自分に似合う流行を見極めるプロであるスタイリストの実例を紹介。金子綾さん、川上さやかさん、縄田恵里さん、入江未悠さん、そして、アラサー世代スタイリストチームの「乗る流行」「スルーする流行」から、流行とのつきあいかたのヒントを探ります! 今回は金子綾さんの「乗る流行」「スルーする流行」です。
「乗る流行」は、私のコンプレックスを解消できるかが基準!
「158cmとそんなに高くない身長、ギャルっぽく見えやすい顔立ち、意に反して甘い印象の目…とこんなコンプレックスが私にはあります。体のラインも、昔とは違ってきますし。 私にとって洋服は、悩みがある自分自身をよりよく見せるためのものと言っても過言ではありません。なので、『流行に乗るか、スルーするか』も、スタイルがよく見えるか、甘く見えないか、自分好みのキレ味のある着こなしが叶うか、というフィルターを通して判断しています。ときには、見た目がすごく好み、というトレンドアイテムもありますが、自分の基準をクリアしなければ潔く諦めることも必要だと思っています!」
「乗る!」1.ブラウンのVネックニット
「一大トレンドカラーであるブラウンには、私も乗ります。しかし、ブラウンはほっこり見えがちな色。ニットでもタートルネックやクルーネックではなく、胸元に抜けが生まれ、キレよく着られるVネックに限定」ニット¥39,000(ドゥロワー 丸の内店〈ドゥロワー〉)
「乗る!」2.ハイウエストのワイドパンツ
「ハイウエストのワイドパンツは、バランスがよく見えるので、ここしばらくのMY定番。秋冬も好みのタイプが出ているので、私も取り入れたいと思います。ボリュームトップス合わせにもトライしたい」パンツ¥35,000(ミューズ ドゥ ドゥーズィエム クラス 表参道店〈エリン〉)
「乗る!」3.ビッグシルエットのダブルブレストジャケット
「久しぶりにジャケット人気の大復活を実感している今秋。コンサバなタイプは私の顔立ちに合わないので、カジュアルに着られるダブルブレスト&ビッグシルエットをチョイス。イメージは〝寅さん〟」ジャケット¥21,000(アーバンリサーチ 東急プラザ銀座店〈アーバンリサーチ〉)
「乗る!」4.ベルベット素材のキャミソール
「今シーズン豊富なベルベット素材には、かなりときめいていて、いろいろなアイテムで取り入れたいなと思っています。まず選ぶのは、キャミソール。春夏は、Tシャツ×キャミソールのレイヤードにはまっていましたが、その秋バージョンに活用したいです」キャミソール¥44,000(ミューズ ドゥ ドゥーズィエム クラス 表参道店〈ディオン リー〉)
「乗る流行」アイテム、今季私はこう着ます!
4を使って…
ベルベットのキャミソールと同色のニットをレイヤードして
「キャミソールに色っぽさがあるので、肌見せは減らし、マニッシュなアイテムを合わせます」キャミソール¥44,000(ミューズ ドゥ ドゥーズィエム クラス 表参道店〈ディオン リー〉)、ニット¥13,000(ビームス ハウス 丸の内〈デミ ルクス ビームス〉)、パンツ¥31,000(martinique Le Conte名古屋〈インコテックス〉)、バッグ¥23,000(アーバンリサーチ 東急プラザ銀座店〈ムーニュ〉)、靴¥24,000(プラージュ 代官山店〈ファビオ ルスコーニ〉)、メガネ¥33,000(プロポ デザイン〈プロポ〉)、〝ロレックス〟の時計/本人私物
3を使って…
カットソー&ワイドチノでジャケットをラフに着るのが私流
「きゃしゃなシューズや、小ぶりバッグなど、小物は女っぽいものを」ジャケット¥21,000(アーバンリサーチ 東急プラザ銀座店〈アーバンリサーチ〉)、カットソー¥4,000(ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ 渋谷公園通り店〈ビューティ&ユース〉)、パンツ¥16,000(ウィム ガゼット 丸の内店〈ウィム ガゼット〉)、バッグ¥25,000(メゾン イエナ〈ムーニュ〉)、靴¥32,000(ショールーム セッション〈EXTRAORDINARY JANE〉)、バンダナ¥2,500(AG バイ アクアガール〈AG バイ アクアガール〉)、ネックレス¥8,000(NOJESS)
2を使って…
女らしくエレガントなワイドパンツスタイル
「ネイビーのワイドパンツをチャコールグレーと合わせ、秋らしいシックな配色に。フルレングスで足元に抜けがないので、レースアップニットやメタリックバッグで軽やかさを加えて」パンツ¥35,000(ミューズ ドゥ ドゥーズィエム クラス 表参道店〈エリン〉)、ニット¥28,000(プラージュ 代官山店〈デザイナーズ リミックス〉)、バッグ¥10,500(Scrap Book〈Scrap Book〉)、 靴¥100,00(0 H.P.FRANCE〈MICHEL VIVIEN〉)、サングラス¥30,000(MOSCOT Tokyo〈MOSCOT〉)
「スルーする流行」はコレ!
A.プリーツスカート
「プリーツのボリューム感があるので、私の体型だとバランスが難しいんです。レザー素材ならアリかも」
B.アシメトリースカート
「身長が高くないため、スタイルが悪く見えそうで手を出しません。足元コーディネートも悩みそう」
C.ほっこり色の丸首ローゲージニット
「とにかく、ほっこりして見えるのが苦手。ローゲージもシャープな黒やVネックなら着ます」
D.ガウチョパンツ
「足首が見えていようが、ヒールを合わせようが、個人的には女っぷりが足りないと感じるので…」
【スタイリスト金子 綾さん】
ベーシックアイテムでつくる洒落見えコーデが話題。著書『a nuance〝 こなれニュアンス〟のつくり方』(小学館刊)、『Not Mania! THE DENIM BOOK』(KADOKAWA刊)も大好評。
2016年Oggi10月号『Oggiスタイリスト的「乗る流行」「スルーする流行」』より。
【本誌掲載時スタッフ 撮影/佐藤 彩(静物) スタイリスト/金子 綾(f-me) イラスト・構成/高橋香奈子】
初出:しごとなでしこ