台湾の名産品「鳳梨酥」は何て読む?
今回ご紹介するのは、近くて、便利で、とっても楽しい台湾の名産品のひとつ「鳳梨酥」。読み方は、「フォン リー スゥ」。パイナップルケーキです!
台湾の食べ物って、基本的にどれも美味しいのですが、ものによっては中華特有の独特なにおいと味がちょっと苦手…という人がいるのも事実。でも、パイナップルケーキは心配ご無用、誰でも必ずお口に合います♡
しかし、パイナップルケーキとひとことで言っても、台湾各地、各お店によって味・外見・食感・原料までもが全く違います。では、どこのパイナップルケーキがおいしいのか? 世界中の美味しいものを食べ歩いている現地台湾人のCAたち約200人の意見を聞くべく、アンケートを実施しました。
その結果、「ここのお店のが一番!」、「これはかたすぎ」、「これ中身パイナップルじゃないよ?」、「なんでわたしの故郷のがないの!?」などなど真剣回答が多数続出!そんな彼女たちの半ばアグレッシブな意見を反映し、勝手に結果発表です。
(非常感謝幫我認真解答的空姐們! 以下就是妳們的票選結果!)
訳:アンケートにご協力くださったCAのみなさん、回答ありがとうございました。以下がアンケート結果です!
【台湾人CA】が選ぶ、本当に美味しい鳳梨酥(フォン リー スゥ)BEST5
第5位 犁記(リー ジー)
こちらのパイナップルケーキを販売している犁記(リー ジー)は、パイナップルケーキの他にいろいろな中華のお菓子やケーキを販売していて、どうもそちらの方が人気のようです。このパンフレットの写真からもわかるように、とても高級感漂う豪華な店舗です。なので、ここのパイナップルケーキをそもそも試したことがない、という回答が多く、実はわたし自身も今回初めてのトライでした。
▲黄色のパッケージにパイナップルのイラスト、これなら店内にあるたくさんのお菓子の中から、一目見てパイナップルケーキだとすぐにわかりますね。中華っぽい筆字の字体で鳳梨酥と記されています。
▲餡はパイナップルと冬瓜で作られていて、しっかりとパイナップルの繊維が感じられます。まわりのケーキもかたすぎず、やわらかすぎず、こちらも正統派のパイナップルケーキといった感じです。
購入場所:台北市長安東路二段67號
第4位 吳寶春(ウー バオ ツゥン)
こちらのパイナップルケーキは、なんと言ったらよいでしょうか。甘さ、かたさ、見た目すべてがちょうど良く、ザ・正統派のパイナップルケーキとでも言うべきでしょうか。空港で購入することができるのでお土産に迷ったら、こちらをオススメします!
▲こちらも和紙のようなきれいなパッケージ。パイナップルを中心とし文字が円状に「FORMOSA DESSERT」と刻まれています。FORMOSA(フォルモサ)とは台湾の別称。色もブラウン一色でとてもシンプル。
▲本日紹介するパイナップルケーキの中では唯一まるい形を採用している吳寶春(ウー バオ ツゥン)。まわりのケーキはやわらかめでしっかりとバターの味が感じられます。中にはパイナップルの透明な繊維がキラキラした餡が包まれていて、とっても満足な食べごたえです。
購入場所:台北松山空港(こちらは空港なので出発前にササッと購入できます)
第3位 微熱山丘(ウェイ ゥラー サン チョォ)
日本での知名度はこちらが一番かもしれません。日本では英語名のSunny Hills(サニーヒルズ)で知られていて、東京の南青山に素敵な店舗があります。このお店、世界的建築家の隈研吾さんがデザインし、「地獄組み」という日本の木造建築の手法を使ったとてもユニークな建物なんです。そして微熱山丘(ウェイ ゥラー サン チョォ)の特徴はなんといってもその食べごたえ。「中にドライフルーツのパイナップルがガツンと入っています!」という感じです。こちらのパイナップルケーキは台湾人が言うところの、いわゆる本物のパイナップルケーキ(笑)。土鳳梨酥(トゥ フォン リー スゥ)と呼ばれています。この土(トゥ)には「ローカルな」や「土着の」という意味があります。
▲こちらのパッケージは和紙のような半透明の素材にテキストの色もブラウン一色というとてもシンプルなもの。イラストもかわいらしく、形が長方形というところも他のパイナップルケーキとの大きな違いです。
▲見てください、このパイナップルの繊維の主張力。歯にはさまってしまうほどの食べごたえです(笑)。まわりのケーキも見た目通りしっかりした仕上がり。3時のおやつはこれひとつでけっこう満足しますよ。
ちなみに微熱山丘と他のパイナップルケーキのお店との大きな違い。それは微熱山丘は店舗に行くと、そこのティールームでパイナップルケーキ(ひとつ)とお茶を無料でゆっくり楽しめるというところ。そんな最高のサービス、ティールームだけ楽しんで帰ってしまう人がたくさんいるのでは? とわたしは思ってしまったのですが、みなさんきちんと購入されるそうです。よかったよかった!
