普段なにげなく手にしている化粧品、実は購入費用の一部が環境保全活動費用として寄付されていたり、支援を必要とするだれかのサポートになっていたりするかもしれない、ということはご存じですか? 今、多くの化粧品会社が社会・環境活動(CSR)を積極的に行っています。こんなことを知っておけば、コスメ選びに新たな視点が加わるはず。環境保護や被災地支援、女性のバックアップなど、代表的な取り組みをご紹介します。
この人が語ります!
大塚真里さん
本誌でも数々のビュティー企画を担当する美容エディター。年齢を感じさせないキメ細やかな美肌は編集部でも話題。インナービューティーにも詳しく、近著『キッチンには3本のオイルがあればいい』(文藝春秋)が好評。
資生堂
がん患者さんのための外見ケアをバックアップ!
ふたりにひとりが「がん」と診断されるようになった今。治療の副作用で脱毛したり肌色が変化したり…そんな外見の変化を化粧でカバーして元気にする活動が『資生堂 ライフクオリティー メーキャップ』。これ以外にもさまざまな理由で外見上に悩みを抱える世界中の人々を、前向きにしている取り組みです。
全国のパーフェクトカバー取扱店でカウンセリングを実施。
ロレアルグループ
シングルマザーのキャリアを支援
NPO法人と連携し、シングルマザー家庭の経済的安定を目ざしたキャリア支援プログラム『未来への扉』。日本ロレアルブランドの美容部員などになるためのスキルアップ講座を提供。2年で100名のシングルマザーがキャリアアップを実現!
就労までサポート!
未来のヘア&メイクアップアーティストが誕生の予感…♥
シュウ ウエムラ『ラーニング アトリエ スカラーシップ』では児童養護施設で暮らす中学生以上の子供に、美容の知識や技術を学ぶワークショップを開催。数名には「東京モード学園」での学費、および生活費のサポート。夢見る子供たちの突破口に。
講師はプロ!
エスティ ローダー グループ
乳がんのない世界を目ざして…!
海外でも活動が盛んな『乳がんキャンペーン』。支援を始めて今年で26年目を迎えるエスティ ローダー グループでは、今年も認知度を高めるためにランドマークをピンク色に染めたり、SNSキャンペーン等を実施予定。10月1日から数量限定で発売される、ピンク色の支援製品も必見です。
今年もランドマークがピンク色に点灯!
コーセー
年々進む、砂漠化&温暖化をストップ!
雪肌精を通じて売り上げの一部を沖縄のサンゴ育成活動等に寄付、海の環境保全に取り組む『SAVE the BLUE』。なんとこのプロジェクトで植えたサンゴから高水温に耐性をもった品種が誕生したりと、活動貢献も折り紙つき。今年はさらに森林保全活動も加えて始動!
命の輪をイメージした限定デザイン。
花王
正しい手洗い方法がベトナムキッズの健康を守る
ベトナムでは、慢性的な下痢症状などで子供の健康な発育が阻害されているという現状。そこで清潔習慣の向上を目ざすベトナム学校衛生プロジェクトを国際児童基金(ユニセフ)と連携し、開始。正しい手洗い方法を確認して重要性を広めている。
現地に訪問し手洗い方を確認。
あなたも支援されていた!? 小学生への初経教育
40年以上にわたって、初経を迎える女の子たちとその家族や小学校に向けた初経教育の支援活動をしている花王。月経や体の変化をまとめた小冊子と生理用品のサンプルを入れたポーチを無償配布している。今年の配布目標はなんと2万校!
配布される初経教育セット。
ロクシタン
ベストセラー「シアバター」の原産国の女性をサポート
世界中で愛されている保湿シリーズ「シアバター」の原産国ブルキナファソは、実は世界的貧困国。読み書きのできる女性は約20%と教育水準も低いのです。そこでロクシタンでは基本的な教育のサポートや職業訓練支援を行い、現地の女性たちをバックアップ。これまでに1万人を超える女性がサポートを受けています。
シアバターは彼女たちに守られている!
ニールズヤードレメディーズ
環境汚染につながるマイクロプラスチックビーズは、もう使いません!
化粧品や歯磨き粉に含まれるプラスチック微粒子。海洋環境に入ると取り除くことはできないこの成分が、なんと年間680トンも海に流れ汚染しているという。これを受け本国のイギリスでは「ビーズ禁止キャンペーン」を行い使用禁止が政令になるまでに。オーガニックブランドとして、日本でも今後一切使用せず豊かな自然を保護していく。
情報提供にも力を入れています。
Oggi10月号「知ってからやれば、もっとキレイに!『美容の真実』」より
メイン画像/Shutterstock 撮影/向山裕信(vale.・人物)、金野圭介(静物) 構成/大椙麻未
再構成/Oggi.jp編集部