『かしましめし』は、ただの“グルメドラマ”じゃない。同世代のアラサーの方にこそ見てほしい作品です
現在放送中のドラマ『かしましめし』（テレビ東京系）は、美大を卒業後、同級生の自死をきっかけに再会したアラサーの男女3人が、それぞれの人生に悩みながらも、みんなで集まっては賑やかな“おうちごはん”を囲み、やがて一緒に暮らしていくようになる物語。
自死をした同級生の元カノ・千春役に前田敦子さん、自死した同級生が所属していたラグビー部の元マネージャー・ナカムラを成海璃子さん、そして自死した同級生の元カレ・英治を塩野瑛久さんが熱演。
思わず頷いてしまうほどの共感度抜群のセリフと、作中に出てくるおいしいレシピの数々にファンも多い本作、1話放送後から話題沸騰！ 塩野瑛久さんにSpecialインタビューを行いました。
─── ドラマ『かしましめし』の出演が決まったときの心境を教えてください。
「すごく楽しみだな」という感情がまず先にきましたね。お話をいただいて、すぐに「ぜひやりたいです！」とお返事しました。
─── 同級生3人が人生に悩みながらも一緒に“おうちごはん”を囲み、一緒に暮らしていく姿を描く物語ですが、共演した前田敦子さん、成海璃子さんの印象は？
あっちゃんは、よくテレビで見ていた存在なので、いい意味で印象が変わらない部分もありつつ、意外とおちゃめなところもあって。優しい一面もたくさんあって、いろいろ質問をしてくれるし、あっちゃんのおかげで撮影が楽しくできているなという感覚がありますね。璃子ちゃんはお芝居でしか拝見したことなかったのですが、意外な一面がたくさんありました。どういう経緯だったか忘れてしまいましたが、『おジャ魔女カーニバル!!』をみんなで歌いました(笑)。そういうときに、いちばんテンション高く歌うのが璃子ちゃんで、年上で先輩ではありますが“かわいらしいな”と思った一面でしたね。とてもユーモアのあるふたりで、すごく楽しいです。
─── 演じた英治と似ている部分はありますか？
明るく涙もろい英治に似ている部分は、意外と少ないかもしれないです。英治のように明るい雰囲気の持ち主かと言われたら、僕自身はそうでもないですし、涙もろさは僕にもあるとはいえ、英治ほど感情が入りやすいタイプではない。ただ、不思議と気持ちはよくわかるというか、スッと入ってくる人間性ではありますね。
─── どの部分で特に英治に共感されましたか？
特に前半の回で、英治の発言ひとつひとつに共感しました。英治が生きてきた人生が感じられる瞬間があって、役づくりというよりも“英治がどのように生きてきたか、どんなふうに考えていたか”というのが脚本からすごく伝わってきました。きっと視聴者の方も同じように思ってくれるんじゃないかなと思います。これまで台本に描かれていない部分を自分で想像して構築しながら演じることが多かったんです。でも、今回はありがたいことに、英治のストーリーがしっかりと描かれていて、そういう意味でも英治の思いや考えがスッと入ってきました。
─── 撮影で印象に残っているシーンは？
主人公3人で部屋で過ごすシーン。部屋というある意味ワンシチュエーションのような限られた空間で一日通して撮影するので、やはり印象深いですね。台本を読む中で、名言と言ったら安く聞こえますが、ひとりひとりの言葉が刺さる瞬間は部屋の中で起きる。3人はかけがえのない友人であり、同居人で本音を言い合える間柄です。一方で、それぞれに外の世界で関わってくる人物がいる。心のもっていき方の主軸は、やっぱり外の世界なんですよね。意外と周囲の人物とのコミュニケーションや何気ないやりとりも大事だなと僕は思いましたね。たとえば、英治は恋人とうまくいっていなかったり。まだそのシーンは撮影していないですが、その恋人との関係性こそが英治にとっては大事なんだろうと思う。そして、その先に出会う人物たちも、英治の中でキーポイントになっていくので、それを忘れずに演じていきたいです。
─── 本作の塩野さん的オススメポイントは？
おいしそうなごはんはもちろん見どころのひとつ。深夜帯にこのドラマを観たら、間違いなくお腹が空く“グルメドラマ”になることを確信しています。そして、それだけじゃないヒューマンドラマがたくさん敷き詰められています。あえて言葉を選ばずに言うと、“全てにおいて無理していない、ドラマチックじゃない”等身大の人間たちがそこにいる感覚で描かれています。それぞれが自分という人間のあり方を確立していて、でもときには悩んで、周りの環境や恋愛、仕事に揉まれながら生活している日常がリアルに垣間見える作品なので、3人がたくさん愛されるドラマになったらいいなと思います。
─── 現在28歳で、世間的にはちょうど働き盛りで結婚や転職など人生の帰路に立つ年頃だと思いますが、仕事で悩んだときはどうやって解決していますか？
