みなさん、こんにちは。
「クズ紳士」こと相席スタートの山添寛(やまぞえ・かん)です。
<What’s about「クズ紳士」?→レディーファーストでスマートな立ち振る舞いをする一方、酒・女・ギャンブルにも精通するクズと紳士のハーフ。これぞ山添 寛最大のオリジナリティ!? クズと紳士の両面に精通するために、あらゆる男心を分析できるという特殊能力も完備している。>
こんな僕の戯言を垂れ流す連載を続けさせていただき、本当にありがたいことでございます。
「クズ紳士、読んでるよ」と声をかけられることも増えました。そして合わせてこう言われることも増えました。「クズ紳士やってて何かいいことあるの?」と。
はい、それはすごくいい質問です。実はあるのです。いいことが。
それは…「女性が好いてくださる」という点。はい、実際にクズ紳士が板についてきてから右肩上がりにモテさせていただいております(真顔)。
そこで今回は・・・「クズ紳士はなぜ女性にモテるのか」をテーマにお話させていただこうと思っております。
え? 暑さで頭がおかしくなったって? はい、そうかもしれません。しかし僕のこの戯言をしばしお聞きいただけないでしょうか。
クズ好きの女性の特徴とは?
ここ最近、僕は猛烈にモテます。
自分でも正直びっくりしています。
それは僕が「クズ」ないしは「クズ紳士」だとバレたことが影響していると思うのです。
普通、クズであるとわかれば女性は敬遠しそうなものですが、その反対なんです。これはどういうことなのか、僕を例に紐解いてみたいと思います。
今までの僕、つまりはクズ紳士だと世間が認識する以前の僕は、カッコつけていたつもりはまるでないのに、どこか「カッコつけている男」に見られていたような気がしています。
それは僕のこの感じ、こういうと恐縮なのですが、丁寧な物腰や言葉遣い、また女性を立てている態度、話をよく聞く姿勢などから、「気取ってる」「カッコつけている」「プライドが高そう」そして「紳士的」と思われていたのだと分析しました。
一見するとこういった男性はモテると思われますよね? 当然女性は紳士が好きな生き物であると。しかし違うのです。
一部の女性、詳しく言いますとあまり男性経験のない女性には確かに響くのですが、ある程度経験のある女性からはさっぱりなんです。
というのも恋愛経験の少ない女性は、男性にたくさんの期待を抱いていますので、いわゆる王子様や紳士に惹かれる傾向にあります。
しかしある程度恋愛経験を積むと、それだけでは物足りなくなっていくようです。
というのも、男という生き物がそんなに完璧な存在ではないことに気づくので、すてきな面だけを見せてくる男性に対し、逆に警戒したり「本音を見せてくれていない」と寂しくなってしまう…。
だからこそ、男の弱さとかクズさを見せることで、「私には素を見せてくれる」「人間味を感じる」「本当の姿を知ることができた」「かわいいかも」「私がいなきゃダメな人なのね」とクズな部分を見せることで愛情が高まるものなんです。
それを俗に「母性」と呼ぶのかもしれません。
その母性のおかげでこうして我々男という生き物は非常に恩恵を受けさせていただいているわけで… なんともありがたいことでございます。
もちろん、ただのクズじゃダメなのでございます!
でも、クズの部分に女性が本能的に惹かれるからといって、ただのクズではたいがいの女性は苦しみのあまり逃げ出してしまいます。
だからこそ、僕のような紳士要素もある、女性を幸せにすることも考える「クズ紳士」を好いてくださるのではないでしょうか。…調子にのった発言をお赦しください。
また偉そうにクズエピソードを語るクズに対し、女性は「痛いやつ」としっかりNGを出しますね。だいたい自らクズエピソードを披露する男なんて下品極まりないですし、そもそもが本当にクズなのでしょうか。僕はただの「ファッションクズ」だと思うんですよ。
本来、自分の中にクズ要素があるのを自覚できていたら謙虚になれるはずなんです。だってご迷惑をおかけしているわけでしょう?
だからイキがっているクズはクズでもなく、もはやただの単なる痛い男にすぎません。
女性に愛されるクズとは、地に足をつけた実直で誠実なクズ
であることが大前提なんです。
「クズ紳士」連載を始めてから変わったこと
そんなわけで僕は自らを「クズ」であるとアピールしたことはありませんでした。だから女性のみなさまが僕の本質になかなか到達していただけなかったというのがあるんだと思うんです。
しかしこの連載を通じ「クズ紳士」なことが表に出てきたことで、周りの友人も僕が「クズ」であることをネタにするようになってきました。
飲み会の席でも、僕のクズエピソードで盛り上がってしまう、ということがわりと増えまして…。
しかしながらこのようなクズバレした飲み会の席で「この中でつきあうなら誰」といったアンケートで負け知らずが続いておりまして。すみません、すみません、本当に申し訳ございません。つまりは… 申し訳ございません、大好評なんです。
そんなわけで、「クズ紳士」ということをカミングアウトするには十分なメリットがあることがおわかりいただけたでしょうか。
もちろんクズであることへの恥じらいを忘れず胸に刻み込み、これからもこの「クズ紳士」連載を続けさせていただければ幸いです。
僕のこのような戯言により、心にすーっと寒さ、否、涼しさをお届けできましたのなら残暑の折、本望でございます。
次回もこんな私の戯言に淑女のみなさまがお付き合いくださいますように。
撮影/菊竹規 構成/吉田奈美
山添 寛(相席スタート)
お笑いコンビ・相席スタートのツッコミ(ネタによってはボケも)、ネタ作り担当。男女の微妙な関係性やすれ違いを描くコント・漫才に定評あり。2016年M-1グランプリでは決勝進出も。令和に時代が代わったことをきっかけに「クズ紳士」な自分と向き合うように。