購入場所(台北):台北市民生東路五段36巷4弄1号
第2位 佳德(ジャー ダッ)
こちらは大人気でした! このあと発表する第1位には僅差でかなわなかったものの、コアなファンが大勢いる佳德(ジャー ダッ)。その理由は、味はもちろんのこと、抜群の知名度と空港やショッピングセンターなどどこでも気軽に購入できるという点。わたしも実は少し前までは「佳德がナンバーワン!」と公言しておりました。
▲少しわかりにくいのですが、パッケージは光沢のある金色の素材に和紙っぽい模様が入った紙でできていて、高級感が漂います。
▲中身の断面図。周りのケーキがしっかりしていますね。どちらかというと少しパサパサしてる方だと思います。中の餡ですが、からまりあうパイナップルのしっかりした味と食感と冬瓜の粘り気の絶妙なマリアージュに感動します! 食べごたえとパイナップルの風味を求める方は、こちらが好きかもしれません。
購入場所:台北松山空港(こちらも帰りの飛行機の前にササッと購入!)
そして栄えある第1位は…!
第1位 小潘(シャオ パン)
大大大人気でした! 実はなにを隠そうわたしもいまはこの小潘(シャオ パン)が一番好きです。なにがそんなによいのかというと、パイナップル・冬瓜・卵の黄味でできたちょっぴり湿った餡とバターたっぷりのサクサクポロポロしたケーキのコラボレーション具合。感動の一品です!
▲「ザ・台湾」という感じで、素朴でよい雰囲気を醸し出しているわかりやすいパッケージです。
▲中身の断面図。この黄色さは卵の黄味が入っているからこそ得られる黄色さ。この黄色い餡とケーキの間に薄く層をなしている冬瓜の粘り気が美味しさの秘密であると思います。卵の黄身が苦手という方は、黄味なしバージョンもあるのでお試しあれ。
購入場所:新北市板橋區中正路135巷11之1號
※ただこちらお店、少々アクセス悪し。台北市内の板橋(バンチャオ)エリアにあり、河の内側が市の中心といったところですが、その外側なのでタクシーで行くのがオススメです!
実は、トースターでパイナップルケーキをこんがり温めてから食べるとさらに美味しく頂けます。そのまま食べるのと温めて食べるのでは全然違うので、一度試してみてくださいね。
そして今回は登場しなかった美味しいパイナップルケーキもまだまだあるので、また次の機会にご紹介したいと思います。
初出:しごとなでしこ
有田千幸 なでしこリポーターズ
ニュージーランド出身。オークランド大学卒業後、台湾の航空会社でCAとして9年間乗務。現在は建築設計事務所のプレス。1983年生まれ。MISS WORLD JAPAN 2005 ファイナリスト。インスタグラム @chiyuki_arita