10月11日に30歳の誕生日を迎えた泉 里香さんが『Oggi』2018年12月号の表紙に初登場! 今までどこでも話したことがなかった、男前な仕事論とひとりの女性としての思いとは? 撮影の舞台となったイタリア・ミラノで見せた「ありのままの私」。
Oggi読者同様、ひとりの働く女性として、これまで葛藤もあり続けることの難しさを学んできました、と語る彼女。日本を離れ、撮影場所であるイタリア・ミラノで魅せた自然体の姿から、30歳になった今、改めて振り返る〝泉 里香〟としての軌跡と本音に迫ります。
モデル・泉 里香であることは、私のベースであり、心が落ち着く場所
滞在したホテルの自室で撮影、インタビューにのぞんだ彼女からは、どことなくリラックスした表情がこぼれていた。
「お仕事を始めた当初(10代のころ)は、まだこの世界の奥深さを知らなかったのもあって、新しい環境がただただ楽しかったですね」大学進学を機に上京。同時にファッション誌『Ray』専属モデルに抜擢され、本格的にモデル活動を開始。若くして働く女性の仲間入りをし、20代はどんな気持ちで過ごしていたのだろう。「今振り返ると、大学に通いながら、授業のない時間に雑誌の撮影をして…結構体力があったんだなと思います(笑)。当時は、まったく〝大変〟とは感じていませんでしたが、楽しかった、というのとも違うかもしれません。仕事に対しては、それまでの気持ちのままでは通用しないという現実にも直面しました。思うようにポージングできなくて、先輩モデルの撮影風景を見て学び、家では鏡の前で練習し…。撮影後の自分の写真もチェックして、さらに復習もしていました。だけど、当時のモデル仲間はみんなあたりまえのようにしていたこと。20代のほとんどを過ごした『Ray』は、私の青春であり、試練の時期でもありました。でもその経験を経て、本当によかったと確信しています。結果、モデルとしての基礎も培えたし、今の自信にもつながっている気がするから」
Oggi誌面での登場回数も増え、彼女をよく知るスタッフからは「おじさん」と呼ばれている。かわいくて女の子らしい表情とは裏腹に、臆することなく自分の意見をはっきり伝える〝男前〟な部分に意志の強さを感じる人も多い。
いい意味でのギャップからか、性格もわりとあっけらかんとしているのでは? と尋ねると…。「そんなふうに思ってもらえるのは、いいことかもしれません。だけど実は、悩み、考え、気にしすぎるタイプ。だって人間だもん! でもあまりそれを口に出すことはないかな」
長い芸能生活で表現者として活動を続ける彼女でも、自分のことを多く語るのは苦手という意外な一面も。素の自分に戻る場所は、今も関係は継続中という大学時代に培った仲良しグループ。一般企業に勤める友人たちからは、率直な意見も聞けるそう。
Oggiに登場するようになって、友達からの反響は?
「昔からシンプルなファッションが好きだったので、プライベートを知っている彼女たちは、いつもの私に近くていいね! と応援してくれています。年齢的に、結婚や出産などであまり頻繁に会えなくなってきているけれど、いつも飾らずなんでも話せ、厳しいことも素直に言ってくれる。いい意味で普通の感覚を取り戻せる、ありがたい存在です」
友達と同じように、結婚や出産に興味はある?
「いつかできたらいいな、というくらいで、まだ全然現実味を帯びてないかな。でも、仕事に生きる! とまでストイックにも思っていなくて…。今は、頂いた仕事に対し、求められることに応えていきたい。日々、挑戦中ですね」
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ミラノの街が教えてくれた「私らしくいること」の大切さ
キャリアの中でターニングポイントとなったのは、スタイルブック『RIKA』の出版。想像を遥かに超えた反響の大きさに、本人も驚いたという。テレビ出演が多くなったのも、これがきっかけ。「まさか自分の本を出版できるなんて思ってもみなかったから、とてもうれしかったですね」
それからは、ファッション誌のみならず、ビューティ誌からも出演依頼が舞い込んでくるように。あまり知られてはいないが、ファッション誌とビューティ誌、両方の第一線で活躍するモデルは稀有な存在である。
「仕事は、自分自身の納得がいくよう考えて進めていきたいし、今までもそう歩んできました。私なりのブレない軸は常にあって、『泉 里香』としていつも舵を握ってコントロールはしているつもりです。以前は、10代、20代に戻って、あのとき別の選択をしていたら、と後悔することもあったけれど…。戻りたいけど戻りたくはない自分もいて。そのころのいろんな分野での経験、葛藤、学んだことがあるからこそ、年齢を重ねた今、困難もうまく回避できるようにもなれたし、自信をもって前へ進めるようになってきている気がします」
本人曰く、「考えてすぎてしまう性格上、石橋を叩きながらも、すごくゆっくり前進している」と語る。公式インスタグラムでは、100万人に近いフォロワーがいる。SNSとはどう向き合っている? 「どこにいても常に頑張っていなくちゃという意識がありますね」
自分に正直に、今を楽しく生きている。そんなチャーミングな大人の女性になりたい
日本を離れ、ミラノでの撮影を終えた感想は? そして、30歳、これから目ざす場所は?
「訪れた時期がファッションウイークということもあって、街を行き交う人がみんなおしゃれでエレガント! 大人の女性がビビッドな色や大胆な柄を上品に着こなす様が、なんともチャーミングで。個性が際立っているということは素敵なことだなと実感しました。私自身が無意識にかけていた規制をもう少し緩めて、本当の私らしさを優先してもいいのかもしれない。ミラノに来て、一旦日常から離れて解放された感覚になったからか、今まで俯瞰で自分を見すぎていたことにも気がつきました。向き合いすぎて、気にしすぎていたのかもしれない。もう少し肩の力を抜いて、ありのままの自分に目を向けてもいいのかな。今はまだ自分の中だけに秘めておきたい、叶うといいなと思っている大きな目標があります。葛藤もたくさんあったけれど、これから先もいろいろな〝挑戦〟を積み重ねていって、その大きな夢に辿りつくため頑張ろうと思います」
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Oggi12月号「泉 里香、30歳の告白」より
撮影/生田昌士(hannah) スタイリスト/金子 綾 ヘア&メイク/笹本恭平(ilumini.) モデル/泉 里香 コーディネーター/STUDIO SAKAMOTO 撮影協力/Extro Hotels and Uptown Palace 構成/菅博子、池永裕子
再構成/Oggi.jp編集部