「サンローラン」の名品は黒をチョイス
「サンローラン」にとって、ブラックはメゾンのヘリテージを象徴するカラー。創業者ムッシュ イヴ・サンローランの時代から受け継がれてきたタキシードジャケットと同じく、定番的な人気を誇るのがブラックシャツ。最上級のシルクにしか出せない、どこまでも深く艶やかな宵闇色――「吸い込まれそうな黒」という表現に、これほどぴたりとくるものはないだろう。
シルクのブラックの深遠なるオーラ
シャツの「顔」ともいえる前立ては見るからに端正な仕立てで、小さめの襟をきりりと引き立てている。細かいほど上等といわれるステッチは、襟やカフスのエッジぎりぎりに施され、印象は限りなくエレガント。ストイックなまでのシンプルさでありながら、官能的な女っぽさが漂う類まれなブラック。
ハイブランドのアイテムはバッグや靴も憧れだけれど、日常的に着られる服で、その特別感を味わってみるのも大人な選択。適度なゆとりをもったサイジングが、ブラックシルクの落ち感をセクシーに際立てて。ボタンを上まで留めても、多めにはずしてゆるりと着てもサマになるシルエット。
シャツ¥115,000(イヴ・サンローラン〈サンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ〉)
●この特集で使用した商品の価格はすべて、本体(税抜)価格です。
2018年Oggi7月号「今から知っておきたい、メゾンの『名色』アイテム」より
撮影/渡辺修身 スタイリスト/金子 綾構成/三尋木奈保
再構成/Oggi.jp編集部