【目次】
・アサガオの特徴や種類
・色によってちがうアサガオの花言葉
・アサガオの名前の由来
・最後に
日本でも古くから文学に、名前が出てくるアサガオ。早朝に花を咲かせ、昼には萎んでしまう可憐なお花です。小学生の頃育てた記憶のある方や、エコでグリーンカーテンとして栽培されている方などもいるでしょう。今もなお多くの人に愛されている花ですね。そんなアサガオの花言葉を、特徴や種類、名前の由来と合わせて、色別に紹介していきます。
アサガオの特徴や種類
皆さんよくご存じのアサガオは、ヒルガオ科サツマイモ属で、大半はつる性で不耐冬性一年草です。左巻きで、支柱になるものに巻き付かせないと、枯れてしまうこともあります。
熱帯アジア原産のニホンアサガオと、熱帯アメリカ原産のアメリカアサガオ(西洋アサガオ)を合わせて、アサガオ(朝顔)と呼んでいます。開花時期はニホンアサガオが主に7月から9月で、アメリカアサガオは8月から霜が出る頃までです。
一般的にアサガオは、ニホンアサガオを指し、アメリカアサガオは明治以降に日本に入ってきました。花弁は合弁と呼ばれる形状(ラッパのような形)で、曜と呼ばれる筋が一般的には5本入っていて、大輪花の中には7曜や8曜のものもあります。
ところで、アサガオは朝日が昇ってから咲くイメージがありませんか? 実は、夜明け前からすでに咲いているのです。そして、萎む時は、内側に巻き込むように萎みます。
アサガオが観賞用として広く日本で広まったのは、江戸時代。江戸初期の園芸書『広益地錦抄 (こうえきちきんしょう)』『花譜(かふ)』によると、色違いの品種はまだごくわずかでした。18世紀以降に様々な色のアサガオが爆発的に増えたことが当時の関係書物を紐解くとわかります。主に文化文政年間と嘉永年間に大流行し、『草木六部耕種法』によると、アサガオは270種類余りあったそうです。この種類の多さからも人気ぶりが、うかがえますね。
当初は青色しかなかった色も徐々に増え、白・紫・ピンク・褐色など淡い色から濃い色まで出てきました。単色の朝顔の他に、絞り模様の入ったものや覆輪のものも。葉の形も様々で、洲浜性や並性、えびす葉性や蝉葉性といった種類があり、色は淡い緑や黄色の斑が入っている斑入葉などがあります。
品種は今でも多く存在しています。名前を見ているだけでも風流! ニホンアサガオの品種の名前には、紫獅子、浜の春、相模の輝き、曙の光… 最近は、ツバメアサガオやサンスマイルといったものも出てきています。
アメリカアサガオの品種では、『風と共に去りぬ』の登場人物と同じ名前のスカーレットオハラや、ソライロアサガオとも呼ばれるヘブンリーブルーといったものが存在しています。育てる朝顔を、品種名から探すのも、楽しそうですね。
色によってちがうアサガオの花言葉
アサガオの花言葉は、「愛情」「愛情の絆」「結束」「明日も爽やかに」「私はあなたに絡みつく」などがあります。「愛情の絆」「結束」などは、ツルがしっかりと巻き付く様子から、連想されたのでしょう。
朝に咲く清々しいイメージにぴったりの花言葉が多い中、「私はあなたに絡みつく」はネガティブな印象を受けますね。アサガオのツルは支柱に巻き付かないと枯れてしまうことがあるので、生まれた花言葉のようです。
次に色ごとの花言葉を見ていきましょう。
青いアサガオの花言葉
青い色のアサガオの花言葉は、「儚い恋」「短い愛」です。物悲しくなる花言葉しかない青いアサガオ。早朝に咲き、昼頃には萎んでしまう短命な様子から生まれたのでしょう。
白いアサガオの花言葉
白い色のアサガオの花言葉は、「固い絆」「あふれる喜び」です。朝顔全般の花言葉と同様に、ツルが巻き付く様子から「固い絆」が、そして純白の白から連想されたと思われる「あふれる喜び」と、ポジティブな花言葉だけを持っていますね。
紫のアサガオの花言葉
紫色のアサガオの花言葉は、「冷静」「平常」です。実は正確な由来はないようですが、色彩心理学では「心を落ち着かせる色」「心身のバランスを整える色」として紫色を分類しています。おそらく、色彩心理学からつけられた花言葉なのでしょう。
赤いアサガオの花言葉
赤い色のアサガオの花言葉は、「儚い情熱的な愛」です。青いアサガオと同様、朝早く咲き、午後までには萎んでしまう儚いイメージと、情熱的なイメージを持つ色「赤」が合わさって、考えられたのでしょう。
ピンクのアサガオの花言葉
ピンク色のアサガオの花言葉は、「安らぎに満ち足りた気分」です。おそらくピンク色が「攻撃的な気持ちを和らげる色」「興奮を鎮める色」と言われていることから、つけられた花言葉だと推測されます。
アサガオの名前の由来
アサガオの名前の由来は、朝に咲き、昼には萎む、「朝の容花(かおばな)」から来ています。「容花」は「美しい花」という意味で、「朝に咲く美人」といったニュアンスになりますね。もともと、朝に咲く花を「アサガオ(朝顔)」といい、中には桔梗や昼顔まで含まれていましたが、江戸時代頃に現在と同じ区別に変わったようです。
アサガオは奈良時代末期または平安時代初期に遣唐使によって日本に伝わったと言われています。当時は花を愛でるのではなく、種を緩下剤などの薬として使用していました。4世紀ころに書かれた中国の医学書『名医別録』によると、それはとても高価で、当時は貴重な財産でもあった牛と交換しなければ手に入らなかった為、「牽牛子(けんごし)」と呼ばれていたのだとか。
江戸時代、花は「牽牛花(けんぎゅうか)」と呼ばれ、「牽牛」が七夕の彦星を指すことから、開いたアサガオを「朝顔姫」、またひときわ美しく咲いた時には、「年に一度の彦星と織姫の逢瀬が叶った証」と言われていたようです。とてもロマンチックですね。
最後に
幼少期から日本人には馴染み深い花、アサガオ。あまりにも身近過ぎて、なかなか種類や名前の由来、花言葉まで調べることは、なかったかもしれません。これを機会に、アサガオの花言葉を覚えて、気に入った花言葉の色のアサガオを育ててみるのも、一興かもしれませんよ。
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