髪のトラブルは頭皮のトラブル!? 菌に注目して髪のお悩みを解決!
菌ケア専門家であり、総合的な菌ケアサービスを展開する、株式会社KINSの代表取締役・下川穣さんの著書「腸活にも、美肌にも、ダイエットにも! 菌ケアで美しくなる」から菌ケアについて教えていただきました。
前回は、肌トラブルに関する菌ケアをお届けしました。今回は、髪のトラブルの菌ケアについて。
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髪悩みの原因は菌?「細菌」「真菌」「皮脂」に注意を
白髪、薄毛、抜け毛の悩みは、頭皮にフォーカスしないと解決しません。髪の悩み=頭皮の悩みなのです。
研究で明らかになっているのですが、頭皮の健康状態に深くかかわるものは「細菌」「真菌」「皮脂」の3つ。
頭皮にも肌同様に無数の細菌が生息しています。私たちにとって良い働きをしてくれる真菌も、悪さをしてしまう真菌も存在します。そして、肌からでる皮脂。皮脂はとにかく質と量が重要です。頭皮はこの3つの要素が複雑に絡み合い、そのバランスが崩れることでさまざまなトラブルが起こるのです。
細菌は、皮脂をエサに増殖し、増えすぎると菌バランスが崩れ頭皮に悪影響を与えてしまいます。また真菌では、マラセチアという真菌が増えすぎると痒みやフケを引き起こす脂漏性皮膚炎の原因にもなってしまいます。マラセチアが増えすぎる要因も皮脂であるため、皮脂をコントロールすることが頭皮での菌ケアの一歩になります。
皮脂をコントロールするには内側からのケアがポイント
細菌も真菌も暴走の原因の一つに皮脂が関わっています。皮脂をコントロールするためのポイントを紹介します。
◆1. 血糖値の急激な上昇を抑える
血糖値が急上昇すると、成長ホルモンに似た物資が過剰に作り出され、皮脂が大量に作り出されます。血統値の急上昇を招く食品の代表例は、パンやパスタなどの白い炭水化物・白い砂糖・果糖ぶどう糖液糖などです。
◆2. ホルモンバランスを整える
偏った食生活やストレスが続くとホルモンバランスが乱れ、皮脂分泌が過多になる傾向が。ホルモンバランスの乱れにも腸内細菌が関わってきます。
お気づきの人もいるかもしれませんが、頭皮のケアはニキビのインナーケアと同じ。肌荒れも頭皮のトラブルも一緒にケアしていきましょう。
お風呂上りも、菌ケア目線で髪の手入れを
健康な頭皮・ツヤのある髪を維持するためにはお風呂上がりのケアにも重要なポイントがあります。
◆お風呂上り後、すぐにドライヤーをかける
髪を濡れたまま放置したり、汗で蒸れた状態が長時間続いたりすると、湿気が大好きなコリネバクテリウムという菌が頭皮で増えやすくなります。この菌が増えすぎるとさまざまな頭皮トラブルのもとに。さらに、濡れた髪はキューティクルが開いた状態になっているため、摩擦によって髪が傷んでします原因にもなります。
しっかりタオルドライをした後、風量の強いドライヤーで一気に乾かすことをおすすめします。
◆ドライヤーは高温になりすぎないように
髪はほとんどがタンパク質でできているので、高温になりすぎるとたんぱく質の変性が起きてしまいます。濡れている場合は60℃。乾いているときは120℃。髪表面の温度がこれ以上にならないように気をつけてください。
とはいえ、自分の髪の温度なんて、誰にもわかりません。ですから、温度を低めに設定したスカルプモード搭載のドライヤーを選ぶ、というのが現実的です。
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美しい花が栄養豊富な土から生まれるように、美しい髪は菌バランスが整った健やかな頭皮に育つもの。いつまでもツヤとボリュームのある髪をキープするために、今日のヘアケアと、毎日の生活習慣を見直してみましょう。
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教えてくれたのは… 菌ケア専門家 下川穣
1985年4月1日生まれ 福岡県北九州市小倉出身。
岡山大学歯学部を卒業後、都内医療法人の理事長(任期4年3ヶ月)を務める。3年のクリニック経営を中心に、2,500名以上の慢性疾患に対する根本治療を目指した生活習慣改善指導を行っている。医療法人時代に、菌を取り入れることによって体質改善した原体験をきっかけに菌ケアによる根本治療の可能性を感じ、2018年12月に株式会社KINSを創立。現在、代表取締役を務める。
Instagram:@yutaka411985/@yourkins_official