LINEアイコン研究所07
研究対象:【若い頃の自分の写真】アイコンの人
以前この連載「LINE アイコン研究所」の中で、子供の頃の写真をアイコンにしている人を考察しました。
まぁ結果、子供の頃の写真をアイコンにしている=「浮気上手な男」という結論に達したわけですが、今回の「若い頃の自分の写真」とは赤ちゃんや子供時代ではなく、5年前ぐらいの微妙に若い時代の写真を使ってる人のことです。こんなアイコンを見ると、「若く見えようとしてるのか?」とちょいイラっとしたりしませんか?
なぜ現在の写真ではなく、ちょい若い時代の写真を使ってしまうのでしょうか。日本人は「若見え絶対主義」的な思想が良くも悪くも根強くありますよね。
いくら「若く見えるって言われても別に」とクールなスタンスを取っている人でも、若く見えると言われ気分が悪くなる人はいないはず。皆多かれ少なかれ、「若く見える自分」というものをどこかで意識しているんです。
ですがあからさまな若作りをするのはどこか恥だと感じてしまう人も多いですよね。そして若く見えることにこだわっている自分もみっともないから隠したい…でも心の奥底では若く見えていたい!
そんな複雑な感情をシャッフルし、ぐちゃぐちゃにまとめて、ひとつの形にしたその結論こそ、「ちょい若い自分の写真」をアイコンにし続ける、という行為。
思い切って10年前の写真を使うほどの度胸もないし恥知らずでもない、でもバレない程度に若い自分をアピールしていたい、そんな複雑な心が生み出したのがこのアイコンなんです。
自分にとってはたかが5年前と思うかもしれません。自分の魂胆はバレていないと思っているのかもしれません。
しかし周りから見れば「いつまで昔の写真使っちゃってんだw」と思われています。もちろん思わない人もいますが、敏感な人間には感じてしまうのです。
むしろこういった自意識強めの人にとって要注意人物なのが敏感な人間なので、完全に企みは失敗しています。
「ちょい若いときの自分」アイコンの人はずばり、超絶・普通の人間
でもこの5年程度前の自分の写真をアイコンにする人物は、ややこしくはありますが、根はとてもシンプルで奥ゆかしいところもあり、空気を読もうとするタイプではあるので、実は付き合いやすい相手。
少しのコンプレックスと少しの自意識と少しの常識と少しの恥じらいと少しのプライド。それが程よくミックスされた人物、これぞ「超絶・普通の人間」ともいえます。
だけど自分はよく熟考できる深みのある特別な人間と思っているかもしれません。だけど超絶・普通。このズレを愛おしいと周りの人間は思うべきです。
なのでちょい若い頃のアイコンを使って小賢しく若見え狙う人物がいてもイラっとせず、「超絶普通の人間が、超絶普通の発想で、超絶普通な自意識を超絶普通に表現している」と軽くかわしましょう。
逆に思い切って10年前の写真を恥ずかしげもなく堂々と使っている人間こそ、何をしでかすかわからない狂気を秘めた脱・普通な人物なので、注意すべき相手はこっちです!
初出:しごとなでしこ
吉田奈美 writer
女性誌を中心に、タレントインタビュー、恋愛企画、読み物企画、旅企画、料理企画などを担当。著書に『恋愛saiban傍聴記』(主婦の友社)も話題に。