洋服はトレンドものもお手ごろブランドもバランスよく取り入れているけれど、時計はいつも素敵な「いいモノ」が好き――。「チープ・シック」上手たちが愛用するヴィンテージ時計と、その出合いをご紹介します!
スタイリスト 徳原文子さんのヴィンテージ時計コレクション
左から カルティエのダイヤ付き「ミニ タンク」 カルティエの「サンチュール SM」 カルティエの「マスト タンク SM」 ジャガー・ルクルトのスクエアケースウォッチ チュードルのデカバラ「オイスターデイト」
スタイリスト 徳原文子さん
ボーイズサイズからエントリーして、自分の腕や着こなしになじむ小ぶりサイズに行きつきました
「最初に手に入れたのは『チュードル』。スタイリストとして独立して2年、当時文字盤の上の通称『デカバラ』が人気で、セレクトショップで購入。アンティーク時計ってかわいい、と思うようになったきっかけの一本です。その後、少し背伸びしたかったのか(笑)、金色のフェースでザ・クラシックなものを、と『マスト タンク』を入手。値段のわりにきちんと見え、惜しまずつけられるのが魅力。また、四角いフェースが私にはしっくりくるとわかりました。人があまりつけていないものを、と長いこと探したのが小ぶりの『サンチュール』。『ジャガー・ルクルト』は、ふと入ったアンティーク時計の名店『ケアーズ』で。美しいグレーのフェースが、グレーメインだった当時のワードローブにもマッチ。カジュアルないつもの自分の着こなしに一本で決まるドレスウォッチを、とダイヤ入りの『ミニ タンク』を探し続け、2年ほど前にようやく出合えました。ひとつ手に入れるたび、より自分らしいもの、好きなものがはっきりと見えてきて、次のスタイルにつながってきたように思います。」
スタイリスト 安西こずえさんのヴィンテージ時計
パテック フィリップの「カラトラバ」
スタイリスト 安西こずえさん
長年欲しかった、憧れの時計。今では手に入らないサイズを譲り受けました
「時計の最高峰とも称される『カラトラバ』。シンプルを極めながらすべての要素が美しく、別格。こちらは現行モデルより少し小ぶりの希少なサイズで、優れた審美眼をもつ、知人の男性が所有していた一本です。グレーのクロコストラップに付け替えました。シャツスタイルによく合わせています。」
ヴィンテージウォッチを愛する、スタイリストT×エディターSの本音トーク
S:私たち、はからずもヴィンテージ時計一辺倒だけど、改めて考えるとなんでだろう?
T:味がある雰囲気が好きだし、人とかぶるのがイヤだからかな。個人的には、時計って流行ってるから欲しいものでもないし。
S:確かに。特に時計はオーセンティックで端正なものが基本的に好き。それにふたりとも普段はシンプル&カジュアルだから、きちんとしたものをどこかにひとつ入れておきたいよね。
T:あと、今買わないともう出合えない、「出合い」も重要。
S:そうそう、私も教えてもらって即行ったから買えたりしたしね。どこで探すことが多い?
T:私はアンティーク時計専門店かな。某ブランドのヴィンテージ時計なら、そのブランドでオーバーホールに出すと履歴を登録されるくらい、素性も状態もきちんとしているから安心。
S:あと大手の質屋さん的なお店も、昔のいい時計がゴロゴロ見つかる穴場だ、って某大御所スタイリストさんが言ってた。
T:昔のいい時計って、ひとつできちんと感、大人感が出る。ジュエリー感覚で一本一本見極め、好きなものを見つけたいね。
●この特集で使用したアイテムはすべて本人私物です。現在は購入できない場合もありますので、ご了承ください。
Oggi9月号「私たち、こうして『運命のヴィンテージ時計』に出合いました」より
撮影/西原秀岳(TENT) デザイン/Permanent Yellow Orange 構成/須藤由美
再構成/Oggi.jp編集部