働くアラサー世代に急増している「いい汗をかけない」人。「急にどっと」、「滝のようにダラダラと」、「ベタベタしててニオう」… これすべてNGな汗なんです！どうせかくなら美に効く「いい汗」がいい。いい汗はサラサラでにおわないし、美容にもいいんです。爽やかにかく＆においに変えない汗かきテクを身につけて！
専門家に聞きました！
五味常明先生（五味クリニック院長）／汗やにおいのエキスパートとして著名。形成外科学と精神医学を専攻し、心のケアと外科的手法を組み合わせる独自の「心療外科」を、ワキガ・体臭・多汗治療の現場で実践する。
そもそもどうして人間は汗をかくの？
＜図の左側＞ 爪や唇以外の全身にある「エクリン腺」。特に手のひらや足の裏に多い。体の水分を皮膚から蒸発させることで体温調節を行い、脳を過熱から守るという重要な役目を果たす。
＜図の右側＞ ワキや耳の周り、陰部など、体の限られた部分にあり、毛穴に付属している「アポクリン腺」からは、体臭の原因物質を含む汗を分泌。動物の場合はフェロモンの役割を果たす。
空調完備の環境で汗腺が衰えてしまう！
人間の汗は、上の説明のように全身にかく「エクリン腺」の汗と、ワキなどのにおいのもとになる「アポクリン腺」の汗に分けられます。汗研究の第一人者である五味常明先生によれば、エクリン腺から出る汗のほうに問題を抱えている現代人が増えているそう。
「エクリン腺は、そのすべてではなく半分程度が〝能動汗腺〟として機能しているのが健康な状態です。しかし、エアコン漬けの部屋で汗腺を刺激することなく過ごしていると、能動汗腺の量が減ったり、汗腺の機能が衰えてしまいます。すると、いい汗をかけない体になってしまうのです」（五味先生）。
「白シャツのときって汗ジミが心配…」
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「いい汗」はキレイと健康のバロメーター！
いい汗は、健康にも美容にも欠かせないもの。汗をかかないのがよくないのはもちろん、せっかくかいた汗が悪い汗だったら、逆に体にとって悪影響に…。あなたの汗が「いい汗」か「悪い汗」か、下のシートで簡単にチェックできます。そしてトレーニングしだいで、だれでもいい汗体質に！
汗かきチェック！
□汗をかきにくいタイプだ。特に冬は汗をかかない。
□お風呂上がりに、流れるような汗が止まらない。
□普段はそれほど汗をかかないのに、猛暑の日は突然滝のような汗をかく。
□夜になるころには、肌が汗でベタベタしている。
□仕事中など、ふと自分が汗くさい気がして不安になる。
□一年中手足が冷えやすい。
□暑いのが苦手で、自宅でもエアコンは欠かせない。
↓
✔️が多かったあなたは「悪い汗」をかいているかも！
「悪い汗」は美容に悪影響！
・ベタベタして不快
・低体温
・代謝不良
・におう
普段はかかないのに、急にどっと出る汗に要注意！
いい汗と悪い汗の違いとは？ 水のようにサラサラとしていて、じんわりとにじむように出るのが「いい汗」。普段は汗をかきにくいのに、かくときはベタッと濃く、肌の上を流れるようにどっと出るのが「悪い汗」です。
「能動汗腺がきちんと機能していれば、サラサラのいい汗をかくことができます。汗は血液を材料にしてつくられますが、汗腺の濾過機能によって体外に出る前にミネラルなどの成分が血液に再吸収され、水に近い状態になるのです」と、五味先生。
それに対して、汗腺の機能が衰えていると、汗が急にどっと出てしまうので濾過される余裕がなく、ミネラルなどが含まれた「濃い汗」＝悪い汗に。
「悪い汗はにおいの原因になるだけでなく、粒が大きいのでうまく蒸発せず、上がった体温を下げられません。すると、体は危険を回避するため元の体温を下げて対応。悪い汗をかく、汗をかきにくいなどの体質は、低体温や代謝不良を招くのです」（五味先生）
「いい汗」をかいている人は…
□子供のころから、よく汗をかくタイプだ。
□朝起きると、寝汗をかいていることが多い。
□外に出ると、すぐにじわっと汗をかく。
□夜になっても、肌のベタつきはそれほど気にならない。
□夏も、私、汗くさいかも…と感じることはあまりない。
□特に冷え性ではない。
□エアコンが苦手で、自宅ではなるべくドライか送風に設定している。
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✔️が多かったあなたは「いい汗」をかいています。このままキープして。
Oggi8月号「どうせかくなら、美に効くいい汗！」より
撮影／天日恵美子（人物）、西原秀岳（TENT・静物） ヘア＆メイク／得字マキ（Nude.） スタイリスト／柿原陽子 モデル／安座間美優 イラスト／ナカオテッペイ デザイン／髙橋桂子 構成／大塚真里
再構成／Oggi.jp編集部
