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LIFESTYLE

2022.10.06

発酵食品に使われる「麹(こうじ)」って、いったい何? 効果や効能を解説!

味噌や醤油、日本酒、焼酎、みりんといった発酵食品に使われている“麹”。最近では、米麹と塩、水を混ぜて発酵させた調味料「塩麹」も珍しい存在ではなくなってきました。ですが、そもそも麹とは…? と、その正体はあまり知られていなかったりもします。そこで今回は、麹が何者なのか。どのような効果・効能があるのかを解説していきたいと思います。

スーパーでもよく見かけるようになった、麹って… 何?

スーパーの食品売り場、オンラインストアなどでも、よく見かけるようになった「麹(こうじ)」の文字。

なかでも、米麹を使った代表的な発酵調味料“塩麹”は、手にしたことがある方・購入するか迷ったことがある方も多いのではないでしょうか。

また、塩麹は、自宅で簡単に作ることができるとあって、日々の料理に活用して健康のために役立てている方も、ここ数年でグッと増えてきているようです。

では、ここで出てきた“麹”とは、いったい何者なのでしょうか。

麹は、日本食の原点

ザルに盛られた麹
(c)Adobe Stock

“麹”とは、米や麦、大豆などの穀物に、麹菌を繁殖させたもののこと。

麹菌というのは、発酵食品に欠かせない5大微生物のひとつ・カビの一種で、コウジカビとも呼ばれています。麹菌(コウジカビ)には、さまざまな種類があり、胞子の色や特徴によって分類され、食品ごとに使われる菌も異なるのですが、なかでももっとも代表的なものが、黄麹菌(アスペルギルス オリゼー)。味噌や醤油、日本酒、焼酎、みりんといった発酵食品などに幅広く使われている、日本を代表する菌・国菌としても知られています。

麹の原料と加工品の例

麹は、一般的に米、麦、大豆などの穀物が原料であり、加工されると次のような食品に変わります。

・米が原料の麹/米麹… 日本酒、米味噌、酢など
・麦が原料の麹/麦麹… 焼酎、麦味噌など
・大豆が原料の麹/豆麹… 豆味噌、醤油など

こう見ると、どれも古くから日本の食文化に関わり、食卓を支えてきた発酵食品であることがわかりますよね。まさに、「麹は日本食の原点」なのです。

麹の健康効果とは?

健康的な女性
(c)Adobe Stock

麹のもととなるのは、カビの一種・麹菌だとお伝えしました。

カビと聞くと、驚く方もいるかもしれませんが、麹菌においては、人間にとって害のないカビなのでご安心ください。

それどころか、この麹菌は、米や麦、大豆などに付着して繁殖する際に、さまざまな酵素を作りだします。この酵素の働きこそが、麹の役割だといっても過言ではありません。

代表的なものは、デンプンを分解してブドウ糖を生成する酵素・アミラーゼ。それと、タンパク質を分解してアミノ酸を生成する酵素・プロテアーゼ。米麹をベースに作られた発酵調味料・塩麹に肉を漬け込むと柔らかくなるのは、プロテアーゼの働きによるものです。ほかにも、脂肪を分解する酵素・リパーゼなど、麹菌からは約100種類以上もの酵素が生み出され、それらが各種ビタミンやアミノ酸といったさまざまな栄養素を生成しています。

日本の発酵食品の多くを作っている麹菌は、私たちの体にとって、実に有益な働きをしてくれているのですね。

が、しかし、先にお話した酵素のなかには、熱を加えることで活性を失ってしまうものもあります。そこで注目したいのが、冒頭で触れた発酵調味料の塩麹。塩麹は、「米麹を、非加熱でそのまま食べることができる」ため、酵素の働きをなるべく多く体に取り入れたいという方にもおすすめなのです。

米麹をそのまま食べる発酵食品「塩麹」!

醤油麹と塩麹
(c)Adobe Stock

栄養効果が高いことだけでなく、肉を柔らかくしたり、食材のうま味を増幅させたりすることでも、抜群の人気を誇る発酵調味料・塩麹。

具体的には、どのような効果・効能があるのでしょうか。

塩麹の効果・効能

・ビタミンB1が、エネルギー代謝を助け、疲労回復に役立つ
・ビタミンB2、B6が、タンパク質の代謝に関与し、肌の健康に役立つことで美肌効果に期待できる
・腸内環境を整えることで、免疫力・代謝が高まり、風邪の予防やダイエット効果に期待できる
・酵素・プロテアーゼがタンパク質を分解することで、肉は柔らかく、魚はジューシーに
・デンプン分解酵素・アミラーゼがブドウ糖を生成し、タンパク質分解酵素・プロテアーゼがグルタミン酸を生成することで、料理のうま味が増幅する

ここで、覚えておきたいのが、塩麹に含まれる酵素やビタミン類は、熱に強くないということです。ですので、基本的には、非加熱もしくは、低温で短時間の加熱調理をするといった取り入れ方をおすすめしています。

ただし、肉を柔らかくする目的で、漬け込みに使用するといった用途であれば話は別。酵素・プロテアーゼが、肉表面のタンパク質を分解し、内部まで浸透するため、筋繊維がほぐれて焼いても硬くなりにくいでしょう。

ちなみに、塩麹は、米麹に塩、水を加えるだけで簡単に作ることができます。

※ 作りやすい分量/米麹(生)200g、塩60g、水250ml:すべての材料をよく混ぜたら保存容器に移し、1日1回かき混ぜるだけで、5~10日ほどで完成。

それと、米麹に醤油を混ぜて作る醤油麹(写真・左側)も、米麹をそのまま非加熱で食べることができる発酵調味料です。塩麹と比べると、よりコクのある深い味わいが楽しめるようになるので、好みで使い分けてみてもいいでしょう。

飲む点滴「甘酒」は、肌のうるおいUPにも!

湯呑に注がれた甘酒
(c)Adobe Stock

最後に、もうひとつ。

米麹が使われた発酵飲料・甘酒も忘れてはいけません。甘酒は、炊いたご飯、もしくはお粥に米麹を混ぜて作られた飲み物(酒粕が原料の甘酒もある)で、江戸時代には夏バテ防止の栄養ドリンクとして飲まれていたことでも知られています。

そんな甘酒には、次のような効果・効能が期待されています。

── 疲労回復効果

豊富なビタミン類による疲労回復効果が期待できるだけでなく、甘酒に含まれるブドウ糖は分子が小さく、体内に吸収されやすいため、素早くエネルギーに変わるというメリットがある。

── ストレスの軽減

甘酒には、アミノ酸の一種・GABA(ギャバ)が豊富に含まれており、興奮した神経をしずめ、リラックス・快眠をもたらす抗ストレス作用がある。

── 整腸作用

米麹に含まれる食物繊維や酵素によって生成されるオリゴ糖が、腸内で乳酸菌をはじめとする善玉菌の繁殖を助ける。

── 美肌効果

透明感のある肌作りに働くコウジ酸や、肌にうるおいを与えるα-エチル-D-グルコシドを含む。

このように、健康・美容面でも嬉しい効果に期待できる甘酒。糖質は少なめですが、カロリーが高いので、飲みすぎないように、うまく取り入れましょう。

以上、麹の魅力についてお話しました。

塩麹、醤油麹、甘酒とどれも手軽に購入できる食品なので、気になった方は、スーパーなどでチェックしてみてはいかがでしょうか。

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ヨガインストラクター/発酵食品ソムリエ 高木沙織

「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®といった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。


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