11月28日に発売されたOggi1月号の『悪い男』連載。ゲストは、俳優・北村一輝さんです。「初対面の方からよく『ギャップがありますね』と、言われる」と、語った北村さん。男らしい顔立ちや今まで演じられた強面の役柄からは予想ができなかった、人なつこい笑顔と冗談まじりのお話で、撮影現場を終始和ませてくれました。
今回のロケ場所は、今年の9月に蜷川さんが個展を行った原美術館。趣のある館内と優しい朝の光が、北村さんと過ごす大人の時間を想像させてくれる絶好のシチュエーションとなりました。
今月の撮影裏設定は『もしも北村一輝が会社の先輩だったら』です。
ふだんオフィスでしか会わない男性のプライベートなシーンを目撃したとき、なんだかドキッとしたなんて経験はありませんか? キリッとしたスーツ姿と凜々しい表情が印象的な先輩も、休日は自分好みのファッションに身を包み、リラックスした笑顔を湛えているかもしれません。北村さんの優しい笑顔にそんな妄想を膨らませてみてくださいね!
しごとなでしこでは、Oggi未収録のお話をちょっぴりお届け!
「本誌インタビューではまだまだ足りない」という全国の女性の声にお応えして、Oggi本誌に収録しきれなかったインタビューを公開します。
Q.今日の撮影の裏シチュエーションは、いわゆる「ギャップ萌え」がテーマです。女性のギャップにときめいたことはありますか?
「正直言ってあまり意識したことはないのですが、『美人』と評判の人よりも、身近にいて頑張っている女性の姿に惹かれることが多いかも知れません。仕事の現場ではスッと涼しげな顔で業務を遂行しているのだけれど、実は影で努力をしているとか、ちょっといじらしくて素敵です。…でも、好きな人はギャップとか関係なく好きです(笑)」
Q.連載タイトルの『悪い男』。どんな人物をイメージしますか?
「いろいろな捉え方がありますが、『男からみてもかっこいい男』かな。周囲の意見や評価に左右されない人はかっこいいし、そうでありたいと思っています。役者の世界に限らずですが、杓子定規な“学級委員”的なタイプよりも自由で破天荒なタイプの方が好感を持ってしまうんです」
Q.12月8日(金)から北村さんが出演する舞台『欲望という名の電車』の公演が始まりました。ワイルドでエネルギッシュな【スタンリー】役を演じられますが、意気込みを教えて下さい。
「本来の作品の空気感を総合的に演出できれば…、と考えています。日本の舞台では“芝居をしている”という、一種大仰な演じ方をしているものが多いと感じています。いろいろな国で舞台の演出を拝見する機会をいただいた際に、そう思ったんです。今回、大竹しのぶさんに鈴木杏さん、藤岡正明さん、と、とてもいいメンバーがそろっています。それぞれが演じているというより、舞台上での4人の関係性がごく自然にみえるようにするつもりです。スタンリーが激怒するシーンなんかも、観客のみなさんが『北村一輝、本当に怒ってない?』と、本気で心配するくらいのことができるといいな」
Q.スタンリー役は怒っているシーンが多いですよね。
「そのように捉えることもできるけれど、あれは単純な怒りだけでなく、若さからの自然な姿なんだと解釈をしています。多少暴力的にみえる行動も、妻・ステラへの愛ゆえに起きること。だれでも恋人と一緒にいるところへ邪魔をされるとイヤでしょう? そんな青い衝動をうまく表現できたらうれしいです」
作品のまじめなお話をうかがいながら、こんな穏やかな声で指導してくれる男性上司がいたらいいなぁ…、と、空想の彼方へ意識がお出かけしてしまった担当者でした。
【出演】大竹しのぶ、北村一輝、鈴木杏、藤岡正明ほか
【原作】テネシー・ウィリアムズ
【演出】フィリップ・ブリーン
【上演スケジュール】
2017年12月8日(金)~28(木) Bunkamuraシアターコクーン
2018年1月6日(土)~8(月・祝) 森ノ宮ピロティホール
【ストーリー】第二次世界大戦後のニューオリンズが舞台。ブランチ・デュボア(大竹しのぶ)は妹のステラ・コワルスキー(鈴木 杏)の家にたどり着く。ステラの夫スタンリー(北村一輝)と衝突するブランチ。スタンリーの友人ミッチ(藤岡正明)はブランチに愛を告白するも、過去のできごとが足かせとなり、やがてブランチは悲劇的な結末を迎える。アメリカを代表する劇作家テネシー・ウィリアムズの不朽の名作を、日本演劇界を牽引する豪華キャストが演じる。演出はイギリス気鋭の演出家フィリップ・ブリーン。
初出:しごとなでしこ
Oggi1月号
アラウンド30歳からの働く女性に向けて、シンプルでセンスのよい、ベーシックなファッションを提案する月刊誌。トレンドを追いかけるのではなく、「着る人が素敵に見える」「本人も周りも心地よい」スタイルを追求している「Oggi」のためし読みと購入ができます。