こことここはケアレスミスだから、本当だったら4点プラスだったな

あん(私)…シングルマザー8年目にして5歳年下の男性と結婚。夫の会社の経理担当。41歳。
蓮…6年生から中受を始め、第3志望の共学校へ入学。13歳。
臣斗くん…あんの会社の後輩・海斗くんの大学の同級生で再婚相手。35歳。
結衣…蓮の彼女。4年生からS塾に通い中受するも蓮とは別の女子校へ入学。
お母様…臣斗の母。英語教師で先日熟年離婚をする。
【前回までの話】
前回の話▶︎1週間の強制休暇からの復活!果たして彼女は変わったのか?【中学生ママ(40歳、子連れ再婚)のぶっちゃけ365日vol.68】
Season1▶︎『シングルマザーの恋愛』はコチラから
Season2▶︎『39歳、子連れ再婚の365日』はコチラから
私も蓮も臣斗くんも、全員が乗り越えなきゃならない家族の形。
こんにちは。シングルマザー歴8年目にして子連れ再婚をしたあおいあんです。
前回は、勤務先の先輩・田嶋さんが強制休暇から戻ってきたところまでお話ししました。
蓮の試験も終わり、ポツポツとテストが返ってきていた。毎日「何点だったと思う?」と聞かれ、5教科7テスト全部答えるのは正直しんどかった。良い点数を取れたテストもあれば、平均点ギリギリのテストもあったが、すべてにおいて平常心で対応した。なぜなら、思うように点数が取れなかったものに関しては、努力が足りなかったんだってことを本人がいちばんわかってるから。中学生になったのだし、いちいち一緒になって原因を突き止めるのはやめることにした。
最後のテストが返された日。平均点よりも18点も上回った英語のテストを持ってきて。
蓮
ケアレスミスも不正解に変わりはないんだよ。ケアレスミスだから得点にカウントしていい、という特別ルールはないんだ。と本当は言いたいところをグッと抑えて蓮に聞いた。
私
英語よく頑張ったね。これでテストも返ってきたし、試験期間が終わりだね。で、臣斗くんと3人で食事は行かない方向でいいんだっけ? どうだったっけ?
ちょっととぼけた感じで聞いてみた。
蓮
あぁそれね
点数がよく機嫌もよかったのに、あからさまに顔色が変わった。
私
行きたくないならいいんだよ。臣斗くんがお疲れ様会を、と思って言ってくれたみたいだから
蓮
うん…
私
臣斗くんと何かあったの? LINE未読のままで心配してたよ
蓮
別に…。何もないけど
私
じゃあ既読にして返事したらいいんじゃない?
蓮
それって義務?
私
えっ!? 義務って…。友達からLINE送られてきたら返事するでしょ。それって義務なの?
蓮
友達は自分で関係を作った人だけど、臣斗くんって別に友達でもないし…
…再婚するときに覚悟はしてた。蓮はいつか「臣斗くんは俺の父親じゃない」と言うことを。
私
そうだね。臣斗くんは友達じゃないし、蓮の実の父親でもない。私が再婚した相手なだけだよね
蓮
うん
私
だから臣斗くんをお父さんと呼べと言ったこともないし、臣斗くんも父親面したことなくない? もしそう思わせちゃってたら、気づかなくてごめんね。でも中受の時に勉強見てもらったり、励ましてもらったのに、今はシカトするって違うと思う。自分の都合のいいときだけ利用して、うざったくなったらさよならするの?
目を伏せて俯く蓮。
私
思春期で親と外食したくないとか、出かけたくないって気持ちはわかるよ。ママもそういう時期があったから。でも、蓮のことを心配してくれてる人を無視する行為はどうなのかな? どう思う?
蓮はしばらく黙ったままだった。もっと言いたいことはあったけど、私も黙ったまま回答を待った。
蓮
わかった。LINE既読にして返事するよ。でも、3人で出かけたりはしたくないから誘ってこないで。2人でどこかへ出かけるのは別に構わないし、俺は置いていってもらって構わないから
想像していた返事が返ってきた。果たしてこれを許してしまっていいのだろうか。これでは蓮が孤立していってしまわないだろうか。今度は私がダンマリになってしまった。
私
……ママは、旅行へ行くときは蓮と臣斗くんと一緒に行きたいと思ってる。みんなで行ったほうが楽しいし、思い出も増えると思うんだ。でも近所でご飯程度なら、蓮は勉強したかったり、ゲームしたかったりするだろうから強くは誘わない。それでも声はかけるから、行けそうなら一緒に行こう。それでどうかな?
蓮は黙って頷いた。根本的なこと、臣斗くんのことをどう思っているかについて、話すことはできなかった。蓮が臣斗くんを拒絶…とまではいかないが、今までの関係性とは違った感情で見ている。多感な時期だから、蓮なりに違和感を覚えて色々考えたんだろう。そう思うと今、2人の関係性を強制的に良好にさせることがベストだとは思えなかった。
しばらくこの話を臣斗くんに伝えるか迷ったが、一緒に考えてもらいたくてランチに誘った。蓮の話したことも、私の思いも包み隠さず臣斗くんに伝えた。

臣斗
しょうがないよね。中2なんていちばんホルモンのバランスも乱れるだろうし、体の成長も著しいし。心と体のアンバランスさに、自分だって訳もわからずイライラする時期だ。そこに実の父親でもない人にあれやこれや心配されて、LINE送られてきたら『ウザっ』てなるよ
私
それでもさ、仲良くいてほしいなとか思っちゃう。私のエゴなんだけどさ
臣斗
そんなことないよ。あんの思いも蓮はわかってるはずだよ。だからどうしていいかわからず、未読スルーするしかなかったんだ。既読にしたら返信しなきゃならないからね。もう少し時間がかかるかもしれないけど、この状況を蓮が受け入れられる日がちゃんと来るよ。大丈夫。それまでそっと見守るのも親の勤めじゃない?
この状況を俯瞰して、自分の感情を出さずにアドバイスできる臣斗くんをただただ尊敬するしかなかった。「本当にこの人と再婚できて私は幸せだ」と噛みしめた矢先、臣斗くんのスマホが鳴った。アイスコーヒーを飲みながら視線を移すと、そこにさっきまでの穏やかな表情はなく、血の気が引いて真っ白な顔の臣斗くんがいた。
画像:(c)Adobe Stock

あおいあん
8年間シングルマザーで、40歳を迎える前に「もう一度、女としての人生を!」と一念発起し、5歳年下の男性と再婚(事実婚)。中学生になった息子と、伴侶を亡くした父親と実家暮らし中。
▶︎インスタグラム:@shinmama_aoian



