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休日は都心から程近い神戸の里山へ
なかなか思うように遠出ができない時期が続く中、もっと近場で自然を感じられるところに行きたいと感じるようになった方も多いはず。休日や週末などに日頃の疲れを気軽に癒せる場所があれば、嬉しいですよね。
神戸といえば、海の街、異人館や南京町などが定番で、都会的なイメージを持っている方が多いかもしれません。しかし、神戸北区・六甲山エリアには、今も昔ながらの里山風景が残っており、市街地から30分ほどとアクセスもいいことから、近年では観光や移住先として注目が集まっているエリアなんですよ。今回は、そんな山と田園風景に恵まれたもう一つの神戸の魅力を紹介します。
人にも環境にも優しい! 弓削牧場で自家製牛乳やチーズを堪能
まず最初におすすめしたいのが、循環型酪農を実践する「弓削(ゆげ)牧場」。神戸の市街地から車で30分とアクセスの良い六甲山北区エリアにあります。住宅街を抜けて小高い山の上へと上がっていくと、ログハウスのレストランや菓子工房、牧場が。びっくりしたのは、敷地内の森の中に牛さんたちが放牧されていること! 牛は自然の中でのびのびと暮らし、好きなタイミングで自動搾乳機に向かい、乳搾りが行われるのだとか。
そんなストレスフリーな牛たちの牛乳や自家製チーズが味わえるのが、レストラン「チーズハウスヤルゴイ」。搾ったばかりの牛乳は、サラッとしていて爽やかなお味♪ 看板メニューの「フロマージュ・プチタロウ」「白カビカマンベール」はチーズ特有の臭みがなく、もっと食べたくなる味。ホエイを使ったシチューも絶品でした。
目の前に広がるガーデンを眺めながらフレッシュなチーズや無農薬・無化学肥料栽培の野菜やハーブを味わえば、身も心も健やかになっていくの感じるでしょう。
▲色んなチーズを食べ比べしたい人にぴったり! よくばりチーズプレート。
▲ショップでは、チーズを製造する際にできる上澄み液“ホエイ”を使ったコスメアイテムも販売。ホエイには保湿効果があり、敏感肌の人に人気があるのだとか。
築260年以上の茅葺き古民家「はなとね」さんでベーグルを
自然豊かな北区淡河町(おうごまち)にあるのが、ベーグルと米粉の蒸しぱんのお店「はなとね」。畑に囲まれた小道を歩いていくと現れる、茅葺き屋根の日本家屋は、絵本の中に出てきそうな懐かしい光景。この穏やかな自然に魅了されて、村上さんご夫婦が市外から移住してきたそう。お店には、定番のプレーンからくるみといちじく、バジル&チーズなどの珍しい味など約14〜18種類のベーグルが並びます。
▲左からバジル&チーズ、チョコ&チョコ、プレーン。
買ったパンは、お店の縁側や庭のテラスで食べたり、ご主人が挽いたコーヒーも味わえます。パン屋さんといえば、朝早くから作業が始まるイメージがありますが、ベーグルの場合はお店の営業が終わった夕方から仕込みが始まるのだそう。
米粉は淡河産のものを使用するなど、素材にもこだわった「はなとね」さんのベーグルは全国で人気。「のんびりした田舎暮らしを想像していましたが、意外と忙しく働いています」と笑いながら話すご主人の姿が印象的でした。(定休日:日・月・火・水。来店時は事前にHPで確認を)
日本最古の温泉 有馬温泉で日頃の疲れをリフレッシュ!
六甲山の自然の恵みを体感した後は、山の向こうの有馬温泉で疲れを癒してみては? 日本三名泉の一つである「有馬温泉」は、古くは豊臣秀吉、谷崎潤一郎などの名だたる歴史人たちが疲れを癒しにきました。アクセスも良く、大阪からは車で1時間ほど。温泉街には、お土産屋さんや旅館が軒を連ね、レトロで懐かしい雰囲気が感じられます。
有馬温泉に来たら外せないのが、名物の「金の湯と銀の湯」。褐色の金の湯と、無色透明で炭酸泉の銀の湯の異なる泉質のお湯が楽しめます。特に銀の湯は、入るとお肌がツルツルになると女性に人気なのだとか♪
有馬温泉街には、至る所に温泉にまつわる神社仏閣が見られます。その中でも有名なのが、「金泉」が湧く「有馬天神社」。鳥居をくぐると、「金泉」の泉源地から硫黄の香りのする湯気がもくもくと湧き上がっています。道を歩いていると側溝からも硫黄泉が流れていて、至る所で温泉の豊かさを感じられました。有馬では、このお湯の炭酸を利用した炭酸サイダーや炭酸煎餅も名物。食べ歩きをしながら温泉の恵みにあやかりたいですね。
日本一のジェラート「アリマジェラテリア スタジオーネ」
ゆっくり温泉で温まった後に、冷たいジェラートはいかがでしょう? 有馬温泉街にある「アリマジェラテリア スタジオーネ」は、『ジェラートワールドツアージャパン2019 横浜』で優勝したジェラート店。古民家を改装したお店に入ると、ショーケースにはフルーツが散りばめられた色とりどりのジェラートが。見ているだけで気分が上がります♪
▲右から一番人気の六甲プレミアムミルク、季節のジェラートブラッドオレンジ、塩マスカルポーネきんかん香る甘酒仕立て。
「ジェラートの本場イタリアにはない、日本らしいフレーバーを作ってみたかった」と片山さん。ジェラートには、六甲山麓の酪農家さんから取り寄せた牛乳や季節の果物を使い、こだわりがたっぷりと詰まっています。私は、大会で優勝した「塩マスカルポーネきんかん香る甘酒仕立て」が特に美味しくて感動! キンカンのソースとほんのり甘酒が香るジェラートの組み合わせが絶妙でした。
自然体感展望台 六甲枝垂れで光のアートを体感
旅の締めくくりには、六甲山山頂から神戸の夜景! 六甲ガーデンテラスの「自然体感展望台 六甲枝垂れ」は、ヒノキを使った大きなドーム型の展望台。明石海峡から大阪平野のダイナミックな景色が一望できます。
夜になるとドーム全体がライトアップされ、ロマンチックな雰囲気に。四季折々の景色を光のアートで表現されており、今年のテーマは清少納言の「枕草子」。取材時は秋だったので、オレンジ色の「秋は夕暮れ」にライトアップされていました。友達や大切な人と訪れたら、きっと旅の素敵な思い出になるはず♪
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今回は、神戸の北区・六甲山エリアの自然を体感できるスポットを紹介しました。取材中は市街地を車で走っていたかと思えば、いつの間にか里山風景が現れるのを目の当たりにし、都心と自然との距離の近さを実感しました。近年では、ワーケーションできる宿やシェアオフィスなども生まれ、観光だけでなく、新しい働き方や生き方のヒントがもらえそうです。
新神戸駅までは、首都圏から新幹線で約2時間半、大阪からは車で40分ほど。六甲山や里山エリアまではそこから30分ほどでいくことができます。なかなか思うように遠出ができない今だからこそ、自然豊かなもう一つの神戸へと出かけてみてはいかがでしょうか?
京都メディアライン・ライター 鈴木ななえ
修学旅行で京都に一目惚れし、京都へ移住。寺社仏閣・アート・喫茶店などが好き。京都メディアライン・ライター。
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