“片付け”ることがブームとなり、とにかく物を捨てましょう、と叫ばれて久しいですが、私は極端に全部捨てるような片付けはしなくていいと思います。
無駄なものや無駄な情報を省くことも養生のひとつで、とはいえ全部捨てるのではなく、毎日5分もあれば片付けることはできます。
意識してほしいのは、ずーっと「邪魔だな」と思いながら生活するところにものを置かないことだけ。「邪魔だな」「汚れてるな」と思いながら使い続けていると、見る度にストレスが溜まっていきます。目から入ってくる情報というのは破壊力も大きい。なので、日々使う場所を日々手入れして片付けておけば楽になるんです。
毎日目にするものが乱雑さを増しすぎないようにすること、必要なものがすぐ出てくる程度に片付いていることが”片付け”。
一番最初にお話した「食事を見える化する」ことと同じなんですよね。
私の場合はそうやって毎日目につく部分をパパっと片付けることと、年に2回くらい大々的に片付ける機会を作っています。家中の総棚ざらいのような感じで、置いてあったけれど使わなかったものを鬼の形相で捨てるんです(笑)。
毎日ちょっとずつ溜まってしまう紙袋やカトラリー類、「直せば、痩せれば」と思っているだけで着ていない洋服などを総点検して処分する。それだけでも家にスペースが生まれて、心の余裕もできます。無駄に持たずに、必要な量に調整するだけでいいんです。
あとは、ものを買うときに「本当に欲しい?」と自問自答することが大事。
第5回でお話したコンビニのおやつと一緒です。
「安いから」とか「流行っているから」じゃなくて、本当に欲しいものなのか自分に聞く。そこでやめておけば、後々捨てる量も減って片付けにとらわれることも減っていきます。
片付けに0か100かの思い切りは必要ありません。
家の中の生活導線を毎日片付け、無駄なものは買わない。
これだけで身も心もすっきりした生活を送ることができます。
【ポイント】
目につく部分を毎日片付け、本当に欲しいものだけを買うようにする
若林理砂
臨床家・鍼灸師。1976年生まれ。高校卒業後に鍼灸免許を取得。早稲田大学第二文学部卒(思想宗教系専修)。2004年に東京・目黒にアシル治療室を開院。著書に『大人の女におやつはいらない』、『その痛みやめまい、お天気のせいです 自分で自律神経を整えて治すカンタン解消法』、『夏冷えにサヨナラ!ペットボトル温灸術』など多数。https://www.asil-llc.info
DMMラウンジ「若林理砂のカラダ稽古部!」ではボディーワークを扱うオンラインサロンを開設中。Twitterアカウントは@asilliza