人生で大切なことはすべて『トッケビ 〜君がくれた愛しい日々〜』が教えてくれた!
緊急事態宣言の延長が決定しましたが、みなさん、ご自宅でいかがお過ごしですか? 韓ドラビギナーのライターMです。私は韓ドラ三昧のおこもり生活ですっかり寝不足です。今回はそんな私が韓ドラにハマるきっかけとなった作品『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』をレポート。
まだご覧になったことのない人も、既にご覧になっている人も、この機会にぜひ観ていただきたいです!
▲この海岸はふたりにとっては特別な場所! 観光スポットにもなっていますね♪
▲幸せそうなふたりの笑顔が本当に、本当に嬉しい! この写真を見るだけでも泣けてくる(T ^ T)
韓国随一のヒットメーカー、脚本家のキム・ウンスクと演出家イ・ウンボクがタッグを組み、空前の大ヒットを記録した韓国ドラマ『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』(以下、『トッケビ』)は、既にご覧になっている方も多いかもしれませんね。
高麗時代(日本では鎌倉時代のあたり)に神の力によって不滅の命を与えられ“トッケビ”となってしまった男が、900年以上の時を経て、その命を終わらせることができる唯一の存在“トッケビの花嫁”と出会ったことで始まる、壮大なファンタジーラブロマンス。
今さらその魅力を語る必要もないほどの大ヒット作ですし、絶賛コメントも数多くありますが、重ねて伝えたいこと、今だから観たい理由などをいくつかに分けて解説させていただきます!
◆観るものを惹きつける脚本の魅力
韓国のゴールデングローブ賞と呼ばれる第53回百想芸術大賞では、脚本家のキム・ウンスクが大賞を、“トッケビ”ことキム・シン役を演じたコン・ユが最優秀演技賞を獲得した本作。
韓国では放送を重ねるごとにファンが急増して社会現象にまでなり、韓国ドラマ史上空前の大ヒットとなりました。日本でも2018年に放送され、多くの人に愛され続けています。
▲ファン歓喜のツーショット! 「トッケビ」の中でも上位にあがる名シーンですね。
トッケビことキム・シンは900年以上もの間、変わらぬ容姿のまま生き続けているし、瞬間移動できたり、念力を使えます。死神は、人間とまぎれて普通に暮らしているし…。おまけに、両者とも超絶イケメン。しかも“トッケビの花嫁”ウンタクは幽霊が見えちゃう。
これでもかというくらいファンタジーがてんこ盛りでツッコミどころ満載のはずなのに、それがあるからこそ、最終回へ向けてのドラマチックな展開に私たちは没頭していけます。生まれ変わりの概念、奇跡がもたらすものの意味、運命への向き合い方…。このドラマから得られるものは計り知れなさすぎて、もう尊すぎるー!
◆愛すべきキャラクターたちの配役が完璧すぎる!
▲本と芸術を愛する男、キム・シン。何をやっても絵になりますなー。
900年以上もの間、不滅の命を生き続ける高麗時代の武臣キム・シンは、脚本家のキム・ウンスクが5年かけてコン・ユにラブコールを送り続け、実現したキャスティング。観終わった後、「彼がトッケビで本当によかった〜!」と心の底から思えます。
コン・ユはこの作品で大人の色気、知性あふれるたたずまい、少年のような笑顔…、もういろいろな魅力を惜しみなく見せつけてくれます。落ち着いた優しい響きがある声もコン・ユさんの魅力のひとつですよね!
さすが元武臣で900年以上もの人生経験を重ねているだけある… かと思うと、大人気なく嫉妬したり、ムキになったり、小さなことでモメたり、そんな人間的な魅力が素敵なギャップとなっていて、ますます惹かれてしまうのです。
興奮したり、真剣になると、高麗時代の名残で古めかしい言葉使いになる演出も好き(笑)。そんな一挙手一投足に、もうムリ(うそ)、心臓が痛い(胸キュン)… ってなるはずです♪
▲かわいすぎて、目が細まるー♡ このシーンは最終回まで大切に覚えていてほしい。
そんなトッケビの花嫁、ウンタクを演じたキム・ゴウンの演技も本当に素晴しい! 劇中では19歳と29歳を自然体で演じ分けます。シンに対してストレートに感情をぶつけたり、屈託のない笑顔を向けたり、制服姿で元気に走り回るウンタクはどこから見ても高校生でした。
錚々たる先輩俳優陣を前にしても、堂々と演じきっていたキム・ゴウンは、今後の活躍も楽しみなところ。ウンタクで印象深かったのは、叔母家族にいじわるされて家を飛び出すシーンです。
自分でつくったキンパ(韓国の海苔巻き)を1本握りしめて、外の階段で泣きながらキンパを頬張るウンタクには胸が締め付けられる思いですが、それと同時に、ウンタクの生命力を強く感じた場面でもあります。どんなに辛くても、持ち合わせたものが少なくても、大切なものを握りしめて堂々と生きている。
きちんと食べるし、ひとりぼっちでも学校は休まないし、愛された記憶を忘れない。そんな彼女の強さに惚れ惚れします。ウンタクの心の機微を見事に演じ切ったキム・ゴウンですが、実際には1991年7月生まれの28歳。Oggiの通勤服も似合いそうな、ヘルシーでかっこいい韓国のファッションアイコンです♪
▲自分の名前や過去の記憶を全て抹消された死神を演じたイ・ドンウク。
イ・ドンウクが演じた死神のキャラクターもよかったですね。トッケビと死神という最強コンビを考えた脚本家キム・ウンスクがもう天才すぎて怖い(笑)。
黒いハットをいつもクリーニングに出してお手入れしたり、もやしの豆をていねいに取ったり、几帳面な性格なんですよね(笑)。そんな神経質で潔癖に見える死神が恋にあたふたしたり、スマホを使いこなせなかったりする一面に人間らしさがのぞいてキュンとなるはずです!
