卵の知っているようで知らない5つの新常識
安くておいしく、そのうえ栄養価も高い卵は、世代を超えて人気の食材。オムレツや目玉焼きなどの卵料理は、食卓の定番メニューですよね!
でも実は、卵にはまだまだ知られていない真実が隠されているのだとか。
そこで今回は、キユーピータマゴ株式会社で卵のスペシャリスト「五ツ星タマリエ※」でもある児玉大介さんに、卵の知っているようで知らなかった新常識を教えていただきました!
■1:産卵日から何日目かの卵によってオススメの食べ方がある
卵は生き物なので、産卵日からの経過日数によって状態が変化するもの。実は、卵パックには産卵日が記載されていることも。これに着目すれば、卵が食べやすくなったり、おいしくなったりするのです!
まず茶碗蒸しは、卵白が水様化しているほうが出汁などの他の液と合わせたときに良くまざり、“す”(細かい穴)が入りにくくしっかり固まることから、5日目頃以降が最適!
同様に、卵焼きや出し巻き卵、卵スープも5日頃以降が適しています。卵白が切れやすく、卵黄と卵白が混ざり合うので、きれいな黄色の卵焼きになり、卵スープにしたときにふわふわの卵に仕上がります。
メレンゲをつくるお菓子の場合、卵白が水様化してくる産卵日から10日目頃以降がオススメ! 卵白の水様性部分が多くなり、泡立ちが良くなります。
ただし、産卵日が記載されていない卵パックもありますので、その場合は、スーパーで売られている卵は、目安として産卵日から1~3日程経過した卵と考えるといいかもしれません。
■2:卵のサイズによってオススメの使い方がある
卵のサイズは重さによってSS~LLまで決められており、卵の重さは変わっても、実は卵黄の大きさはほとんど変わりません。つまり、サイズによって黄身と白身の比率が変わり、大きくなるにつれて卵白の量が多くなるのです!
茶碗蒸しやプリン、ケーキなどを作る際、食感や色を楽しみたいなら、Sサイズがオススメ。
また、卵かけごはんなど、黄身の濃さや白身とのバランスを楽しみたい方はMS・Mを。
ゆで卵はMS・Mを使うと黄身と白身のバランスがよく、きれいでおいしいゆで卵を作れます。
さらにメレンゲ作りをするときは、L・LLを使うと白身の量が多いので作りやすくなります。
ただし、食感などは個人の好みにもよるところも大きいので、あくまで目安として参考にしてみて!
■3:賞味期限を過ぎても加熱をすれば食べられる
卵の賞味期限は安心して“生食”できる期限。21日以内を限度となっていますが、生産業者や流通によっては14日程度にしていることも。
しかし、賞味期限を過ぎた卵は、食べられないということではありません。生卵としては食べられませんが、加熱調理をすれば食べられるのです!
ただし、加熱の方法が重要。70℃で1分以上加熱してください。また他の食材と混ざる場合は、75度で1分以上加熱をしましょう! 温泉卵など低温調理は避けたほうがいいです。
■4:作るのが難しいゆで卵… 新鮮な卵なら1~2日常温保存可
ゆで卵は、冷蔵保存の場合、産卵日から5日目頃以降で殻がむきやすくなります。
そのため、買ったばかりの卵をできるだけ早くゆで卵にしたいときは、1~2日常温保存し、鮮度をあえて落とすことで、殻がむきやすくなるのです。
卵を常温で保存するのは基本的にはおすすめしません(特に夏場は注意!)が、加熱調理をする前提なら、1~2日常温保存してもOK。
また、ゆでる前に卵の丸みのある方に小さな穴をあけたり(またはスプーンなどで軽くたたいてヒビを入れる)、ゆでてすぐ冷水にさらしたりするのも、殻をきれいにむくコツ。
■5:ゆで卵より生卵の方が日持ちする
一般的に食材は、火を通した方が長持ちするイメージがありますよね。しかし卵の場合、意外ですが、生卵の方が日持ちします。
卵の中には、リゾチームという細菌から雛を守る成分が含まれています。このリゾチームは、加熱すると、細菌から守る機能がなくなってしまうため、ゆで卵は日持ちしないのです。
ゆで卵を作ったら、冷蔵保存で1日~2日程度で食べ切るようにしましょう!
ちなみに自宅で作るゆで卵は日持ちしませんが、キユーピー株式会社から発売中の「そのままパクっと食べられる ゆでたまご」であれば、冷蔵で30日間日持ちします。
殻をむいた状態でほんのり塩味がついていて、そのまま食べられるのがうれしい。ストックしておくとなにかと便利なので、ぜひチェックしてみて。
* * *
※タマリエとは、日本卵業協会が開催する「タマリエ検定」によって認定された人のこと。一ツ星から五ツ星まであり、五ツ星タマリエは日本で2人だけしかいません(2021年3月時点)。