理想の仕事服は、シーンに合っていて、信頼感を感じる、ひとつ差のつく大人っぽい雰囲気。「きちんとキレイ」に働く先輩が、ここぞ! の仕事でどんな配色を選んだか、潜入取材してきました!
東京都写真美術館 事業企画課 事業第二係 学芸員 遠藤みゆきさん(31歳)
1987年、埼玉県生まれ。両親が美術館好きで、幼いころからアートに興味をもつ。大学院に進学し、28歳から現職に。8月14日〜東京都写真美術館にて開催される「マジック・ランタン 光と影の映像史」展にて、自身初となる主担当を務める。
ある日の仕事服
「デザイナーと展覧会のカタログ打ち合わせに。華やかなピンクで、自分を鼓舞して臨みます」
外部の協力者と会う日には、明るく親しみやすいピンクが活躍。ほかにも、『プリーツプリーズ』の定番シャツや『コムデギャルソン』のシャツなど、ピンクトップスの所持率はけっこう高め。『メゾン・マルタン・マルジェラ』の白のワイドパンツと合わせて、きちんと感と爽やかさをプラス。
印象を左右する力は絶大! 色を使って心にメリハリを
「視覚から飛び込んでくる色の印象というのは、五感の中でいちばん鮮烈。写真や映像に関する美術作品に日々触れているからかもしれませんが、私はそう感じています。なので、その日の予定によって着る服の色を選ぶように。華やかさや親しみやすさが欲しい外部の方との打ち合わせの日は、濃いピンクを主役にして、快活な印象になるように心がけています。逆に日中収蔵庫で作品・資料と向き合う日には、自分の精神を落ち着かせるために、真っ黒な服を着たり。黒は何にも干渉されない防御の色、というイメージなので、ストイックに向き合えるんです。どんなアイテムを選ぶかよりも、どんな色を着るかで、心のもちようが変わってくる気がしています」
作品とひたすら向き合う日は、オールブラックで黒子に徹する
遠藤みゆきさんの仕事DAYのタイムテーブル
07:00 起床
最寄り駅まで自転車で全力疾走!
09:30 出勤
展示会前の時期は、一日中収蔵庫にこもることも。
14:00 デザイナーと打ち合わせ
展示会のフライヤーやポスターについて相談。
16:00 収蔵庫にて作品調査
作品の状態を確認し、最適な保存・展示方法を考える。
24:00 就寝
遠藤さんへの1問1答
Q1:座右の銘は?
A:明日できることは明日やる
Q2:尊敬する先輩は?
A:石橋財団 ブリヂストン美術館 副館長 笠原美智子さん。 笠原さんは、東京都写真美術館を初期からずっと支えてきた女性。男性中心だった写真業界の中で役職をもち、後進を育て、ときに厳しくも励ましの言葉をかけてくれた素敵な方です。
Q3:仕事に欠かせない相棒的アイテムは?
A:ゴム手袋
Oggi7月号「配色美人な先輩10人の現場スタイル」より
撮影/野口貴司(Sandrago/椿原さん、山口さん、遠藤さん分)、中田陽子(MAETTICO/稲木さん、宮島さん、神山さん分)、HIJIKA(SIGNO/松田さん分)、トヨダ・リョウ(樋口さん、高田さん、辰野さん分) ヘア&メイク/宮寺真悠(稲木さん、山口さん、神山さん、高田さん分)、山口千佳子(air-OSAKA/松田さん分)、塩田勝樹(SUI/樋口さん、宮島さん、遠藤さん、辰野さん分) デザイン/Permanent Yellow Orange 構成/大椙麻未、菊谷まゆ(本誌)
再構成/Oggi.jp編集部