Oggi美容専属モデル・若月佑美の「漫画の嗜み方」
何にも邪魔されずに漫画の世界に浸りたい
仕事柄もあってか、撮影の合間や移動時間に電子書籍で漫画を読んでいるのでは? と想像されていることも多いのですが、私は紙の単行本派。そして自宅で読むことがほとんどです。
紙を選ぶ理由は、スマホなどでは作品を見開きで読むことができずに、意図した演出を受け止めきれないときがあるから。そして、何にも邪魔されずに作品の世界に入り込みたいからです。
スマホやタブレットで読んでいると、読んでいる最中にメールが届いてそれに反応してしまったり、ついSNSが気になったり… と、漫画を読む以外のことに意識がそれてしまいがち。
中断することなく一冊を読み終えたいので、まわりの人や時間を気にすることなく、自宅で紙で読む、というのがマイスタンダードです。
ただの“若月佑美”として感情を発散できる時間
昔は休みがあれば漫画喫茶に6〜7時間入り浸る… なんてこともよくしていました(笑)。そんなふうに漫画を読んでいる時間は、私にとって“ただの若月佑美でいられる時間”。
登場人物と一緒に怒ったり、悲しんだり、驚いたり、笑ったり… ひとりの大人としてふだんは少し抑えなくてはいけない感情も、漫画の世界の中では思いきり出せる。それって大事なひとときだと思うんです。
現実逃避できる漫画より“感情を共有”できる漫画
“ただの若月佑美”としてどんな漫画を読んでいるのか? というと… ジャンル問わずいろいろ読んでいるので一括りにするのは難しいのですが、共通点があるとすれば“現実逃避ができる作品”よりも“現実に感情を落とし込める作品”。そして、少し“陰”のある作品。
絶対的なヒーローがバトルに勝利していく少年漫画や、キラキラした恋愛に傾倒する少女漫画よりも、リアルな人間描写や心の葛藤を描いた作品のほうが好きです。だから好きな作品に青年漫画が多いのでしょうか。
私、“元気の押し売り”と“頑張ろうの押し売り”が苦手なんです。頑張っているのにうまくいかない、結果が出ないから落ち込んでいるのに、そこで「もっと頑張ろうぜ!」と言われても… と思ってしまう。
ダークな感情に陥っている登場人物がいたとして、「こんな気持ちになることもあるよね」と共感したり、その感情を作品として表現している先生の存在に励まされるタイプ。
人間の考えを理解する学びを深めたい。漫画は“心の教育”
ニット¥36,300(フィルム〈ダブルスタンダードクロージング〉) パンツ¥24,200(アルアバイル) “べベット”のイヤーカフ¥16,500・“アヴェーテ”のリング¥15,400(ロードス) ソックス/スタイリスト私物
話が少し飛んでしまうのですが、学生時代の好きな教科は“倫理”でした。将来どう役立たせればいいかわからない因数分解よりも、人間の考えを理解する学びを深めたいと思っていたから。
漫画もそれと同じ。私にとって漫画は“心の教育”なんです。
本当は“推し活”もしてみたいけれど…
登場人物の気持ちに共感したり、心優しい行動や言葉に勇気をもらったり… と、新刊を買いながら続きを追っている漫画は現在10作品くらい。結構ありますよね。
でも、読みたいなと思いながらまだ読めていない作品もたくさん。さらに、書店をパトロールするたびに気になる作品も増えていくわけで… 漫画への愛は尽きることはなさそうです。
こんなにも漫画が好きだけど、今流行っている“推し活”みたいなことはしたことはありません。
キャラクターより作品そのものへの興味のほうが強いからなのか、そもそも好きな作品が“推し活”に向いていないものが多いからなのか…。
でも本音をいうと、私も“推し活”をしてみたい。だって楽しそうじゃないですか! …なんて考えたりもするのですが、これもまた若月佑美らしい漫画との向き合い方なのかなと思います。
本棚も公開! 若様の漫画事情♡
漫画タイムのおともは、基本的に飲み物オンリー
「手が汚れない(本が汚れない)よう、基本的にはドリンクオンリー。何か食べたいときは、個包装のチョコなどを。コーヒーメーカーでコーヒーを淹れることが多いですが、楽をしたいときは、コーヒーバッグやティーバッグで。写真は“丸山珈琲”のコーヒーと“TAKIBI BAKERY”の紅茶です」(若月)
自宅の漫画棚、公開します!
「こちら、自宅の書斎(?)にある漫画棚。読みたい作品は電子書籍ではなく紙の単行本で集めているので、漫画は増えていく一方。基本的には読んでいる最中の未完結作品をこの棚に置き、読み終えたものは実家へ。送った漫画を母が読んでハマることも。最近だと『鬼滅の刃』にハマっていました(笑)」(若月)
唯一の聖地巡礼(!?)ショット
「聖地巡礼ってほとんどしたことがないのですが、仕事で大好きな漫画『キングダム』のゆかりの地である中国・西安へ! こんな城壁を登ったりしているのか… と登場人物たちの凄さを体感できて感激。城壁を見てテンションが上がっているのは、私くらいでしたけど…(苦笑)」(若月)
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2023年Oggi2月号「若月佑美の漫画論」より
撮影/花村克彦 スタイリスト/角田かおる ヘア&メイク/加藤志穂(PEACE MONKEY) モデル/若月佑美(Oggi専属) 構成/旧井菜月
再構成/Oggi.jp編集部