暖色寄りの【ココアブラウン】と爽やかな寒色系【ミントベージュ】。相反するそれぞれの魅力を検証
春カラーのトレンドは? 人気サロン「Garland」の美容師、柏倉智紀さんに詳しく解説していただきます。
「以前から引き続きオーダーが多いのはミントベージュです。くすみのある透け感がおしゃれに見え、肌を白く見せてくれる効果があります。
最近ジワジワと人気を上げてきているのがココアブラウン。暖色は敬遠されがちでしたが、髪にツヤが出てまとまりよく見えることで取り入れる方が増えています。今までグレージュやアッシュ系など寒色系にしていた方が、ベースはそのままにココアブラウンを足すと赤みが程よく中和され、ほんのりとまろやかさが出て柔らかい印象に。季節が変わる今、新しいなにかを試すのも気分がアガりますよね」
さっそく2色の実例を紹介します。
◆肌を明るく見せてくれて色持ちがいい! イチオシの【ココアブラウン】

「ブラウンベースなので赤みのある色と思われがちですが、実際は赤みは少なく髪を柔らかく見せてくれる質感カラー。とてもツヤが出やすく、美髪に憧れている方はぜひ試していただきたいです」(柏倉さん)
肌なじみがよくパーソナルカラーを限定しないこと、明るすぎないため色持ちがいいのも人気の理由なのだそう。

−−このスタイルについて
落ち着いた8トーンのココアブラウンのワンカラー。暖色のブラウンと寒色のベージュをミックスさせ、赤みを消しながらしなやかに見える色味にします。ストレートヘアに合わせるとより一層ツヤツヤに。
カットのベースは鎖骨ラインの切りっぱなしロブ。目元で作ったシースルーバングを合わせ、抜け感を加えて。量をすきすぎると広がってしまうため、量感調整はバランスを見ながら行います。
ストレートアイロンで裾は外ハネに、顔周りも外に流れるように巻いたら、オイルを薄くなじませてコームを通してでき上がり。
−−モデルの髪質&顔型データ
髪質:硬さ、太さ、量すべて普通
顔型:卵
担当/Garland スタイリスト 長島明歩さん(Instagram:@akkiy_1116)
◆くすみすぎず抜群の透明感が出る寒色系カラーの【ミントベージュ】

「印象的な透明感を出したい人におすすめのカラーです。寒色系の中でもミントは特に軽さのある色。春らしく、ソフトな軽やかさを演出できます」(柏倉さん)
同じグリーン系でもオリーブベージュは緑みをしっかり入れますが、ミントベージュはベージュベースに緑がほのかに感じる程度。そのためくすみすぎることなくナチュラルな色みになります。

−−このスタイルについて
明るめの10トーンのミントべージュでワンメイク。髪の赤みを緑みで打ち消し、透け感をもたらします。大人っぽくこなれた印象も堪能できるカラー。
スタイルは鎖骨下のミディアムべース。やや長めに作った前髪は、流しやすいように少し段差をつけてカットます。顔周りを中心に顎下からレイヤーを加え、シャープな毛流れに。まろみのあるカラーとのバランスがちょうどいい。
全体にちょっと丸みがつくようにストレートアイロンを通したら、オイルを髪の内側からなじませて束感を出して。
−−モデルの髪質&顔型データ
髪質:硬さと太さは普通、量は多め
顔型:丸
担当/Garland GINZA デザイナー 中平秀人さん(Instagram:@garland_nakasan)
インナーカラーとルーツカラーがドッキング。2トーンを自然に見せる【インナーシャドールーツ】
デザインカラーの代表格であるインナーカラーが進化したもので、根元の色を変えるルーツカラーとのコラボでより自然な見え方になるのが特徴。インナーカラー+シャドー(影)ルーツ(根元)という意味で、内側は明るいものの根元は暗くなっているデザインです。
「これは特に、インナーカラーをやってみたいけれど目立ってしまうのはちょっと…という大人世代の方や職場的に目立すぎる髪色にできないにおすすめです。根元が暗めなので顔周りも暗くなり、目立ちすぎないばかりでなく顔周りが締まって小顔効果も。結んだときには毛先だけにニュアンスが出て、おしゃれに見えるのもポイントです」(柏倉さん)
◆同系色を使いトーン差で変化をつける【ベージュ系インナーシャドールーツ】

「全体のベースカラーもインナーカラーもベージュ系で統一させると、まとまりよく仕上がって大人でも取り入れやすいです。ゆるっとしたウエーブスタイルとの相性がいいですよ」(柏倉さん)
インナーカラーの根元が暗くなっているため(インナー部分がグラデーションのようになっている)、根元がのびてきても気になりません。耳にかけたときやシンプルなアレンジをしたときにインナーカラーが出てきて変化があるため、見せ方が広がります。

−−このスタイルについて
カラーのベースは8トーンのベージュブラウン、インナーカラーはミルクティベージュ。インナーは根元から毛先まで1回ブリーチしてトーンアップし、根元だけ暗めのトーンでオンカラーします。
長さは胸上のセミロング。前髪は眉下で薄めに作り、流れるようにカットします。全体に低めのレイヤーを入れ、動きが出るようにコントロール。スタイリングはアイロンでゆるめのミックス巻きにし、前髪のみ内巻きのワンカールに。少量のオイルをなじませ、片サイドを耳にかけてインナーカラーが見えるように整えます。
−−モデルの髪質&顔型データ
髪質:硬さと量は普通、太さは細め
顔型:卵
担当/Uil デザイナー KANAさん(Instagram:@uil.kana)
構成・文/斉藤裕子

Garland GINZA ディレクター 柏倉智紀さん
美容師歴21年。ひとりひとりにベストなヘアスタイルを提案し、雰囲気をアップデートさせてくれる名手。分野を絞ることなく総合的な知識が豊富なため、肌がキレイに見えるカラーや扱いやすい前髪、髪悩みとのつき合い方お手入れ方法など、髪にまつわる幅広い相談に的確なアドバイスにも定評あり。
Instagram:@kashiwagura_tomonori

SALON:Garland GINZA(ガーランド ギンザ)
住所:東京都中央区銀座3-8-10 銀座朝日ビル5F
電話:03-6280-6035
営業時間:火〜木11:00~20:00、金11:00~21:00、土10:00~20:00、日祝10:00~19:00
定休日:毎週月曜(月曜祝日の場合は火曜に振り替え)
公式サイト