末永幸歩さんってどんな人?
今回紹介するのは、美術教師・末永幸歩さん。フリーの美術教師として各地の学校をまわり出張授業を行っている。
図工や美術は「自分の疑問を大切にして、自分だけの答えをつくる教科」だと語り、美術の技法や知識以外のことも教えている。
そんな常識にとらわれない考えを身につける彼女の授業は、美術界のみならずビジネス界からも注目を集め「新規事業を進めるための発想法が学べる」とワークショップのオファーも後をたたない。
美術教師になった理由とは–?
父親がイラストレーターという家庭に育ち、幼いころから当たり前のように絵を描いていた。
武蔵野美術大学に進み、卒業後は中学の美術教師に。当時は主に作品作りの技法を教えていたが、美術教育を学び直すため大学院へ。絵の描き方や、出来栄えだけが重視される授業に疑問を抱くようになったという。
「作品の過程にフォーカスした形があっても良いのでは」と思った彼女は“アート思考”の授業を始め、昨年、出産を機にフリーの教師に。
末永幸歩さんの「7つのルール」
さて、そんな彼女が「いつもしている7つのこと」=「セブンルール」とは…?
■1. 授業の題材には問題作を選ぶ
彼女が授業の題材に選ぶ作品は、リアルを無視した色使いの肖像画や、「美しくあるべき」というアートの常識を覆した作品ばかり。それらを通して、自由な考え方を養うのが狙い。
■2. まず“当たり前”を描き出す
授業では、まずはじめに“当たり前”を描き出した後、そこにある常識や前提を疑って、自分なりのものの見方であらためて世界をとらえて作品を生み出させる。これが発想の殻を破る第一歩。
■3. クレヨンは巻紙を剥がして使う
美術で培った自由な発想を、自身の子育てのルールにも反映させている彼女。子どもが使うクレヨンは、まず外側の巻紙を剥がすことで、使う色や描き方といった常識を壊すようにしている。
■4. 子どもの真似をする
子どもがしていることは、まず自分も真似をしてみるのが彼女のスタイル。子どもがどうやって物事に出合っているのか知りたいし、物事に対する新しい見方や側面を教えてもらえるから。
■5. アート鑑賞では解説しない
アート鑑賞では、作者の考えや背景、また評論家の評価などはほとんど解説しないのが彼女のスタイル。誤読でも良いから、作品の情報にとらわれずに参加者の自分なりの感性や答えを探っていく。
■6. 感想は全部読む
いまでは企業の講演も行っている彼女だが、授業をした生徒たちの感想は、すべてに目を通すのがルール。たとえ否定的な意見であっても、彼女にとっては新しい見方を得るツール。
■7. 作品の完成度は求めない
彼女の授業では作品の完成度は重視せず、その作品を作る過程でどんなことを考え、自分にどんな変化があったのか気づいてもらうことに価値を見出す。そしてその自分の探究の過程を大事にすると、自然と他者への理解も生まれると信じている。
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次回の放送は、2月1日(火)よる11時00分〜。新宿・歌舞伎町にある「東京ミステリーサーカス」を運営するSCRAP執行役員・きださおりさんを紹介!
謎解きブームをけん引してきたSCRAPの執行役員も務めると共にコンテンツディレクターとしてゲームやイベントを制作する彼女のルールとは?
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