社会派韓国ドラマの魅力をスタイリスト・川上さやかさんと語り尽くします!
緊急事態宣言の延長で、ますます“おうち時間”の過ごし方に注目が集まっていますが、僕はやっぱり韓国ドラマ観賞。昨春の『愛の不時着』『梨泰院クラス』ブームからの流れで、韓ドラにハマり続けています。とはいえ、最近はOggi世代の大好きな“胸キュン♡”“ラブコメ”とは一線を画した“社会派”な作品に夢中です!
『補佐官』『秘密の森』など、政界や警察、検察といった韓国の国家機関を題材にした骨太な作品を中心に観ています。こんな嗜好と合う人は、女性が多いOggi編集部関係者にはいないだろうなと思っていたのですが、まさかこんなに近くにいました!!
Oggiの人気スタイリスト・川上さやかさん。昨年末、そんな川上さんからオススメされたのが『ライブ〜君こそが生きる理由〜』(以下『ライブ』)です。
『ライブ』は韓国で最も忙しいと言われる「ホンイル分署」を舞台に、正義を守るため昼夜問わず、現場を駆け回り事件を解決する警察官たちの奮闘や苦悩を描いたヒューマンドラマ。
昨年、主演映画『82年生まれ、キム・ジヨン』が大きな話題を集めたチョン・ユミが新人女性警察官ハン・ジョンオを熱演。ジョンオの同期の新人警察官ヨム・サンスを演じるのは『花郎』で主演のパク・ソジュンの親友役を演じたイ・グァンス。主役の2人の教育係となる先輩警察官オ・ヤンチョン役のペ・ソンウや、その妻ジャンミ役のペ・ジョンオク、イケメン警察官ミョンホ役のシン・ドンウクなど、脇を固めるメンバーも演技派揃い。
川上さんに薦められるがまま観始めたら、もう号泣の連続!!
今回は、そんな僕、渡辺のハマリモノの魅力を推薦者の川上さんとの対談でお伝えしたいと思います。
最高のチームワークが魅力なホンイル分署のメンバーに入りたかった♡
渡辺:川上さんが『ライブ』に出合ったきっかけは?
川上:Netflixの視聴履歴から割り出す「マッチ度」で“98%”って出ていたので、試しに観てみたら、めちゃくちゃおもしろくて! 私の2020年No.1作品です!
渡辺:僕も川上さんに薦められて観てみたら、すぐにハマリました。『愛の不時着』より夢中になりました。ちなみに僕も「マッチ度」は98%でした。それ以降はあたかも自分が見つけたかのように友人に薦めています(笑)。川上さんの思う『ライブ』の魅力は?
川上:普通の警察ドラマって、「犯人を捕まえるためだったら命も惜しくない」みたいなカッコいい部分を描くじゃないですか? でも、『ライブ』は「銃を持った凶悪犯が怖い」「現場に押し付けられる理不尽な要求への怒り」とか、警察官の心の内側を描いていて、「警察官だって人間だから、そりゃ怖いよな」って共感できるところがいいんです。今、街で警察官の方を見ると、心の中で「ありがとうございます」ってお礼を言っています。
渡辺:主役の新人刑事2人だけじゃなく、ホンイル分署のメンバーはそれぞれ魅力的でしたよね?
川上:ホンイル分署の警察官たちは、普段はケンカしたり、出世を巡って嫉妬したりと、一見するとバラバラに見えるのですが、いざ事件が起これば、チームとして連帯感を持って事件解決に挑むんです。そして事件が解決したら、いつも不仲な人でも肩を組んで歌ったり、お酒を酌み交わしたり。あの団結したチームの中に入りたかったです♡
渡辺:僕もいつもは不仲なオ・ヤンチョンとチーム長のギョンもが事件解決後にハイタッチするシーンが好きでした!
川上:そういえば、渡辺さんのご実家は“警察一家”でしたよね? 渡辺家の食卓は『ライブ』みたいなんですか? ぜひ参加してみたい!
渡辺:いやいや、あんなに熱い会話は繰り広げられてないですよ…。でも、たまに父親は犯人に切られたという古傷とかを自慢してきますけど…(苦笑)。上司と部下の信頼関係も心に響きますよね?
