あふれんばかりの情報やモノに振り回されている…。
そんなデジタル社会に生きる私たちが、今観るべき映画!
フィンランドで一大ムーブメントを起こしたドキュメンタリー映画『365日のシンプルライフ』をベースに、価値観の異なるふたりの男が全財産をかけた大勝負をする物語へと大胆に脚色を加えたのが本作。
ベルリンで自由気ままな独身生活を送るプログラマーのパウルは、5年前に開発した人工知能搭載アプリ「NANA」にどっぷりハマっている。育毛剤が手放せない幼なじみのトニーとは共同経営者という間柄で、「NANA」をアメリカのIT実業家に売り込むプレゼンに挑むのだが…。
今回は、この映画のPRを担当している大橋諒さん(フラッグ)に、見どころをうかがっていきます!
◆細マッチョなイケメンふたりのテンポのいい掛け合いが見どころのひとつ!
人工知能搭載アプリ「NANA」をIT実業家に400万ユーロ(約4.9億円)で買い取ってもらえることになるも、「人を幸せにするためにNANAをつくった」と説明するパウルに対し、トニーは金儲けが目的だと主張。「NANA」で金儲けをしようとしていたトニーが許せないパウルは、トニーにとんでもない勝負を持ちかけます。それは、持ち物すべてを倉庫に預け、所持金ゼロの状態から1日ひとつずつ必要なモノを取り出し100日間生活するというもの! その後も、性格や価値観がまったく異なるふたり故、さまざまなシーンで衝突します。
「自分の持ち物をすべて手放し、トンデモバトルを繰り広げるパウルとトニーの掛け合いは、この映画の大きな見どころのひとつです。ズルしようとするパウルをトニーが見破ったり、トニーが女性といい感じになったタイミングで割って入ってきたり、随所にみられるコミカルなやりとりは、お互いをよく知る幼なじみだからこその絶妙さ。
また、ドイツ映画ならではのおしゃれな装飾や小物使いの演出も必見で、特にパウルのおばあちゃんの自宅がかわいい! おばあちゃんの思い出が詰まったレトロでかわいいカバンは、パウルの気持ちに変化を与えるのですが、個人的にいちばんお気に入りのシーンです」(大橋さん)
◆ドイツでは知る人ぞ知る、国民的スターふたりの豪華共演!
▲左:パウル役のフロリアン・ダーヴィト・フィッツ、右:トニー役のマティアス・シュヴァイクホファー
「パウルを演じたフロリアン・ダーヴィト・フィッツさんは芸能一家に育ち、多彩な才能のもち主です。現在は舞台やTVドラマ、映画での活躍がメインですが、かつては歌手としてディズニー映画『ティガー・ムービー プーさんの贈りもの』に参加経験もある実力派。アカペラグループを結成し、作曲を担当していたこともあるそうです。今作では、監督・脚本・主演とマルチな才能を発揮しており、今後の活躍にも注目。
一方、トニーを演じたマティアス・シュヴァイクホファーさんもドイツ国内で数多の映画賞の受賞歴がある演技派俳優。’02年に映画監督デビューをして以降、テレビ番組の脚色やプロデュース業も手掛け、多くのコメディ作品を世に生み出しているヒットメーカーでもあります。ふたりは’16年にドイツで大ヒットしたコメディ映画『The Most Beautiful Day(英題)』以来、2年半ぶりの共演。そんな彼らだからこそ、最高のクリエイティビティが反応し合い、極上のエンターテインメントに仕上がっているのだと思います。
真っ裸で真冬のベルリンの街を駆け抜けるなど、W主演を務めたフロリアンさんとマティアスさんの体当たりの演技は随所に笑いを誘うのですが、自分にとって本当に大切なモノを考えるきっかけの作品として多くの方々に評価されています。この作品を観ると、年末年始の大掃除が捗ること間違いなしです!」(大橋さん)
ちなみにこの作品を観たことをきっかけに、100日間「モノなし生活」を実践するタレントやエッセイストなど幅広く活動する藤岡みなみさんの暮らしぶりはSNSで配信中!
「Twitterでは日々どんなモノを選ぶのかがつぶやかれ、その背景にある藤岡さんご自身の思いなどはnoteで読むことができます。YouTubeではお茶目な一面も垣間見られますので、ぜひ藤岡さんを応援してください!」(大橋さん)
2020年、既存の価値観が一変した私たちにとっても、決して他人事ではないストーリー。ウィズコロナの時代を生きるうえで、今までの生活を見直すヒントに満ちあふれた『100日間のシンプルライフ』。人生をより豊にする“モノがたり”として楽しめそう!
Information
『100日間のシンプルライフ』
監督・脚本:フロリアン・ダーヴィト・フィッツ
出演:フロリアン・ダーヴィト・フィッツ、マティアス・シュヴァイクホファー、
ミリアム・シュタインほか。
12月4日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷・有楽町、シネマート新宿ほか全国順次公開。
配給:トランスフォーマー、フラッグ
提供:フラッグ
(c)Anne Wilk 2018 / Pantaleon Films GmbH / Erfttal Film & Fernsehproduktion GmbH & Co. KG / WS Filmproduktion / Warner Bros. Entertainment GmbH
取材・文/宮田典子(HATSU)