ロックダウン終了後のパリ。人々はどう過ごしてる?
3月17日からフランス・パリで起きたロックダウンを受け、日本に一時帰国した筆者。5月11日のロックダウン解除を受け、7月上旬にパリに戻ってきました。7月といえば、パリはバカンスシーズン。世界中が新型コロナと闘い続けているなかで、今のパリはどんな状況なのか、レポートしていきます。
◆日本からパリへ。空港は… やはり人がいない!
7月1日、日本からフランスへ入国する渡航者への入国制限がフランス政府より解除。一方、日本政府は、7月20日の現時点では、フランスから日本への入国者へは「自発的に、2週間の自宅などでの隔離」を求めています。
2020年の夏はヨーロッパ旅行に、というムードではないようです。私が出国した7月上旬は、関西国際空港、パリのシャルル・ド・ゴール空港ともに、旅行者のような人はやはり見当たりません。免税店はもちろんカフェなどもオープンしておらず、ただただ静かな空間が広がり、活気ある空港の雰囲気が恋しく思えるほど、もの寂しさを感じました。
乗客は、空港内から着陸までしっかりとマスク着用。密が避けられない機内では緊張感があり、あまり眠れませんでした。
先ほど話した通り、フランスはEU加盟国や日本を含む一部の国々からの渡航者に対し、既に入国制限を解除しているので、検疫もなく入国することができました。(注:7月20日時点では日本に対し短期滞在ビザは発給されず、長期滞在ビザの発給のみ受け付けています)
▲エールフランスの機内アナウンスが可愛くて、思わずパチリ。レポすべき空港内の雰囲気の方をなんで撮らなかったんだと反省中。。
晴天が広がる夏のパリ。晴天を謳歌するパリジェンヌ&パリジャン
パリに到着後、時差ボケも無視でぐいぐいと街を散歩してきました。
そこで見かけたのは、街中でマスクをつけている人たちがあまりいないところ。電車やバスではマスクをつけることがルールなので、それは守られているようです。
どの店舗の店員さんも大体マスクをつけていました。映画館、薬局、一部のショップではお客さんにはマスクと手のアルコール消毒を要求。あとはそれぞれの判断に任せます! という雰囲気で、みんな夏のパリを謳歌しています。
切り替えの速さにやや驚きつつも、こんなにも美しいパリの晴天の日々にいると、「確かに夏を謳歌すべきだな…」と納得してしまうのでした。
追記:フランスでは7/20より、「閉ざされた公共の場所」でのマスク着用が義務化となりました。(閉ざされた公共の場所のはっきりとした定義については、政府からアップデートされていくようです)すべての商店や映画館、図書館、ホテルの共有部分などが新たに対象となる可能性があります。マスクをつける文化が根付いていないフランスでは、そのような措置が必要なのかもしれないですね。
▲カラッとした過ごしやすい気候は、ヨーロッパの夏の醍醐味。日向ぼっこを楽しむ人々を撮影しました。
新型コロナ前後で変わったこと!
2020年のはじめからパリに渡り、仕事をしていたので、新型コロナウイルスが流行する前後で変わったことを比べてみました。
・街全体が混んでいない(観光客の激減による)
・マスク姿の看板やストリートアートがちらほら
・公共交通機関や一部店内でのマスク着用がルール(先述の通り)
パッと思いついたのはこの3点。しかし、やはり変わらなさそうなのが、みんなの「バカンスへのパッション」。夏のバカンス、それはパリジェンヌ&パリジャンにとって仕事への大切なモチベーションであるので、みんな着々と用意をしている様子です。
また、観光業が経済的にキーポイントであるEU圏。それぞれの国が助け合いの意味でも、新型コロナとつきあいつつ国境をまたいだバカンスをとっていく姿勢が大切なのだろうと思われます。
▲2020年7月現在、美術館は予約制となっています。
▲ストリートアートもマスクをしっかり着用。
「新しい日常」は始まっている
▲夏の美しい空に元気付けられる、新たな日常の始まり!
一人一人が新型コロナを意識しつつも、ネガティブ意識を跳ね除けて夏を楽しもうとする姿勢が見られるフランス・パリ。一方でリスクが高いとされる高齢の方々は、自主的にマスクをしている方が多くいるな、と感じました。新たな日常を受け入れて、筆者自身も健康に乗り切っていきたいなと思います。
いよいよヨーロッパ全体がバカンス真っ盛りの時期に突入しますが、その雰囲気も、またレポートしていきたいと思います。誰もが笑顔で色々な国へ旅できる日々が、一刻も早く訪れますように!
大倉綾実(Ayami OKURA)
NYと東京でスタイリングとライティングを学び、2020年より渡仏。フランス語に奮闘しながら、ライター・スタイリスト・コーディネーターとして活動中。Instagram:@ayamiokura