多くの女性が悩んでいるであろう、”冷え”。メディアでも冷え性対策として様々な方法が紹介され、いつも生姜紅茶を飲んだり、湯たんぽを肌身離さず抱えたりと、いろいろな対策をしている方がいると思います。
ですが、体は単純に温めれば済むという話ではなく、生活習慣が整っていると血液が末梢まで巡るので冷えがとれてくるのです。これも養生ですね。
「私、冷え性だな」と自覚している人は、食事が偏っているか、睡眠不足か、あるいは痩せすぎor太りすぎで体重体脂肪が適正じゃない。体脂肪が足りないと外気温からの影響を大きく受けるので冬は冷えますし、多すぎても血液が巡らないので冷える。
養生しながら自分の適正体重をキープしていることが、冷えない体を作るのです。
東洋医学では体が冷えている状態を「寒」と呼びます。
これは、体内の「気」が足りないことで起こるとされているんです。
「気」とは、ホルモンの作用や神経を伝わる電気信号、自律神経系の働きや精神活動などの一部を一括し、血液と一緒に体内を巡っている「命の力」そのもの。私はそんな風に理解しています。
そして、生まれつきこの「気」が強くて多い体質の人と、「気」が弱くて少ない体質の人がいるとされており、「気」の多い少ないの差があることを「実」と「虚」といいます。
「実」は体の中の「気」が多いこと、「虚」は気が少ないこと。
この生まれつきの体質によって、”冷え”も大まかに2タイプに分けることができます。
あなたはどちらのタイプでしょうか?
1.実寒タイプ
もともと「気」が足りている状態だったのに、体を自ら冷やすような生活習慣を続けてしまったため冷え性になってしまったタイプ。
体を自ら冷やすような生活習慣とは、いつも冷たい飲み物を飲む・クーラーの設定温度の下げ過ぎ・冬でも生野菜や果物をたくさん食べる・運動しない、など。
2.虚寒タイプ
もともと生まれつき「気」が足りず、冷え性だけでなく風邪を引きやすかったり自律神経失調に陥りやすい体質の人に多い。
また、実寒タイプだったのに生活習慣によって虚寒タイプに移行してしまっている人も多いです。
では実際に冷えを解消していくにはどうすればよいか。次回はこの実寒・虚寒のタイプ別に、対処法をご説明しますね。
【ポイント】
ただ体を温めるだけでは”冷え”は解消しない。
養生を実践しながら適正体重をキープすることが大事。
若林理砂
臨床家・鍼灸師。1976年生まれ。高校卒業後に鍼灸免許を取得。早稲田大学第二文学部卒(思想宗教系専修)。2004年に東京・目黒にアシル治療室を開院。著書に『大人の女におやつはいらない』、『その痛みやめまい、お天気のせいです 自分で自律神経を整えて治すカンタン解消法』、『夏冷えにサヨナラ!ペットボトル温灸術』など多数。https://www.asil-llc.info
DMMラウンジ「若林理砂のカラダ稽古部!」ではボディーワークを扱うオンラインサロンを開設中。Twitterアカウントは@asilliza