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LIFESTYLE

2021.04.23

日常の一瞬の美しさを切り取った、写真家・上田義彦による初の映画作品『椿の庭』

心に響くストーリー、美しい映像や音楽に刺激を受ける映画で、仕事や恋愛、人生の楽しみを開拓していこう! 思わず映画館に足を運びたくなるような、「働く30歳」に刺さる作品を映画宣伝担当の方々に紹介していただく連載の第7回は『椿の庭』です。

構想は約15年! 海を望む家を舞台にした、女三代の人生を通して描く美しき日常

サントリーや資生堂、TOYOTAなど、数多くの広告写真を手掛ける写真界の巨匠・上田義彦さんの映画初監督作が公開になりました。構想から15年の歳月をかけ、じっくりと脚本を練り上げ、丁寧に美しい映像を撮りためた作品からは、春夏秋冬の移ろいが感じられます。

海を望む高台の古き良き一軒家を舞台に、富司純子さん、シム・ウンギョンさん、鈴木京香さんによる三代の女性の姿が描かれ、美しい余白を感じる本作の魅力に迫ります。

今回は、この映画の宣伝を担当している佐藤友紀さん(ビターズエンド)に、見どころをうかがっていきます!

日々の暮らしの中で感じる喜びの数々。そんな小さな瞬間が凝縮された作品

(c)2020 “A Garden of Camellias” Film Partners

葉山の海を見下ろす家に暮らす絹子(富司純子)。古い家だけれど大切に受け継がれてきた家具に囲まれ、庭には藤、紫陽花、ツワブキ、牡丹といった四季の花が咲くように手入れされていた。

しかし、娘の陶子(鈴木京香)は年老いた母が姪の渚(シム・ウンギョ)とふたりきりで暮らしていることが心配で仕方ない。そこで、東京のマンションで一緒に暮らすことを提案するが、絹子はたくさんの思い出が詰まったこの古い家を手放すつもりはないと言って…。

「ふと見上げた空が綺麗だった、つい美しい花に目を奪われたなど、忙しい暮らしの中でも『今日は良い日だったな』と思える瞬間があると思います。『椿の庭』は、そんな小さな瞬間を凝縮したような作品です。

描かれるのは、なんでもない日常の風景。主人公の絹子は家の手入れを欠かさず、来客時にはいつもより仕立てのいいお着物を着て出迎える。孫の渚は祖母のために桃の皮をむいて、自分の時間には与謝野晶子の詩を読む。その彼女たちの所作、立ち居振る舞いは日常の尊さにあふれていて、『日々を大切に生きていたい』と、観る人に感じさせます。

今じゃなくても、あと数年後、数十年後の自分を思い描いたとき、生きることを幸せに感じている登場人物たちのような暮らしをしていたいと、この作品を観て思いました」(佐藤さん)

日常の一瞬を切り取った、自然光による映像美にうっとり

(c)2020 “A Garden of Camellias” Film Partners

脚本、監督、編集まで務めた写真家の上田義彦さんの世界観がたっぷり堪能できる本作。日傘におちた紅葉の影、木漏れ日、ガラス窓に反射した景色、すべてが美しく、その映像に魅入ってしまうはず。

「本作の脚本・監督をした写真家の上田義彦さんは、この作品の中に、生活の中で感じ取った、言葉にならないほど小さな思いの数々を込めています。上田さんならではの感性で切り取られたカメラアングル、光の捉え方はどれも絵になる美しさ。映像はほぼ自然光で撮影されています。

上田さんは『太陽の光に、人工的な光は叶わない』とおっしゃっていました。セッティングして設えた撮影より、その瞬間、その場所で撮れる一瞬をありのままに撮りたいという思いから、自然光にこだわられたのだと思います」(佐藤さん)

韓国出身の女優、シム・ウンギョさんの透明感あふれる存在に目を奪われること必至!

(c)2020 “A Garden of Camellias” Film Partners

『サニー 永遠の仲間たち』(‘11年)などでも知られる、韓国出身の女優シム・ウンギョンさんの演技も印象的な本作。とても素敵でした。劇中での台詞は全体的に少ないけれど、ひと言ひと言に、また表情で語られる部分も多い。そんな彼女の魅力も見どころのひとつ。

「元々、ウンギョンさんの演じる渚という役は、14歳くらいの設定でした。でも、彼女に会った上田監督が脚本を書き換えてでもウンギョンさんを起用したくなったそうです。

『7人の秘書』(’20年/テレビ朝日系)や『アノニマス~警視庁“指殺人”対策室~』(‘21年/テレビ東京系)などのドラマでは、かっこいいパンツスーツを着こなしていらっしゃいましたが、『椿の庭』で観られるウンギョンさんは180度印象が変わると思います。少女から大人へ成長する過程の儚さと可憐さが、全身からあふれていて本当にかわいらしいんです。

また、ウンギョンさんが劇中で桃の皮をむくシーンがあるのですが、練習でうまくできずにいたところ、それを見ていた富司さんから剥き方を教わったとおっしゃっていました。本当の祖母と孫のようなエピソードで微笑ましかったです」(佐藤さん)

ショートトリップ感満載! 美しい情景には、ぜひ耳を澄ませて聴いてほしい

(c)2020 “A Garden of Camellias” Film Partners

「なかなか遠出ができない今だからこそ、ショートトリップ感覚で観ていただくのに最適な映画なんじゃないかと、個人的には思っています。葉山の海、季節ごとの花々、晴天の空や雷雨、月の光に照らされた障子に映るヤモリの姿、金魚鉢で気持ちよさそうに泳ぐ金魚など、きれいだと思ったシーンにはぜひ耳を澄ませてほしいです。普段気づかないうちに聴き逃してしまう自然の音が、感覚を研ぎ澄ませ、身を委ねたくなる心地よさを感じていただけるはずです」(佐藤さん)

映画全体にあふれる美しい景色に加えて、日本を代表する女優・富司純子さんの麗しい着物姿、所作、優しさが込められた声からも癒しをもらえます。静かで、穏やかな時間が流れる映画『椿の庭』に、忙しい日々からひととき解放されてリフレッシュできるはず!

【information】
『椿の庭』
監督・脚本・撮影:上田義彦
出演:富司純子、シム・ウンギョン、田辺誠一、清水綋治、
内田淳子、北浦 愛、三浦透子、宇野祥平、松澤 匠、不破万作、
チャン・チェン(特別出演)、鈴木京香ほか

製作:ギークピクチュアズ/yoshihiko ueda films/ユマニテ/朝日新聞社
配給:ビターズ・エンド 制作プロダクション:ギークサイト

シネスイッチ銀座ほか、全国順次公開中。

Facebook:@TSUBAKI.no.NIWA
Twitter:@TSUBAKI_NIWA

(c)2020 “A Garden of Camellias” Film Partners

取材・文/宮田典子(HATSU)


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