しごとなでしこが実施している大規模アンケート『働く女性1万人白書』プロジェクトに伴って、働く女性へインタビューする連載をお届けしています。女性芸人の横澤夏子さんにお話を聞きました！
※アンケートの回答期間は締め切らせていただきました。ご協力をいただきありがとうございます。
今を生きる女性へのアンケートを元に、時代を読み解くレポート『働く女性1万人白書』。みなさんのご協力もあり、目標の1万人を突破しました！ 本当にありがとうございます!!
今回は、同じアンケートを著名人の方々にもお答えいただき、キャラ診断をしていただきました！ その結果と共に、働き方に対する考え方や、同じ働く女性として日々仕事と戦っているみなさんへの応援メッセージをお届けします。
今回は、アラサー世代の女性のモノマネでおなじみの横澤夏子さん。その洞察力と、独特の女子力を持つ彼女らしいインタビューをお楽しみください。
横澤夏子さんの働く女性7キャラ診断の結果は…
●働く女性の7キャラ診断とは
今回の1万人アンケートに答えると性格診断が行えます。診断では働く女性を仕事への考え方や恋愛観などで7タイプに分けていて、そのイラストはなんと人気マンガ家・北川みゆき先生の特別描き下ろし！
診断の結果で、普段は気付いていないような働き方に関する真相心理が見えるかも!?
横澤夏子さんは【組織派キャリア】でした！
イラスト／北川みゆき
働き方／会社や組織の中でこそ力を発揮できるタイプ
おしゃれ／オンもオフもシンプルでベーシックなアイテムが好き
恋愛・結婚／仕事や生活で共に協力し合えるパートナーを探している
休日／スキルアップや自分磨きの予定を積極的にいれてアクティブに過ごす。
組織派キャリアさんの詳しい説明はこちら
横澤夏子さんとキャリア志向の働くウーマン
女性芸人としてキャリアを積んでいる横澤さん。組織に属しているというイメージはそこまで強くないですが、実は彼女本人は組織派としての意識が強かったのだとか。
そんな彼女の働く上での信条やモチベーション、さらには結婚観についても聞きました。
「友達にホメてもらいたい」。
それが私の原動力
いろんな職場を見てみたい、
いろんな仕事をしてみたい
—— 会社や組織で力を発揮する「組織派キャリアタイプ」という結果は少々以外な気がしますが…？
横澤 実は私、会社勤めやOLへの憧れ、めっちゃ強いんです。今の仕事も、吉本という組織にいるからこそ、できることだと思ってますし。そして可能なかぎり、いろんな職場を体験してみたい。実は芸人の仕事も、最初は習いごと感覚で始めたので、お給料が低くても忙しくても気にならないのですが、自分の中でその比重が大きくなると、苦しくなっちゃう。ひとつのことだけにどっぷり浸かってしまうと、私じゃなくなってしまう気がして、違うことも始めたくなるんです。変わってますよね。先日も、居酒屋にあった求人の張り紙を見つけて、「週イチだったら、バイトできるかも」なんて考えてる自分がいました(笑)。
—— そんなふうに関心の幅が広く、いろんな場で多くの人を見ているからこそ、今の仕事になるともいえそうですし。
横澤 女子会で話していたことが、そのままネタになったり、婚活もオープンにして笑っていただいたり。もともと、3年やって舞台に立てなかったら芸人は辞めようって決めていたのですが、レギュラー番組が増えたり、お金をいただくようになってからは、仕事としての意識が強くなりました。とはいっても、まだまだですが。でも、もし普通に会社に就職していたとしても、主婦をやっていたとしても、私自身の軸は変わらないんじゃないかな。
—— その原動力は、どこから来るのでしょう？
横澤 私のモチベーションは人とちょっと違って、お金よりも「友達になんて自慢するか」なんです。友達に笑って欲しい、すごいねって言われたい。だからテレビで頑張るし、賞レースにもこだわります。それと同じ感じで、結婚も早くしたいし子供も欲しい。そのあたりの感覚はまさに「組織派OL」。そして基準は地元の友達なんです。
その感覚を元にして、自分がOLだったら…、の妄想をよくやって楽しんでます。今つきあっているサラリーマンの彼とは、休みが合わなくて寂しい思いをすることもあります。でも土日が休みの彼に合わせようとすることで、曜日感覚がはっきりして、「月-金で働くOLの私」がつきあってるみたいになれるんです。たとえ休日を一緒に過ごせなかったとしても、OLの私と彼が頭の中で休日を楽しむ。それがさらに発展して、いつか私が母になって、実家に帰って甥っ子姪っ子にお年玉あげて、一度はPTAもやって、子どもの運動会とか出ちゃったりして…。と架空のOL人生を考え出すともう止まらなくて。
—— さすが、人生プランに手を抜かない「組織派キャリア」！ お仕事のほうのプランも教えてください。
横澤 周りの女性から話や悩みを聞いて、それをネタにして、ひとりで20人の横澤夏子をやってみたい。女性限定のライブで、2時間ドラマみたいなひとつのサクセスストーリーにして。私、自分をドラマのヒロインに置き換えて考えるのも、大好きなんです。そしていつか、自分の子どもに自分の話を聞かせたい。私自身が母から若いころの話を聞くのが大好きだったので。
