「今回のキスシーン、正直かなり緊張した」
清水富美加、飯豊まりえ、清野菜名、平祐奈、玉城ティナ、小島梨里杏と、錚々たる若手演技派女優たちが集結し公開前から話題を呼んでいた映画「暗黒女子」。本作で、唯一の男性キャストとして作品に参加した、千葉雄大さんを直撃! 濃厚なキスシーンについても、じっくりうかがいます。
——今回の作品、かなり衝撃的でした。もちろん、ストーリー展開もですが、千葉さん演じる文学サークル 顧問北条先生と、飯豊まりえさん演じる白石いつみの濃厚なキスシーンはドキドキさせられっぱなしで…。
千葉「パブリックイメージで僕に抱いているイメージと、今回の映画のイメージってかなり違うと思います。慣れないことばかりだったので、ご指導いただきながら…。正直、かなり緊張しました」
——キスシーン、演出の仕方にもこだわりを感じましたが、監督からはどんなリクエストがあったのですか?
千葉「監督からはイメージしやすいようにと、海外のキスシーンのイメージ映像を見せてもらいました。日本と海外だと表現の仕方は違うとは思うんですが、エロいというよりは、艶っぽいキスシーンを目指したつもりです。情景描写などもキレイに描かれているので、そこにはすごく助けられたなと」
——本当に艶感があり、すごい存在感でした。
千葉「ありがとうございます」
—今回のキャスト、女性ばかりでしたが、現場ではどのようなお話をされていたんですか?
千葉「僕は、和気あいあいと話す感じでもなかったんですが、女子同志はすごく和気あいあいとしてて。作品の内容が内容なので、そういう部分を見ながらホッとしていました」
—撮影中の印象的なエピソードはありますか?
千葉「僕、ほぼキスシーンみたいな感じだったんで(笑)。でも、飯豊さんとの距離がホントに近くて、段々麻痺してきて…。監督から『もう少し近づいて』というリクエストにも、最後のほうが照れていいはずなのに『は〜い! 了解です』みたいになっていました。今日も一緒に取材していたんですが、カメラマンさんに『もう少し距離詰めてください』と言われたときに、あ、これ懐かしいなって(笑)」
—飯豊さんとはいいコンビネーションだったんですね。
千葉「本当に気さくな方なんです。役どころは怖いですが…本人のあの明るさには助けられた部分があります」
「自分を壊して、再構築して行かなきゃいけない」
—作品を観ての後の感想は?
千葉「もちろん台本を読んでいるので、最後まで内容を把握してはいるんですが、実際の女子同士だけのシーンは試写会で初めて観ました。いや、本当にすごいな…と。同じ役者として、とても尊敬します」
ーストーリー展開も最後の1秒までハラハラでしたよね。
千葉「一見仲がよさそうにしているのに、実はいろんな探り合いをしているという女子の世界って本当に怖いですね。裏表をひとつにすると、怖くなるんだな〜と思いました。忍者のからくり扉みたいな怖さがありますよね」
—今後、ドラマや映画など、待機作も多いですが、千葉さんの今後の目標をうかがえますか?
千葉「求められているものに答えるという作業は難しい場合もあれば、こうすればいいという勝手が見えてきてしまうこともあると思うんです。そればかりだと続かないと思うので、築きあげてきたものをおのずから壊していかなきゃいけないな、と。そういう作品や現場に出会っていきたいというのが今後の目標です。役者という仕事柄、自分だけで壊すことってできないと思うので、周囲の力も借りなければならない。待っているだけではだめですし、自分から発信して、やりたいことを明確に口に出すことも大切だと思ってます。あとは、嫌われる勇気も必要かな、と。プライベートでいうと、デビュー当時は料理をよく作っていたんですが、最近全然できてなくて。また、料理したいな〜と思ってます」
千葉雄大(ちば ゆうだい)
1989年 宮城県生まれ。「天装戦隊ゴセイジャー」で俳優デビュー、その後NHK大河ドラマ「平清盛」、映画「アオハライド」、映画「黒崎くんの言いなりになんてならない」、映画「殿、利息でござる!」など注目作への出演で人気を獲得。待機作に映画「ReLIFE」、映画「帝一の國」、映画「兄に愛されすぎて困ってます」、映画「亜人」などがある。
写真/安井宏充
画「暗黒女子」全国“嘘つき”公開中
出演:清水富美加、飯豊まりえ、清野菜名、玉城ティナ、小島梨里杏/平祐奈/升毅 千葉雄大
原作:秋吉理香子『暗黒女子』(双葉文庫) 監督:耶雲哉治 脚本:岡田麿里
制作プロダクション:ROBOT
配給:東映/ショウゲート ©2017「暗黒女子」製作委員会 ©秋吉理香子/双葉社
公式サイト:ankoku-movie.jp
公式Twitter:@ankoku_movie
初出:しごとなでしこ