なんとなく続くだるさ… 放置すると大変なことに!
これという明確な理由もないのに、なんとなく続いている「だるさ」。少し休めば大丈夫かな… とごまかして放置するのは危険です。原因を解消しなければ、疲れやすい体質になってしまいます。
今回は、統合医療・栄養療法医師である御川安仁さんの著書『体が勝手に元気になる だる消しスープ』(アスコム刊)より、栄養いっぱい「だる消しスープ」の作り方を紹介します。
しつこいだるさを解消する鍵は「ミトコンドリア」

「体が重くて朝起きられない」「だるくて何もする気がしない」「この頃ずっと疲れがとれない」…。年齢を重ねれば、誰もが一度はこんな思いをしたことがあるのではないでしょうか?
以前は、仕事で無理が続いたり、睡眠時間を多少削ったりしても、精のつくものを食べて少しゆっくりすれば、すっかり元気になっていましたよね。ところが今は、しっかり食べても疲れはとれないし、逆に胃もたれしてしまう。たっぷり寝ても、どうにも体が重い気がする。そうして疲れの芯がとれずに、だるい体を抱えて毎日を過ごしている。早ければ40代からこういう症状は増えてきますし、50代や60代以降にもなると、非常に多くの方が自分ごととして感じられるのではないでしょうか。
だるさ=疲れの原因はさまざまです。代表的なものを挙げてみましょう。
・血糖値の乱れ
・自律神経の乱れ
・コレステロール不足
・やる気や元気をもたらす「コルチゾール」というホルモンの分泌の乱れ
しかし、人によって異なるこれらの原因とは別に、ほとんどの人に共通するだるさの原因があります。それは「ミトコンドリア」です。ミトコンドリアが減ってしまうのが、慢性的なだるさの原因なのです。
ミトコンドリアは、私たちのほぼすべての細胞の中に存在し、体のエネルギーのもとをつくる、いうなれば「エネルギー工場」です。ただしこのミトコンドリアは、年齢とともに数が次第に減少し、働きも低下していきます。そのため、年を重ねると否応なしに体を動かすエネルギーの量が減り、体力は衰えていく一方。当然、しつこいだるさは年々ひどくなっていきます。
ミトコンドリアと加齢に関する研究は、この10年ほどで驚くほど進んでおり、あまり知られていませんが、日本が最先端といわれる分野です。国立がん研究センターのホームページにも載っていますが、がん、認知症、糖尿病など多くの疾患がミトコンドリアの機能低下に起因しているという研究もあり、今大変注目されています。
さて、ここでちょっと考えてみましょう。
休みの日には、午前中は掃除、午後は映画観賞、帰りに軽く買い物を済ませて、夜は友達と会食。以前はそうやって1日に4つも5つも予定をこなしていたのに、今は掃除をしただけですっかり疲れ切って、家でだらだら寝てしまう。こんな風に、以前はやれていたことがどんどんできなくなっていくような経験はありませんか? それは、ミトコンドリアが減ってきている証拠かもしれません。
では、年齢のせいだから仕方がないとあきらめるしかないのでしょうか。ミトコンドリアが減少するのには、加齢のほかにもさまざまな理由があります。食生活の乱れ、運動不足、睡眠不足、ストレス…。こうした理由が積み重なると、年齢による自然な減少以上に大幅にミトコンドリアの数が減って活動量も低下し、疲れ=だるさはひどくなります。逆にいえば、これらを改善すればミトコンドリアを活性化させて、体にエネルギーを取り戻すことができる。つまり、ミトコンドリアこそ、「だる消し」の鍵なのです。
なかでも、もっとも取り組みやすく、効果が現れやすいのが、食生活の改善です。少しずつでも、毎日ミトコンドリアの活性化によい食材を継続して体に入れていけば、必ず体は変わっていきます。これを簡単に、効率的に実践するために考案したのが「だる消しスープ」です。体の毒素を出して胃腸を整え、ミトコンドリアを活性化していくための栄養素をギュッと詰め込んだ、エネルギーいっぱいのスープです。
作り方は以下のとおり。
必要な栄養素満点!「だる消しスープのもと」の作り方
◆材料(10杯分)※1杯あたり70g~80g程度
・サバ缶:1缶(190g)
・大根:300g
・まいたけ:1パック(約80g)
・蒸し大豆:100g
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・しょうゆ:30g
・みそ:50g
・酢:小さじ2
◆作り方
1. 大根をおろし器ですりおろす
2. まいたけをみじん切りにし、電子レンジ(600w)で2分ほど加熱する(※レンジがない場合は、フライパンに入れて、蓋をし、中火弱で2分蒸す)。
3. 蒸し大豆を保存袋に入れて手のひらでつぶし、[1]、[2]とサバ缶、[A]を加えてよくもみこむ
4. 保存袋の中身を平らにして、冷凍保存する
◆使い方
1. 冷凍保存したスープのもとを割って、75~80g器に入れる
2. 100mlのお湯を注ぐ
※少しぬるく感じるかもしれませんが、低温なのは大根の酵素や発酵食品の菌に最大限働いてもらうためです。ですが、温めても効果がなくなるわけではないので、熱々の状態で飲みたい方は、レンジで温めてください
ミトコンドリアの働きをサポートする栄養素がたっぷり!
・マグネシウム:ミトコンドリアがエネルギー源をつくる際の働きをサポート
・コエンザイムQ10:ミトコンドリア内でのエネルギー源生産の中心的役割を担う
・ビタミンB群:たんぱく質、糖質、脂質の代謝をうながす
・EPA/DHA:EPAは血液サラサラや抗炎症を、DHAは目と脳の機能をサポート
飲み方のポイントとして、毎日1杯の「だる消しスープ」を、最低2週間は続けてみましょう。1日3杯飲んでもOKです。自分を変えるには、まず習慣を変えることから。ぜひこのスープを日々のルーティンに加えて、だるさのない、本来のエネルギーに満ちた自分を取り戻しましょう。