手に入れた「世界にひとつだけ」の名品を私のモノに育てていくために覚えておきたいのが、お手入れ方法。正しいケア&メンテナンスで大切な名品に長く愛情を注ぎたい。そのための基本のキをプロに直撃! たしなみとして覚えておけば、大人の女性としての自信やゆとりにつながります。
バッグのお手入れ・心得1|ハンドルや底の汚れ、擦れ、キズは、早めにプロにお願いするのがベター
「表面が擦れるとザラっとした裏側が出てきます。はがれてしまうと修復が難しく、あとから色を入れようとしても、もとの地色と差が出たり、素材によってはシミになったりすることも。革がこすれてはげやすいパイピング部分も取り替え可能」だそう。全体を取り替えるより一部のほうが費用もかからないので、早めの相談が◎。
チェックポイント
✔︎ ハンドル:すり減りや汚れなど、修理の多い箇所のひとつ
✔︎ 底:すり減りを放置しておくと革がはがれてガサガサに
例えばこんなときは、無理せずお店へ!
自宅で汚れ落としを試したものの、落ちなかった色移り(↓)。底が擦れたところにデニムの色移りが!
バッグのお手入れ・心得2|ライニングを一部、もしくは丸ごと交換するというスペシャルな方法が!
「バッグの内側が経年劣化でベタベタしてきたり、カビが発生してしまったり、ライナーがほつれたり…。そんなときは丸ごとライニングを交換・張り替えするのがおすすめです。熟練のプロの手によるリフレッシュで、まるで内側だけ新品のようにすっきりと生まれ変わります。部分的な汚れが気になるときは一部交換という手も」
チェックポイント
✔︎ 裏地:ボロボロになってしまったら、ライニング(裏地)の交換で再生させて!
バッグのお手入れ・心得3|自宅ケアはとにかく保湿が大事
「革は人肌と同じで、水分や油分が必要。乾燥から守りしっかりと潤いを与えることが大事」なんだそう。「ブラシでほこりを落とし、もうひとつのブラシでクリームを塗る。薄く均等に塗りながらブラッシングして、その後やわらかい布で乾拭きを」ただベタつくのはやりすぎなので注意が必要、とのことなので覚えておこう。
豆知識★ 自宅で革への愛情を注ぐ必需品
・保湿クリームorローション
・やわらかい布
・汚れ落とし用のブラシ
・クリーム用のブラシ
教えてくれたのは…
SARTO 銀座店 フィッター松尾尚子さん
セレクトショップ、ジーンズメーカー勤務後、サルトへ入社。’90年代に独学で縫製技術を身につけ、サルトでドレスとテーラーを学び、お直しやお手入れに精通している。SARTO
2017年Oggi1月号別冊「保存版 名品のそろえ方」より。情報は2016年のものです。
イラスト/サトウアサミ 構成/小池百々子・須藤由美・村上花名(Oggi)
再構成/Oggi.jp編集部