川上:かつて先輩たちが“怒ってくれた”のは愛情だったんだって、この年齢になったからこそ身に染みます。だから、しっかり叱るときには叱って、部下が窮地に陥ったら絶対に守ってくれるキ・ハンソル分署長(ソン・ドンイル)は本当に頼りになりますよね!
オ・ヤンチョンが“真の主人公”でした!
渡辺:警察官の奮闘以外にも、この作品にはいろいろなメッセージがありましたよね?
川上:私がいちばんグッときたのは、夫婦愛、家族愛の部分でした。特にオ・ヤンチョン&ジャンミ夫婦の愛は心に残りました。離婚を突きつけられたオ・ヤンチョンが「きちんと働いて、家庭にお金を入れているオレのどこが悪い!」と居直っているのを見て、「そこじゃないのに!」って苛立ちました。
渡辺:同じ男性として耳が痛い話です(涙)。僕も不用意な発言でよく妻に叱られるので、ヤンチョンを見て、自分の言動を見つめ直しました。
川上: ヤンチョンは途中から徐々に心を入れ替えていくじゃないですか!? 変わっていくヤンチョンの姿が素敵で。ヤンチョンはいろいろな意味でも、このドラマの“真の主人公”だと私は思っています。
渡辺:そうですよね! ヤンチョンの不器用なんだけど、妻に対しても、仲間に対しても真っ直ぐなところが男としてすごく好きでした。
川上:そして、そんなヤンチョンの心を変えたジャンミの愛情の深さには頭が下がりました。ただそばにいるだけでパートナーの支えになれる部分には憧れます。いろいろ乗り越えると言葉はいらないんだなって。私なら絶対にいろいろ口に出したくなっちゃう。小さなことでイライラして別れてやるとかすぐ思いますから(笑)。でも、本物の夫婦愛はそういうことじゃないんだなって。自分が本当のピンチに追い込まれたとき、旦那さんの存在の大きさに気がつくのかもしれませんね。
渡辺:ネタバレになっちゃうからあまり詳しくは言えないですけど、僕はジャンミが傷ついたときに、ヤンチョンが冗談を言いながらジャンミを笑わせようとイチャつくシーンが好きでした。熟年夫婦のイチャイチャにこんなに心を揺さぶられるのかとビックリしました。川上さんが言うとおり、いろいろ問題を乗り越えた夫婦だからこそ醸し出せる愛のかたちなのかなと思いました。
渡辺:家族愛の部分はどこが?
川上:自分の年齢のせいなのかもしれないですけど、ジャンミと義父の交流がジーンときました。特に義父のステテコ姿には、なんだか自分の父親のことを重ねてしまって…。歩いている後ろ姿にも泣けてきました。自分の両親が年老いたとき、どうすべきかなど、いろいろなことを考えさせられました。この作品を観た私の世代の友人たちは、みんな同じようなことを言っていました。
渡辺:最後に改めて『ライブ』の魅力を教えてください。
川上:とにかく『ライブ』は、ただの事件解決ドラマではないんです! 警察という巨大な組織の中の末端で、葛藤しながらも現場で懸命に働く警察官だって1人の人間なんだと考えさせられる作品です。でも、観終わった後は爽快感もあるので、きっと仕事へのモチベーションを高められるOggi世代にもピッタリな作品だと思いますよ。
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本当はもっともっと『ライブ』の魅力を伝えたいのですが、これ以上はネタバレになってしまうので、この辺で…。
胸キュンドラマばかりではなく、ぜひおうち時間に『ライブ』をご覧になってください。
きっと仕事や家族、恋人への向き合い方が変わってくるはずです!
『ライブ ~君こそが生きる理由~ DVD-BOX1』16,200円(税込)
発売元:博報堂DYミュージック&ピクチャーズ/クロックワークス販売元:TCエンタテインメント
(c)STUDIO DRAGON CORPORATION
副編集長 渡辺裕一
読み物、エンタメ、ときどき… ファッションを担当する女性ファッション誌歴1年の新米編集。趣味は「デパ地下食べ歩き」と「韓ドラ」観賞。Oggi Parkでも趣味を活かしたフードコートを担当させてもらいました。2020年にハマったモノは「NiziU」と、とにかくメジャーなエンタメが大好きなアラフォーおじさんです。