こんなふうに空想ばかりしていると、今どの自分をやってるのかわからなくなることもあるけれど、それさえも楽しくて。昔からそういう女です(笑)。
悩みやイライラは、「なりきり妄想」で
スッキリさせましょ！
ホントの自分の気持ちを吐き出すには、
鍵付きアカウントが役立ちます！
—— 横澤さんならではの仕事の楽しみ方があれば、ぜひ教えてください。
横澤 私、自分を朝ドラ（連続テレビ小説）のヒロインによく置き換えるんです。新しい何かが始まる日は、「今日は朝ドラの月曜だ」って思いながら、1週間のタイトルを考えたりする。イヤなことがあったら、「朝ドラでよくある木曜の展開だわ」って思って、耐える。朝ドラは木曜あたりに波乱があるけど、土曜になれば解決して明るく終わることが多いですよね。だから「もうすぐ土曜。きっと大丈夫」って自分に言い聞かせます。どんな仕事の方でもできる方法なので、おすすめですよ。
いちばん好きな朝ドラは『ちりとてちん』（2007〜2008年）です。あれを観て、ネタをやって人を笑わす仕事があると知り、お笑いを目指すきっかけになりました。芸の世界のこと以外にも、母との関係、上京にまつわるあれこれ…。すべてつまった、私の人生の教科書です。
—— 朝ドラを頭に置きつつも、それでも失敗してしまったり、落ち込んで立ち上がれなかったりしたら…。どうやって乗り切ったらいいでしょうか？
横澤 「カギ付きTwitterアカウント」を使う方法がおすすめです。私は公式Twitterアカウントと別に、マナミという名前で2歳年上のOL設定の裏アカウントをもってます。カギかけてるから、他人からは見られないんですけど。マナミになりきって、思ってても言えないこと、本当の気持ちをつぶやくんです。それが心の整理になって、すごくスッキリする。設定はマナミという他人だけど、こっちのほうが実は自分の心の奥底のような気もするし。
インスタにも実は裏アカウントがあって、そっちはいい女ぶってきれいな料理の写真だけをアップする。知らないどこかの誰かが、私の料理に「いいね」してくれて、ふむふむ…ってニヤけてます。多重人格とも言えるけれど、リアルな場所以外の楽しみをもつことが、ストレス解消になるんです。『世にも奇妙な物語』じゃないけれど、どこかに別の自分がいると思うと、現実の悩みがちっぽけに感じるものですよ。
婚活パーティでの会話は
「し・た・し・げ」で
−— 横澤さんといえば、婚活で彼氏ができたことを公表されてますが、これまでの婚活と、そこからの必勝法があれば教えてください。
横澤 私の場合21歳から婚活パーティに行き始めて、100回以上は行きました。多いときは、ひと晩に3つのパーティをはしごしたことも。どのパーティでも、まじめに結婚相手を探す面接みたいになりがちなので、そんなときほど、「アハハハー！」って高笑いするんです。すると、場がなごんで「めっちゃいい子じゃん」って思ってもらえるでしょ。
ファッションは、着飾りすぎないのがベスト。パーティの後に焼き鳥屋でも行けるくらいのほうが、相手との壁をつくらないと思います。私の場合は「ガウチョパンツ最強説」っていうのをもってて。ガウチョさえはいてれば、きれいな店から親への挨拶、そして気取らない居酒屋のどこにも通用する。そしてトップスは、無地のベージュやホワイトで、「服で記憶に残さない」ことが大事。服じゃなくて、覚えて欲しいのは自分自身ですからね。そうそう、合コンやパーティでは、ボーダーは絶対NG。ひとりはカブる女子がいて、「囚人かよ」ってなっちゃいますから。
会話は「し・た・し・げ」がいいらしい、というのを最近聞きました。「し」は出身、「た」は食べ物、「し」は仕事、「げ」は芸能ネタ。知らない相手でも何かしら話題が引き出せて、相手を知るきっかけになる。同じ「し」でも「趣味」は、無趣味の人も今は多いので、避けておいたほうがいいらしいです。
—— なるほど。では、そうやって出会った彼との、ゴールインの予定は…？
横澤 年内には結婚します。絶対にします。彼にもそう言ってますから。実際には、仕事をしながら家事や育児をするのは大変だろうと思います。でも、それをこなす自分を想像したり、ホメるのが好きなんです。だから、忙しいのは大歓迎。「もうできないよー」って言いながらも、やれるだけやって、将来落ち着いたときに振り返って、「あのころは大変だったわー」「ひとりめ産んだときはさ〜」って言いたいんです。それをやるために、今頑張っているのかもしれません。
横澤夏子さんプロフィール
1990年生まれ、新潟県出身。高校卒業後にNSC東京校に入学。2015年3月若手芸人コンテスト『彩バトル』で女性初の優勝。『バイキング』（フジテレビ系）、『王様のブランチ』（TBS系）などにレギュラー出演中。2016年には新潟県から「婚活応援大使」に任命された。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。
撮影／丸山涼子
取材・文／南 ゆかり
初出：しごとなでしこ