とりあえず“実行”することが多いです。まずは頭の中で考えて、自分の中で出している答えを一旦行動に移してみる。もし、行動するまでに少し時間があったら、それを誰かに宣言します。「僕、こうしたいと考えてるんだよね」という相談ベースではなくて、「僕、こうしようと思う」って言いきって「おう、頑張れよ」という言葉を待ちます。“人に言ったからにはやる”というスタンスでいます。
─── じゃあ、アドバイスを求めるというよりは背中を押してもらいたい気持ちで、聞いてもらうことが多いんですね。友人、家族、仕事仲間など、どなたに背中を押してもらうことが多いですか？
友達です。基本的に反対意見は出ないですね。恐らく「いや、それ違うよ」と言わせる隙がないくらい、答えは僕の中で決まっているから。自分の道は自分でつくらないと、誰も守ってはくれないと思っているので、「僕はこうする！」と宣言して突き進むのみです。
─── ここからは、一問一答のQ&Aを10問答えていただきます。まずは、ドラえもんのひみつ道具の中で、ほしいアイテムは？
これはもう“どこでもドア”。やっぱり仕事の移動で使いたいですね。恐らく毎日使います(笑)。
─── 冷蔵庫の中に必ず入っていてほしいものは？
“プロテインバー”。小腹が空いたときや甘いものがほしくなったとき、冷蔵庫に“そいつがいる”と思えると安心します。
─── 携帯のホーム画面は、何に設定していますか？
今は無地の紫。理由は特にないのですが、朝昼夜で色が変わるように設定しています。お昼は紫色ですが、夜はもっと暗くて黒っぽい濃い色になって、朝はオレンジっぽい色に変わります。
─── 最近ときめいたことはありますか？
毎日うちの愛犬にときめいていますよ（とびっきりの笑顔）。特にかわいいなと思う瞬間？ えーもういっぱいありすぎてわからないです！ ちなみに犬種はトイプードルです。
─── この春にしたいファッションはありますか？
この春にしたいファッションは… 全く決めていないです！
─── 服は当日の朝考える派、前日に考えておく派、どっちですか？
朝に決めています。多少は気温も気にしますが、起きたときの気分で決めることが多いですね。
─── ご自身で思う“長所と短所”を教えてください。
（考えすぎるところと）考えすぎるところ！ 長所でもあり、短所でもあります。
─── みんなが知らない秘密を教えてください！
みんなが知らない秘密ですか…（しばらく考えて）只今、頭が回っておりません…(笑)。
─── 自分の機嫌をとるために心がけていることはありますか？
睡眠。理想の睡眠時間ですか？ そのまま目を覚まさなくてもいいんじゃないかなというくらい睡眠欲がある(笑)。学生時代、すごく印象的だった睡眠にまつわる事件があって…。朝方まで友達と過ごした後に、家に帰ってそのままベッドにダイブして目を瞑ったんです。それがちょうど身支度しなきゃいけない時間だったことを明確に覚えています。「8:00だから起きなきゃ。一瞬気を失ってしまった…」と起き上がったら、時計はまだ8:01。でも、実際は12時間経った20:01だったんです(笑)。僕からしたら目を瞑った一瞬の出来事だったのに、外はもう真っ暗になっていて、その部屋の光景がすごく印象的でした。
─── これだけは譲れない！ という食事でのマイルールがあれば教えてください。
サラダを最初に食べる。実は最近、アボカドを好きになりました。ちょっと前までは、よくわかんない形してるし、食感も苦手！ と思っていたんです(笑)。でも、食べなきゃいけないシチュエーションがあって、いざ食べてみたらおいしいと思えてそれを機に克服しました。
WEB Domaniでも塩野瑛久さんのインタビューを公開！ ドラマ『かしましめし』についてはもちろん、料理にまつわるエピソードや子供の頃の思い出などについて全てOggiとは異なるカットが掲載されていますので、ぜひそちらもチェックしてくださいね。
ドラマプレミア23『かしましめし』
テレビ東京系 毎週月曜夜11:06〜
心が折れて仕事を辞めた千春（前田敦子）。婚約破棄されたばかりのナカムラ（成海璃子）。恋人との関係がうまくいかないゲイの英治（塩野瑛久）。同級生の自死をきっかけに再会したアラサーの同級生3人は、それから定期的に集まってご飯を食べるうちに、一緒に住むようになる。仕事でやりきれないことがあっても、恋愛で挫けても、“美味しいごはん”をみんなで分け合えば、救われる。そんな3人の、愛おしくも“かしましい”日常生活を描いた物語。
俳優
塩野瑛久（しおの・あきひさ）／1995年1月3日生まれ。東京都出身。175cm。劇団EXILEのメンバー。さまざまな役を演じ分ける個性派俳優として、ドラマ、映画、舞台と多方面で活躍する注目株。現在放送中のテレビ東京系 ドラマプレミア23「かしましめし」（毎週月曜 夜23:06〜）に出演中。5月5日によみうり大手町ホールで行われる朗読劇「私の頭の中の消しゴム 14th Letter」に出演。
公式Instagram：akihisa_shiono_official
撮影／黒石あみ 構成／佐々木怜菜
