人気スタイリスト金子綾さんの「おしゃれ」がブレない理由
ライフスタイルよりもシンプルに自分の体に向き合っておしゃれを楽しみたい
カットソー/カレンソロジー パンツ/ロエフ めがね/モスコット
年齢を重ねて、子供がふたり生まれて… 10年前とは日々の暮らし方はだいぶ違うけれど、振り返るとそこまで私のおしゃれって変わっていないんじゃないかなと思います。
もちろん、昨日までのおしゃれがフィットしなくなったと感じることもあります。でも、妊娠しているから、子供がいるから… というライフスタイルの変化だけを理由にして自分の服のテイストをガラッと変えることはしません。
そういう線引きに興味はなくて、どちらかというと、服を着こなす自分の体の状態にフォーカスしたいなというのが正直なところ。
暮らしが変わっても、おしゃれに関するスタンスは変わらない。自分軸であることが大事
昨年末に次女が生まれるまで、まんまるのおなかと過ごした2度目のマタニティ期。
妊婦の体だからこそ同じ服も違う印象になったり、ふだんとはひと味違う組み合わせ方ができたり、クローゼットで眠っていたアイテムを引っ張り出してみたり… と新鮮な気持ちでワードローブに向き合うことができました。
そして今、「かっこよく服を着こなしたい!」という気持ちがまたふつふつと湧いてきています。
40代に入ると、産後、体型を戻すのはかなり大変…。でも、できるだけ服をきれいに着こなせるよう、ストイックに自分の体に向き合っているつもりです。
どうしても全体のシルエットが丸みを帯びてくるなど年齢のサインに関しては、首周りのデザインやサイジングなど、細部をちょっとずつ似合うものに替えて調整をかけています。
服選びの基準は、自分自身が心地よくて一日ハッピーでいられること
今の自分に何が似合うかについてジャッジしてみる
Tシャツ/マディソンブルー スカート/マディソンブルー バッグ・靴/ザ・ロウ 時計/ロレックス リング/ティファニー
そういえば、30代半ばで長女を産むまで、ヒール靴しか履かない! なんていう時代もありましたけど、トレンドの後押しもあり、今は、体の心地よさを優先してフラット派に。
ヒールの高さはスタイルUPの狙いもあったのでそのぶんを、ボトムをハイウエストにして補う。そういうプランBを用意するのも大事。
今までのおしゃれをあきらめるというわけではなく、あくまでアップデートしていくくらいの気持ちで!
Oggiに携わるようになって15年程になりますが、「昔の誌面でのスタイリングを見ても古く感じない」と編集部スタッフに言ってもらえるのは、きっとシンプル&ベーシックなおしゃれが好きだから。これからもこまめに更新しつつ、ずっとブレずに着こなしの軸になっていくはず。
「これが着たい」よりも、着たときに自分をよりよく見せてくれるかどうか
ママだから、この年齢だから… と頭でっかちになりがちですが、言い訳はとりあえず脇に置いて、まず、鏡に全身を映してみることからスタート。
そして、客観的に見て、今の自分にいちばん何が似合うかについてジャッジしてみる。これがいちばん大切なことだと思うんです。シンプルなことだけど意外と忘れがちなことかも。
新たに服を買うときは、これが着たい、というよりも、着たときに自分をよりよく見せてくれるかどうかが、アイテムのセレクトの絶対的な基準に。慣れてくると、秒で判断できるようになります(笑)。
そうやって選んだ服は心地よくて、一日をハッピーにしてくれるような気がしていて。そんな私の着こなしを、娘も好きでいてくれているようです。
2022年Oggi8月号「スタイリスト金子 綾 ブレないおしゃれのキーワード10」より
撮影/金谷章平(人物)、渡辺修身(静物) スタイリスト/金子 綾 ヘアメイク/木部明美(PEACE MONKEY) 構成/菅 博子、堀 由佳
再構成/Oggi.jp編集部
スタイリスト 金子 綾(かねこ・あや)
1979年生まれ。2児の母。26歳のときにOggiでのキャリアをスタート。数多くの女性誌で活躍する人気スタイリスト。Oggiでの連載「スタイリスト金子 綾のMY BEST BASIC♡」も好評。Instagram:@ayaaa0707