▲ウンタクがバイトするチキン店の社長サニーを演じたユ・インナ。
いつも気だるい感じで色っぽいです。でも男には絶対媚びない、かっこいい女性。そして、人を見た目や地位で判断する人間とは真逆をいく人で、その人の本質を見抜いて、必要なものを差し伸べることができる強くて愛情深い人。
いつもウンタクの味方をしてくれる素敵なお姉さんです。こんな先輩に自分もなりたい! 女性らしいシルエットのコーデや大胆な色使いのファーなど、なんでも着こなすファッショニスタでもあるので、コーデのチェックも楽しんで!
▲シンの家臣の末裔でチョヌ財閥の御曹司ドクファを演じたユク・ソンジェ(BTOB)。
お調子者で場の空気を和ませてくれる人が社内にひとりいると、本当に助かりますよね。彼はまさにそんな人物(笑)。祖父であるチョヌ財閥のユ会長にカードをせびってばかりだし、注目を浴びることが好きだし、大人に対してタメ口。
ちょっと生意気な御曹司クンですが、本当は素直で祖父思いでひたすら優しい憎めない人です。そんなドクファはドラマを盛り上げてくれた陰の立役者!
◆ふたつのラブロマンス、そしてブロマンスから目が離せない!
▲しっかりもののウンタクに攻め込まれて、タジタジのシンが愛らしい! 私も「アジョシ(おじさん)」って呼びたい♡
運命に翻弄されるふたつのカップルのロマンスが並行して進むところも、観る者を飽きさせない、このドラマのニクイところ。トッケビの“不滅の命”を終わらせることができる唯一の存在であるウンタクと同居をすることになり、次第にもっと生きたいと心が揺らぐシン。
そんなふたりの心の機微が丁寧に表現されていて、少しずつふたりが距離を縮めるたびに、泣いたり笑ったりしながら感情移入できます。年齢差が気になるとか、そういう問題ではもはやありません! 「悲しい愛」が意味することとは…。
▲184cmでモデルとしても活躍する死神役のイ・ドンウク。長身でロングコートもさらりと着こなしてかっこいい!
そして、もうひとつのラブストーリー。それはイ・ドンウク演じる死神とユ・インナ演じるサニーのカップルです。
前世は大罪人だけどその記憶も名前ももたない死神は感情表現が少ない故に、不器用な応対しかできなくて、サニーは毎度しびれを切らすのですが、それが天然すぎて逆にかわいいことに気づきます。そんなふたりのもどかしくて切ない恋愛模様に、これまた胸キュンしてしまうのです。
▲なんだかんだと仲のいい、肉食主義のトッケビと菜食主義の死神。スーパーへの買い出しも一緒です。
物語の後半になるにつれ、トッケビと死神のブロマンスな関係性からも目が離せなくなります。
死神は「トッケビのパンツ」の歌でキム・シンをいじったり、逆にキム・シンが死神にかまってちゃんモードでちょっかいを出したり、小さすぎることでいがみ合う姿は本当に愛おしすぎる! これは最終話に向けての大いなるフリで、前半は純粋に楽しみながら観てほしいです。
◆まるで映画のような迫力と映像美に圧倒される!
▲ふたりの思い出の地、カナダのケベックでのロケ風景。歴史深い建物が並び『トッケビ』の世界観にぴったり。
臨場感ある映像で迫る高麗時代の戦闘シーン、船の沈没シーンでのスペクタクルなCG映像、ソバ畑の美しさ、雪山での絶景、カナダでの印象深いロケ、高層ビルから見渡すソウルの夜景…。
すべてが圧倒的な美しさで、まるで映画を観ているよう。さりげないシーンでも美しい余白を持たせた画角だったり、アングルがかっこよかったり、細部に至るまで妥協がないのです。
◆輪廻転生をテーマに据えた深遠なる教えに心が揺さぶられる
▲ときおり人々に奇跡をもたらすトッケビ。その奇跡の受け入れ方で人生は変わる。
「トッケビ」は壮大なファンタジーが盛り込まれ、登場人物の個々のバックグラウンドも丁寧に描かれているため展開がドラマチックで、泣いたり笑ったりどっぷり感情移入できる最高のエンターテインメント作品です。
一方で、トッケビやウンタク、死神らの元をさりげなく通り過ぎる人々の人生も非常に印象深いもの。特に、死神が死者と対面する茶室でのやりとりには、人生訓が詰まっています。
前世はあるのかないのかわからないけれど、そう考えることで腑に落ちることが多いのも事実。輪廻転生が物語の根底に流れる『トッケビ』を観ると、随所に自分の人生を見つめ直すきっかけをもらえるのです。
以上、『トッケビ』の魅力をつらつらと並べてみましたが、まだ半分も語りきれていません! 観直す度に気づきがあって、生きていることが尊く感じられて、前を向く勇気をもらえるドラマはなかなかありません。先が見えなくて不安な日々の中にいる今だからこそ、心に響くことも多くあるはずです。
また、劇中でウンタクがバイトをしていたおなじみのチキン店「オリーブチキンカフェ」のチキンをデリバリーしながらドラマ鑑賞するのも楽しいと思います! ドラマ鑑賞後は死神&サニーが番組の舞台裏をナビゲートする『トッケビ召喚スペシャル』も併せて観れば、よりその世界観を深く味わえるはずです。みなさんも「トッケビ」で色々な気づきをもらってくださいね♪
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構成/宮田典子(HATSU)