理想の仕事服は、シーンに合っていて、信頼感を感じる、ひとつ差のつく大人っぽい雰囲気。「きちんとキレイ」に働く先輩が、ここぞ! の仕事でどんな配色を選んだか、潜入取材してきました!
京都府立大学大学院 専任講師 松田法子さん(40歳)
1978年生まれ。土地に積み重なっている歴史と人の暮らしとの関わりに興味をもち、研究者を志す。東京大学客員研究員、大妻女子大学などの講師を経て現職へ。『危機と都市』(左右社/共編著)など出版物や寄稿も多数。今年の目標は、上質なシンポジウムを開くこと。
ある日の仕事服
ジャケットとパンツは堅苦しく見えないよう、やわらかな素材感のものを選ぶように。インナーにはシルバー箔のプリントカットソーを仕込んで、抜け感を出しています。
「制服のようで苦手だった紺の魅力に気づいた30代」
「職場としてこれを着てはいけない、というドレスコードは特にないのですが、『大学教員』という生真面目そうな響きの仕事柄、とっつきにくい雰囲気にならないように、ということは意識していますね。堅苦しくなく、かつ学生に教える、人前に立つ、という点で必要な知的さやきちんと感も兼ね備えた色…と考えたときに、しっくりくるのがネイビーでした。若いころは上下ネイビーを着るとなんだか制服のようで気分が上がらないな、なんて思って黒を着ていたのですが、年齢を重ねて、ネイビーのもつ万能さに気がついたんです。黒よりも威圧感がなく、でも端正でハンサム。清潔感やスマートな印象がありながら、軽やかさもある。コーディネートもあえて上下そろいのスーツにはせず、異素材の組み合わせで表情をつけるようにしています。」
着心地を重視することで心地よさと実用性を両立
「そこに加えて最近は、肌あたりのよさやストレッチがきいているか、という着心地も重視するようになりました。そういうやわらかな素材を選ぶことでより女性らしい雰囲気が出ますし、板書がしやすいとか、仕事でたとえ10時間座っていても楽チンとか、出張のときにスーツケースでシワになりにくいとか、実用性も高まるんです(笑)。私にとってネイビーは、人からの印象と自分が心地よく働くことを両立できる色だと思っています」
通勤はクロスバイク。なので足元はいつもフラットです
松田法子さんの仕事DAYのタイムテーブル
07:00 起床
濃いめのブラックコーヒーで眠気覚ましを。
08:50 講義
人と土地の歴史をひもとく「生活文化・生活美学」が専門。
14:00 専門家会議に出席
進行中のプロジェクトの情報共有を行います。
21:00 執筆
帰宅後、論文を書いたりシンポジウムの構想を。
25:00 就寝
前期は講義が詰まっているので、しっかり休息も必要。
松田さんへの1問1答
Q1:座右の銘は?
A:不昧不落(ふまいふらく)
Q2:尊敬する先輩は?
A:意思をはっきり貫く人。自立していて人生を楽しんでいる、強さのある人に憧れますね。自分もそうありたいと思います
Q3:仕事に欠かせない相棒的アイテムは?
A:コーヒー。コーヒーはフレンチローストのブラック一択。京都にある『サーカスコーヒー』にハマっています。
Oggi7月号「配色美人な先輩10人の現場スタイル」より
撮影/野口貴司(Sandrago/椿原さん、山口さん、遠藤さん分)、中田陽子(MAETTICO/稲木さん、宮島さん、神山さん分)、HIJIKA(SIGNO/松田さん分)、トヨダ・リョウ(樋口さん、高田さん、辰野さん分) ヘア&メイク/宮寺真悠(稲木さん、山口さん、神山さん、高田さん分)、山口千佳子(air-OSAKA/松田さん分)、塩田勝樹(SUI/樋口さん、宮島さん、遠藤さん、辰野さん分) デザイン/Permanent Yellow Orange 構成/大椙麻未、菊谷まゆ(本誌)
再構成/Oggi.jp編集部
まつだのりこ
1978年生まれ。土地に積み重なっている歴史と人の暮らしとの関わりに興味をもち、研究者を志す。東京大学客員研究員、大妻女子大学などの講師を経て現職へ。『危機と都市』(左右社/共編著)など出版物や寄稿も多数。今年の目標は、上質なシンポジウムを開くこと。