【目次】
・菊の花言葉
・色別の菊の花言葉
・菊の花言葉に怖い意味はある?
・菊の特徴や種類
・最後に
菊の花言葉
皆さんは、菊と聞くとどんなことをイメージしますか? 花びらがたくさんあって、日本では皇室の紋章に使われていて、パスポートにも描かれていて、食用もあって… など、人によって菊に抱くイメージが異なるかもしれませんね。
菊は、日本を代表する花のひとつです。もともとは中国から伝わったとされており、大菊、中菊、小菊と菊の大きさによって分けられます。
また、様々な色の菊があり、それぞれ花言葉が異なるのが面白いですよね。色別の花言葉を紹介する前に、菊全体の花言葉について説明します。
菊そのものの花言葉は、「高貴」、「高潔」、「高尚」です。皇室の紋に定められたことが菊の花言葉の由来となっています。
そもそも、菊が皇室の紋章に定められたのは、鎌倉時代の後鳥羽上皇の御代くらいからとされており、後鳥羽上皇が自作の刀に菊の銘をつけるほど、菊の姿や形に好んでいたことが理由のようです。
色別の菊の花言葉
続いて、それぞれの色ごとの花言葉についても紹介します。色によって持っている意味が結構異なるため、驚かれる方も多いかもしれません。
黄色の菊
黄色の菊の花言葉は、「わずかな愛」、「破れた心」、「長寿と幸福」です。よく見かける黄色い菊にこんな意味があったなんて、意外ではないでしょうか。西洋においても「slighted love(軽んじられた恋)」というのが黄色の菊の花言葉です。
黄色い花には悪い意味の花言葉がつけられることが多いですが、菊もその一例になります。
白い菊
白い菊の花言葉は、「真実」、「慕う」、「誠実な心」になります。西洋だと「truth(真実)」。最近では、結婚式のブーケに用いられることもあるようです。花言葉と相まってクリーンなイメージですね。
赤い菊
赤といえば、愛のイメージ。その通り、赤い色の菊には、「あなたを愛しています」という直球の花言葉が付けられています。とはいえ、菊の赤は、紅と言った方がしっくりくるかもしれません。濃い紅色の菊には「愛情」という意味があるのです。
また、鮮やかな紅色の菊は、お着物や振袖の柄に用いても非常に映えるため、よく使われます。
紫の菊
紫色は、古来日本では高貴な色とされてきました。聖徳太子が定めた「冠位十二階」からも、そのことをうかがうことが出来ます。紫色は、染色する際に技術と手間のかかる色だったこともあり、一番位の高い人が紫色の召し物を着ていたのです。
このことから、紫の菊にも良い意味の花言葉がついています。紫の菊の花言葉は、「私を信頼してください」、「夢がかなう」、「恋の勝利」です。
自信に満ちた花言葉として、プレゼントだけでなく、自宅に飾るのも良いかもしれませんね。
ピンクの菊
ピンク色の菊の花言葉は、「甘い夢」です。鮮やかなピンク色の菊は可憐で可愛らしく見えます。まさに、菊が恋しているかのように見えるほどのピンク色で、ぴったりの花言葉と言えるでしょう。
菊の花言葉に怖い意味はある?
菊の花言葉には、怖い意味が含まれていると思われる方が多いようですが、実際は先ほど取り上げたように、特別怖い意味はありません。お仏壇やお葬式で見かけることが多いため、死と関連付けられてイメージが先行してしまうようです。
お葬式などで菊が選ばれるのには、実用的な理由があります。
一つ目に、菊は日持ちするため、お墓のお供えに適していたということが挙げられます。また、電照栽培によって、いつでも手に入れることが出来るため、お墓参りに行こうと思った時にすぐに用意できるという点も大きいです。
二つ目に、片付けが容易だということが挙げられます。菊は枯れた際に散らかりにくいため、周囲のお墓に迷惑をかける心配がないため、重宝されているのです。
三つ目に、縁起が良いとされているところです。中国では、物事を陰と陽に分けるという考え方があります。この考え方に則ると、奇数は陽、偶数は陰と捉えられます。陽のもっとも大きい値である9が重なる9月9日を重菊の節句、もしくは菊の節句というのです。
そして、陽の極数が重なり、陽の気が強すぎるのは不吉とされていたため、この時期に満開になる菊が、そのエネルギーによって邪気を払うと考えられてきました。そのため、菊は長寿をもたらす縁起の良い花とされているのです。
上記のような理由によって、菊がお墓参りやお葬式の際に用いられるようになったとされています。決して不吉な意味からではなく、ポジティブな意味で用いられてきたことが伝わったのではないでしょうか。
菊の特徴や種類
菊は日本原産だと思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、古来、中国よりもたらされた花とされています。また、日本だけでなく、ヨーロッパでも流通しており、世界中で品種の改良が行われているため非常に多くの種類があります。
中国において、菊は薬用や食用として扱われてきました。8、9世紀頃、日本にに入って来てからは、主に観賞用として栽培されています。しかし、今でもお刺身に小さな菊が添えられていたりするので、食用と聞いても驚きは少ないかもしれませんね。
また日本では、江戸時代頃から菊の品種改良が盛んに行われてきました。特に日本でつくられた品種を「和菊」と呼びます。「江戸菊」や「嵯峨菊」、「美濃菊」などの古典菊が有名です。一方、欧米が独自に品種改良した品種を「洋菊」と呼んで「和菊」と区別しています。
日本の大菊のほとんどは、花びらの裏の色を鑑賞します。ですので、派手な色の菊はあまりありません。しかし、洋菊は花びらの表側を見せるように栽培するため、花びらそのものが鮮やかな菊が多いのが特徴です。また、洋菊は小ぶりなものも多く、プランターで栽培するのにも向いています。
最後に
菊は「日本」というイメージが強い花に感じますが、元々は中国からもたらされたものと聞いて、驚かれた方も多いのではないでしょうか? 今では欧米やヨーロッパにまで普及している人気の花です。
菊は太陽の光を好む植物なので、自宅で育てる場合は、日当たりのいい場所で育てるようにしてくださいね。ガーデニング初心者の方は、洋菊のポットマムやガーデンマムがおすすめです。秋によく出回っていますので、菊を育ててみたい方はお花屋さんなどで探してみてください。
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