お気に入りの靴は、お手入れしだいで想像以上に美しく、長持ちします。ファッションプロもひそかに通うメンテナンスサロンの、イケメンリペア男子が、お手入れ術とその心構えを指南!
- 1 心得1「最初の一歩は何ごとにおいても肝心。Noケアで出歩くなんてすっぴんで出社するようなもの」
- 2 心得2「汚れをできるだけ定着させないように…。靴は雨もあなたの涙も嫌います」
- 3 心得3「ファーストコンタクトは丁寧に。丁寧に扱われることでうれしいのは靴も同じなのです」
- 4 心得4「自分にも靴にも厚みを出しましょう。そうすることで何年も耐えられる代物になります」
- 5 心得5「頼れる友達とお気に入りの靴は複数持ちましょう。たったひとりを決めるのは、生涯を共にするパートナーだけで十分」
- 6 心得6「入浴前のボディチェックと同じくらい、靴にも日々のチェックが必要です」
- 7 心得7「体型と同じく、靴もシルエットのキープが必要です。あきらめたらそこで、靴の寿命は終わります」
- 8 心得8「だれにでも休憩は必要です。長くつきあうためにお休みを上手にはさみましょう」
- 9 心得9「恋愛も靴もメンテナンスは早めに。見て見ぬふりをしていると、いつのまにか取り返しのつかないものになります」
- 10 心得10「シンデレラのように向こうからはやってきません。自分の足のサイズに合う靴と出会うことが、長く靴とつきあう大前提です」
心得1
「最初の一歩は何ごとにおいても肝心。Noケアで出歩くなんてすっぴんで出社するようなもの」
靴をおろす前に栄養スプレーをかけましょう
真新しい靴は、油分や水分を受け入れやすい状態になっていることが多いもの。おろす前に栄養スプレーを使いましょう。キズや汚れに強くしておけば、長くつきあうための完璧な一歩が踏み出せます。履いた後にケアをすればいいという考え方を見直して。履く前から靴とのおつきあいは始まっています。
心得2
「汚れをできるだけ定着させないように…。靴は雨もあなたの涙も嫌います」
履く前日に防水スプレーをかけましょう
履く前日の夜に防水スプレーをかけましょう。出かける直前ではNG! 時間を置くことでより効果を発揮します。雨対策に使うものと思っている方も多いのですが、それだけではありません。水気を含んだ汚れ全般をはじき、定着させない効果も」
心得3
「ファーストコンタクトは丁寧に。丁寧に扱われることでうれしいのは靴も同じなのです」
靴べらを使って履きましょう
靴のかかと周りには芯が入っています。それを変形させてしまうと、本来のシルエットを保持できなくなり、足に沿わなくなる可能性が。毎朝、靴べらを使っている人の靴は確実に寿命が長い。それに、かかと以外のパーツもきれいなまま保たれていることが多いです。
心得4
「自分にも靴にも厚みを出しましょう。そうすることで何年も耐えられる代物になります」
靴底にラバーソールを張りましょう
靴ブランドの方は最初におすすめされないかもしれませんが…。ラバーソールを張ることで滑りにくくなり、結果歩きやすく、削れにくくなります。薄いソールが削れてしまうとリペアサロンでも修理が難しいので、おろす前のケアをおすすめします。
心得5
「頼れる友達とお気に入りの靴は複数持ちましょう。たったひとりを決めるのは、生涯を共にするパートナーだけで十分」
ローテーションで履きましょう
お気に入りの靴なら、毎日履きたいものですが、その状況は 靴にとってかなり負担がかかるんです。普段使いを3足+雨の日用に1足なんて言われますが、これは事実。履く回数を上手に分散させれば、より長くつきあうことができます。
心得6
「入浴前のボディチェックと同じくらい、靴にも日々のチェックが必要です」
靴にも日々のチェックが必要です
全体をサッとブラッシングしながらほこりを落とし、靴の状態を確認する習慣を。一日共に歩いた靴です。気づかぬうちに汚れは付着しているもの。キズの早期発見にもつながります。除菌スプレーをして、インソールのコンディションも一緒に確認を。
心得7
「体型と同じく、靴もシルエットのキープが必要です。あきらめたらそこで、靴の寿命は終わります」
シューキーパーを使いましょう
服をハンガーにかけるように、靴にもシューキーパーを詰めてシルエットをキープしましょう。履きジワがひび割れにつながることもあります。一日履いた靴は水分を含んでいるので、丸一日は入れっぱなしにするのがベター。
心得8
「だれにでも休憩は必要です。長くつきあうためにお休みを上手にはさみましょう」
シーズンが終わったらクリ-ニングに出しましょう
皆さんにバカンスがあるように、1シーズン頑張った靴は私たちに預けてください。革の健康状態を保つために長い目で見れば、硬化を招く汗や塩分を取り除くクリーニング(丸洗い)が、必要不可欠。革がよみがえりますよ。
心得9
「恋愛も靴もメンテナンスは早めに。見て見ぬふりをしていると、いつのまにか取り返しのつかないものになります」
小まめに修理に出しましょう
もちろん最善を尽くしますが、状態が悪ければ悪いほどできることが限られ、元に戻すことが厳しくなります。長く履きたいお気に入りの靴こそ、修理は小まめに。些細なことでもご相談ください。
心得10
「シンデレラのように向こうからはやってきません。自分の足のサイズに合う靴と出会うことが、長く靴とつきあう大前提です」
ジャストサイズを履きましょう
デザインが気に入ると、多少サイズが合わなくても無理して履く方って意外と多いんです。インソールでアジャストする場合は、不自然なシワがついていないかをチェックするようにしてください。なるべく、ジャストサイズを心がけて。
10の心得を教えてくださったのは…
松屋銀座 シューズ&バッグ リペアサロン店長 世良 俊さん
靴の製作に携わった後、リペアサロンに勤務して10年。好きな靴ブランドは、セルジオ ロッシ、クリスチャン ルブタン、レネ・カオヴィラなど。「どんな状態の靴でも短時間で最善を尽くします。お待ちしています」
松屋銀座 2階 シューズ&バッグ リペアサロン
東京都中央区銀座3-6-1 ☎03・3567・1211(大代表)
営業時間 10:00〜20:00
不定休 ※松屋銀座に準ずる
料金/かかとゴム交換¥1,200〜、ハーフソール(底張り)¥2,200〜
靴を長く履いている人--
それはきっと、
愛情の深い人です
2016年Oggi11月号「最愛靴と長くつきあう10の心得」より。
【本誌掲載時スタッフ 撮影/安井宏充(Gran) 構成/星野未和】
初出:しごとなでしこ
Oggi11月号
アラウンド30歳からの働く女性に向けて、シンプルでセンスのよい、ベーシックなファッションを提案する月刊誌。トレンドを追いかけるのではなく、「着る人が素敵に見える」「本人も周りも心地よい」スタイルを追求している「Oggi」の試し読みと購入ができます。