前回は”冷え”を改善する生活習慣についてお話しましたが、体を温める方法のひとつに「ペットボトル温灸」があります。
その名の通りペットボトルにお湯を入れてツボ付近に当てることで、もぐさのお灸と同等の効果を得ることができます。
火の始末や換気をする必要もないですし、冬は湯たんぽ代わりにもなるので大変便利。ツボの位置が正確にわからなくても、大まかな「ゾーン」と「ライン」を温められるので大丈夫なんです。
詳細は拙書『安心のペットボトル温灸』(夜間飛行)で不調の各症状に効果のあるツボをご覧いただければ幸いですが、今回はやり方といくつかの不調に効果のあるツボをご紹介しますね。
<ペットボトル温灸のやり方>
準備
フタがオレンジのホット用ペットボトルを用意し、先に水道水を3分の1入れる。その後、熱湯を3分の2入れて、大体70〜80℃にする。
1.ツボの辺りをねらってペットボトルを押し当てる。
2.「アチッ!」となったら離す。
3.再び3〜5秒押し当てることを3〜5回繰り返す。
<”冷え”に効果的なツボ>
湧泉
足裏の土踏まずのやや上、足指を曲げたときにへこむ部分に当てます。湧泉は腰まで温めるツボで、冷え以外にもむくみや肌荒れなどにも効果が期待できます。血液の循環を良くするので、寝る前に湧泉を温めるのもいいですね。
<生理不順や女性器のトラブルに効果的なツボ>
三陰交
足の内側、くるぶしから指4本分ほど上がった部分にあてます。ホルモンバランスを整えるツボなので、Oggi世代の女性の方にはとくに温めてほしいツボです。
<風邪を引く予兆を感じたときに効果的なツボ>
孔最
脈をとるところと、ひじを曲げると内側にできるしわの中間付近で押すと痛いところに当てます。
大椎
首を前にして倒して一番飛び出た骨の直下部分にあてます。
どちらのツボも、葛根湯を飲むタイミングと同じく、風邪の症状が出る前の予兆の段階で温めるのが効果的です。
ペットボトル温灸は、とにかくいつでもどこでもできるのが利点。オフィスに常備しておいて首回りや肩周りを温めるだけでも疲れが緩和されるのでおススメですよ。
【ポイント】
手軽さを利用し、体を温める習慣をつける。
若林理砂
臨床家・鍼灸師。1976年生まれ。高校卒業後に鍼灸免許を取得。早稲田大学第二文学部卒(思想宗教系専修)。2004年に東京・目黒にアシル治療室を開院。著書に『大人の女におやつはいらない』、『その痛みやめまい、お天気のせいです 自分で自律神経を整えて治すカンタン解消法』、『夏冷えにサヨナラ!ペットボトル温灸術』など多数。https://www.asil-llc.info
DMMラウンジ「若林理砂のカラダ稽古部!」ではボディーワークを扱うオンラインサロンを開設中。Twitterアカウントは@asilliza