さて、養生についてさまざまなお話をしてまいりましたが、いかがでしょうか。
最終的には、やはり食事と睡眠を大事にしている人はいちばん強いです。
寝る時間がもったいないと思うこともあるかもしれないけれど、体を回復させ日中の効率をアップするためにも、睡眠はしっかりとってください。
お食事も、生きるために必要な時間です。食事と睡眠の時間を先に取り分けてから、人生を楽しく過ごすようにもっていく習慣をつくりましょう。
寝食は削っちゃダメです。30代のうちからこれができていれば、40代以降不調が少なくなりますから。
私自身、以前は不摂生を続けていて不調な時期が長くありました。でも、「養生」を実践した結果、今では目一杯体力も気力も充実しています。
大切なのは、続けること。
今すぐ劇的な変化を求めず、完璧を目指さず、自分で出来る範囲のことを継続する。疲れたら休んでもいいので、「あきらめてやめる」ことさえしなければ「あれ?前より調子がいいかも!」と実感できることが増えていきますよ。
最後に、季節ごとに気をつけるポイントをまとめました。一年を通して養生を心がけ、気力も体力も充実した人生を送りましょう。
春……
のぼせやイライラが出やすい時期。緑茶、シソ等の香草、柑橘類をとる。春先の肌荒れにはカモミールティーを。飲むのではなく、お茶で顔を洗ったり化粧水代わりに使う。
梅雨……
湿気でだるくなったり肌の不調が出やすい時期。豆類や納豆、豆腐などの大豆製品を食べる。ただし、あんこは砂糖が体を冷やし湿らせるのでNG.除湿機を使用する。
夏……
氷入りの飲み物やアイスクリームなど、冷たい飲食物を控える。除湿機、適温のクーラーを使用する。
秋…
長雨の時期は梅雨と同じく豆類や大豆製品を食べる。秋〜冬は葛根湯を常備し、風邪の症状が出る前に飲む。
冬……
体を温める作用のあるラム肉、牛肉を食べる。お刺身、生野菜、南国フルーツ(バナナ等)、冷たい飲食物は食べない。靴下は重ね履きよりもハイソックスを履く。
【ポイント】
休んでもいいから、あきらめずに続けること。
若林理砂
臨床家・鍼灸師。1976年生まれ。高校卒業後に鍼灸免許を取得。早稲田大学第二文学部卒(思想宗教系専修)。2004年に東京・目黒にアシル治療室を開院。著書に『大人の女におやつはいらない』、『その痛みやめまい、お天気のせいです 自分で自律神経を整えて治すカンタン解消法』、『夏冷えにサヨナラ!ペットボトル温灸術』など多数。https://www.asil-llc.info
DMMラウンジ「若林理砂のカラダ稽古部!」ではボディーワークを扱うオンラインサロンを開設中。Twitterアカウントは@asilliza