を多くすることで、パッと明るい印象に。
Style2:ジレ×ナロースカートを黒ニットで引き締めて
存在感のあるトレンチ風ジレに合わせたいのは、ベーシックな黒ニット。甘見えしがちな上下白コーデも、インナーの黒ニットと足元のハイテクスニーカーが程よいモード感を与え、大人っぽく着こなせます。
黒のハイテクスニーカーでナロースカートをシャープに着こなしたい
Style3:白を重ねた甘めコーデを黒小物で微調整
白ブラウス、白ニット、白フレアスカートと、甘い方向へ振り切ったコーデもときには有効。ロングブーツとバッグで黒を少量さすだけでも、ブレない女らしさを表現できます。
冬にあえての「白」が大人かわいい!白フレアスカートコーデ3選
【季節ごとの着こなし】モノトーンのおすすめコーデを厳選
春|エッジの効いた白ブラウスは、黒パンツ合わせでモードに
インパクトのあるボリュームスリーブを、ストイックな黒パンツがモードに昇華。ブラウスの裾をタックインすることで、きちんと感もアップ!
ワンツーコーデでのこの華やかさ! フェミニン気分の日、黒パンツには×○○!
夏|旬のドット柄パンツをモノトーンでサラリと受け止めて
ドット柄パンツという冒険アイテムも、モノトーンベースなら自然に着こなせる。夏らしい白Tにさりげなく肩がけした黒ニットが、コーディネートに奥行きを感じさせて。
秋|カジュアルなロゴTをキャスケットとサンダルで女っぽく
ロンT×スキニーパンツのシンプルな組み合わせを、キャスケットとフラットサンダルで今っぽく味つけ。ざっくりニットを肩がけすることで、秋らしく着こなせます。
冬|スポーティな白ブルゾンを黒タイトですっきりと!
ボアライナーを重ねたような、スポーティな白ブルゾン。異素材合わせの白、というモード感を活かすため、インナーは黒で統一してシャープに着こなしたい。
モノトーンだからこそ挑戦できる着こなしも!
「大人女子にはカジュアルすぎる? 甘すぎ?」とためらいがちなアイテムも、モノトーンでまとめれば、大人っぽく辛めに着こなせるのが大きな魅力。モノトーンのもつかっこよさやキレ味のよさを上手く活用して、着こなしの幅を広げていきたいですね。
TOP画像/(c)Adobe Stock
監修者:スタイリスト 城長さくら
スタイリスト 望月律子氏に師事し、独立。シンプルなアイテムを色やシルエットの組み合わせでおしゃれに味つけするスタイリングで人気上昇中! 現在は『Oggi』などの女性誌や広告、カタログなどで活躍の場を広げている。
Instagram(@shiroosa)では日々のスタイリングを公開中。おしゃれのヒントが詰まった投稿はどれも見逃せない。